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左手で吸収したものを強化して右手で出す物語  作者: へたまろ
第2章:王都学園生活編
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第144話:海外旅行 観光初日編

すみませぬ……しばらく、小生の趣味にお付き合い願いますm(__)m

 出かける前に、部屋の割り当てを。

 寝室は3部屋ある。


 トトはローズと、西向きのツインの部屋に。

 クコとマコは俺と同じ部屋が良いらしい。

 ということで、リビングに面した部屋を選ぶ。

 ここはクイーンサイズの天蓋付きのベッドだ。

 3人で川の字になって寝ても問題ないだろう。


 ジャッカスとルドルフもツインの部屋を選んでいた。

 ここにはエキストラベッドも置いてあったが、今回は人数的に問題無い。


 リビングもなのだが、各部屋に青い魔石と緑色の魔石が置いてあり、さらには壁際にも灰色の魔石が。

 それぞれ役割が違う。

 灰色の魔石は熱を吸収するらしい。

 そして、青い魔石は冷気を発していて、それを緑色の風の魔石で部屋に循環していると。


 お陰で、どの部屋も凄く快適だ。

 だが、夜は全ての魔石を消して窓を開けて寝ても涼しいとか。


 素晴らしい!


 部屋に備え付けのクローゼットにそれぞれの荷物を置く。

 着替えを入れる箪笥もあり、さらには鍵付きの金庫まで。

 まあ、このクラスの宿なら当然か。

 セキュリティがしっかりしてるし、宿の人もプライドを持ってそうだから部屋に忍び込まれることも、宿の人が盗ることも無いと思うが。


 カモフラージュの大きな鞄は、基本的にジャッカスとルドルフ、ローズの物しか入っていない。

 右手で管理者の空間から取り寄せれば問題無いからな。


 ただ、どうしてもクコ達が旅行気分を味合うために、最低限の着替えとかは準備させて自分の手で運ばせたけど。


「ベッドひろーい! フカフカー!」

「柔らかーい!」


 クコとマコが早速ベッドに飛び込んでいる。

 おいおい、外で服に砂埃とかついてるだろうに。

 とはいえ、それは左手で吸収すればいい話だし。

 そもそもシーツが上に掛かっているから、問題ないだろうけど。


「柔らかすぎるかも……」


 あっちで、高反発のマットレスを愛用している俺としては、少し身体が沈み過ぎて返って疲れそうな気がする、フカフカのベッド。

 相当に、綿が詰められているのだろう。

 高級品には間違い無いが、あっちの世界の2万円弱のスーパーのオリジナルブランドのマットレスの方が……


 いや、それを言っても詮無い事か。

 子供達には、この違いは分からないだろうし。


「おいおい、飛び跳ねると埃が舞うぞ」

「えへへ、ごめんなさい」

「思ったよりはずまない……」


 マコが少しだけ不満そうだ。

 というか、そういう感想が出てくるということは、お前はあっちのベッドの上でも飛び跳ねているんだな?


 はぁ……まあ、子供のやる事だし仕方ないか。 


「良いから、準備をしなさい。そろそろ、ご飯を食べに行くよ」

「はーい!」

「分かった!」


 よしっ、ここは気持ちを入れ替えて保護者モードを発動!

 見た目が兄弟に見えるから、せめて言動だけでも大人を意識しよう。


「ほら、これを被るといい。外は暑いからね」

「可愛い」

「おお、草の帽子」


 子供達に麦わら帽子を手渡す。

 鍔に返しのあるセーラーハットタイプだ。

 リボンの色は、クコがピンク、マコが紺色だ。


 ちなみに、土蜘蛛の手編みだったり。

 だから、耳を邪魔しないように横はU字になるよう加工してある。

 そして、そこからピョコンと飛び出しているクコの狼のような耳と、マコの熊のような耳がとても可愛い。


 ちなみにクコはパステルグリーンのワンピースと、白いサンダルを履いている。

 そこにちょこんと乗っかった淡いピンクのリボンのついた麦わら帽子がとても眩しい。

 少しだけチグハグに見えなくもなかったので、ベージュのチョーカーを巻いてあげる。


「うん、とっても可愛いよ。良く似合っている」

「ほんとう?」


 クコが姿見の前で、自分の姿を確認する。

 帽子を押さえてクルリとその場でターン。


「かわいい! これきにいったよ! マサキおにい!」


 満足そうにニカッと笑みを浮かべて、こちらに微笑みかけてくるクコ。

 うん……左上の歯が抜けていてちょっと間抜けだけど、獣人ならではの小さな尖った八重歯が可愛い。

 というか、全てが可愛い。


 抱き寄せて、頬ずりしたくなるレベルで。


「それは良かった」

「マサキ兄! オレは? オレは?」


 マコは襟と袖に紺の絹糸で縁取りした白いシャツと、濃紺の半パンだ。

 首には先を銀の糸で刺繍したワインレッドのリボンタイをしている。

 そして、濃紺のベスト。

 それに加えて、紺のリボンのついたセーラーハット。


「うんうん、どこかの王子様かなと思ったよ。良く似合っている」

「エヘヘ……」


 俺の言葉に、マコが照れくさそうにはにかんでいる。

 うん、お前も可愛いぞ。

 テトラとは、また違った可愛さがある。


 テトラは男の子ながら庇護欲をくすぐる可愛さがあるが、マコは最近の訓練のお陰か身体も締まっていて外人の子供のモデルみたいだ。


「これで準備はばっちりだな」

「うん!」

「早く行こうよ!」


 2人に手を引っ張られて、リビングへと向かう。

 クコは早く皆に麦わら帽子をお披露目したいらしい。


 リビングではすでに、ジャッカスとルドルフが準備を終えて待っていた。


「うふふ、おまたせ」

「準備は終わったみてーだな!」


 そう言って帽子を押さえながら部屋に飛び込んだクコに、ルドルフが声を掛ける。

 そんなルドルフの横腹をジャッカスが肘でつつく。


「ん?」

「おやおや、2人とも良い帽子を被ってますね。クコちゃんは、どこかのお嬢様かと見違えましたよ! マコ君は、休日の騎士の方みたいにオシャレですね」


 なんだといった視線を向けて来たルドルフを無視して、ジャッカスが2人の帽子姿を褒めちぎる。

 厳密にいえば、休日の騎士の大半がだらしない恰好だったりするが、騎士みたいという言葉が嬉しいのかマコも照れくさそうに笑っていた。

 クコに至っては最高に上機嫌で、ジャッカスの手を掴んで見上げながら「ありがとう! マサキおにいにもらったの!」と報告をしている。


 一瞬だけチラッと視線を送ったジャッカスに、ああ! といった感じで納得したルドルフも腕を組んで頷く。


「そうだな、外は暑いから帽子は絶対だもんな! 良く似合ってるぞ」


 うん……あまり、褒めるのは得意じゃないらしい。

 まあ、良いけどさ。

 ジャッカスのナイスプレーで2人とも上機嫌だし。


「本当に、この恰好で出かけないとダメ?」

「なんで? ローズさん、とっても似合ってますよ」


 そこに、トトとローズの2人も準備を終えてやってきた。

 が、入り口の前でローズが少し渋っている。


 一応、彼女には観光用の服も手渡している。

 丈の長い黒のレースマキシプリーツスカートと白のブラウス、そして白の麦わら帽子。

 リボンは黒色だ。

 肩掛けの濃紺のバッグも用意した。

 足の長い彼女に良く似合っていて、それでいてフェミニンな印象も演出しておりとても田舎の小娘で現役冒険者とは思えない。

 普段のベージュのチュニックに特殊な皮鎧を合わせて、濃い色味のパンツばかり履いている彼女の印象がガラリと変わって見える。


「へえ、とても似合っているよ」

「ありがとうございます、マサキ様」

「素敵ですね。これも、マサキ様が?」

「ああ! そうだローズ、これも巻くといいよ」


 ジャッカスも素直に褒めてくれたが、個人的に赤茶のちょっと長めの髪を細い紐で後ろで結んでいて背中に垂らしているが、少しだけ髪色が浮いてしまったかもしれないと感じた。

 なので右手で管理者の空間から取り出した白い大きめのリボンを手渡すと、それを巻かせる。

 なかなかにどうして、髪色の印象が薄くなって馴染んだ気がする。


「もしかして、全部マサキ様が選んだのか?」

「ああ、そうだよ。何か?」

「いや……とっても似合ってると思って。やっぱ貴族様はセンスも良いんだな」

「センスというか、彼女に似合いそうなものを寄せ集めただけだからさ」

「それが分かるのが羨ましい。俺が女性に贈ったものってその場では喜んでもらえるんだけど、使ってるところ見た事がなくってですね」

「ふふ、それは使うのが勿体ないだけかもしれないよ? ここ一番で使う時ように、取っているんじゃないかな?」

「だと良いんですけど」


 取りあえず、ルドルフの恰好を見る限り致命的にセンスが悪いって印象は受けないけど。

 まあ、良いか。

 そして、トトもローズの影からひょこッと顔を覗かす。


 広い鍔のついた白い麦わら帽子と、ノースリーブの白いシャツにパステルブルーのレースカーディガンを用意した。

 下はカーキーの膝上丈のハーフパンツだ。

 うんスポーティな彼女に、こちらもとても映えたものに仕上がっていて満足。


 ああでもない、こうでもないと考えた甲斐がある。


「本当にローズもトトもクコちゃんも素敵ですね、どこのレディかと思いました」

「ああ、3人とも綺麗だよ」

「うん、似合っている」


 ルドルフの感想が似合っているばかりだが、まあ良いか。

 3人とも嬉しそうだし。

 ちなみに俺は、ベージュのパンツと白いシャツだけだけど。

 シャツの下には黒のTシャツを着て、シャツのボタンは全部開けている。

 普通の恰好だ。


「あら、皆様素敵なお召し物ですね」


 食べ終わった果物のお皿や、皮の処理を終えたクレオさんがリビングに入って来て褒めてくれる。

 その視界の中に、ジャッカスとルドルフは入ってなさそうだけど。

 子供達が、はにかんでいる。

 あと、ローズも。


「これから、お出かけですか?」

「ええ、外で昼食を頂いて少し観光しようかと」

「それは良いですね。食事処の当てはあるのですか?」

「うーん、一応商業区にある金の皿亭に行ってこようかと」

「あそこなら、間違い無いですわね」


 金の皿亭も、虫達調べで有名な食事処。

 ここを虫達が勧めた理由は、主に異国からの旅行者が好む味付けでありながら、この国の特色ある食事を用意してくれるところだ。


 ここから、商業区まではまずは一旦南下して、大通りを西に突き進むとあるらしい。

 宿から馬車を出してもらうことも出来るらしいが、どうするか悩む。

 いや、自分の足で歩いた方が旅も楽しいか。


 うーん、それとも目的地までの余計な手間は省くべきか。

 まあ、疲れたらいくらでも移動手段はあるし。

 

「それでは、行ってらっしゃいませマサキ様」


 フロントクラークに鍵を預けて外出する。

 受付の人は流石にだが、ロビーに居た従業員が見送ってくれるのを背にホテルを出る。


「暑い……」


 照り付ける太陽光を地面が反射して、上からも下からも焼かれるようだ。

 これはしまった……

 馬車で移動にすべきだったかも。


「まずは一旦南に向かうのでしたね」

 

 ジャッカスが涼し気な表情で聞いてくるが、お前は暑く無いのか?

 子供達もちょっとだけ暑そうだが、そこまで問題にしている様子は無い。

 ローズも、ルドルフもだ。


 あれか……管理者の空間でエアコン付きの部屋で過ごしてきた弊害か。

 思った以上に、気温の変化に弱い身体になってしまったらしい……

 

 いや、マルコはそんなものの無いところで生活してるわけだし。

 これは、精神的なものだな。

 肉体レベルでいったら、きっと問題無い範囲だし。


 仕方がないので右手で日傘を取り出すと、それをさす。

 一応上からの照りつけは無くなったが、足元から熱気が。


 取りあえず子供達とローズにも日傘を差し出して、日光対策をする。

 ついでに日傘の中に蜂も。


 蜂が風魔法で、日傘の中に涼しい風を送り込んでくれる。

 うん、大分マシになった。

 蜂にはお返しに水球を与えてある。

 好きな時に、水分が補給できるように。


 ようやく、落ち着きを取り戻して足取り軽やかに南下していく。


「面白い建物ばかりですね」

「ああ、基本的に白かベージュばかりだが、屋根が尖っているところを見ると冬は降るのかもな」

「雪……ですか?」


 南の国だが、どうも地球とは違って冬はかなり冷えるように見える。

 建物が白やベージュが多いということは、夏はかなり暑くなるのだろうけど。


 街の人達の恰好は、チュニック姿や、布を身体に巻いている人が多い。

 下は男性も女性も、幅の広いパンツ姿だ。

 それを腰の部分で、太めの布で巻いている。

 布自体は薄そうだ。


 陽の光に当たると、女性なんかは足のラインがモロに透けて見える。

 これはこれで……なかなか。


 見えないけど見えるっていうのは、男のロマンだよな?

 ジャッカスやルドルフに同意を求めそうになったが、いまの俺は保護者モードだ。

 ここは、我慢だ我慢。

 本当はじっくりと見たいところだが。

 

 そう思って後ろを見る。

 流石だジャッカス……

 しっかりと周囲を警戒しているのが分かる。

 せわしなく視線を動かしている。


 それに気配探知も使っているようだ。


 そしてルドルフ……


 うん、やっぱり女性経験は浅いんだろうね。

 目のやり場に困っているのか、基本的に高い位置の物ばかり見ている。

 それに、女性が視界に入るとすぐに逸らしているし。


 でも気になるのか、時折チラッ、チラッと視線が降りているぞ?

 見ないのなら、徹底的に見ないという強い意志を持たないと。

 ムッツリルドルフだな。


 ホテルのある通りは大小様々な宿が集まっていて、同じような観光客がチラホラと南に向かっている。

 時折ホテルのロゴを付けた、馬車も通っているが。

 いかにも成金っぽい人達が乗っているんだろうな。


 ケッ!

 こういったのは、自分の足で歩いて、自分の目で見るのが大事なのに。

 いや、別に自分が判断ミスったからって、妬んでいる訳じゃ無いからな。


 純粋に、勿体ないことをしてるなと思っただけだ……

 これだから、金持ちってやつはとかって……


 あー、失敗した。

 ジャッカスは涼しげだが、ルドルフはやっぱりちょっと暑いらしく手で顔を扇いでいる。

 まあ、お店に着くまでの辛抱だ。


 ようやく街を横断する大通りに出たので、西に向かって行く。

 ここからは、人通りが一気に激しくなるので大人組に、子供と手を繋ぐように命じる。


「マサキ様は?」

「あー……俺がはぐれると思うか? 仮にはぐれたとしても、一旦管理者の空間に戻って地図でお前らを探すから問題無い」

「はぁ……」


 ローズが心配そうに声を掛けてきたが、それは無用だ。

 そもそも、気配探知レベルでいえばジャッカスよりも上だし。

 完全にはぐれたところで、管理者の空間に戻ればいくらでも対処できる。


「まあ、最悪お前達がはぐれたなら、子供達の鞄に居る蜂に案内を頼んだらいい」


 ちなみに子供達は時折鞄に手を突っ込んでいる。

 鞄の中は、虫達の為に快適温度を保てるよう、水の魔石を入れてある。

 水の魔石というか、氷の魔石だが。

 暑くなったら、そこに魔力を流して鞄の中の温度を下げるように伝えているが。


 どちらかというと、子供達が手を突っ込むから使っている感じでもある。

 優しいなお前ら。


 そのまま西に進んでいくと、モンロードマーケットという市場に着く。

 なるほど、通りの幅はかなり広いのであちこちに出店が並んでいる。

 さらに道の縁には店舗がずらっと軒を構えていた。


 お店の中は涼しそうなところから、店主が暑そうに団扇で扇いでいるとこまで様々だ。 

 

「マサキおにい! あれ!」


 クコが俺の手を引いて指さした先は、氷菓子を売っている出店が。

 うんうん、暑いもんな。

 分かるぞ。


 でも、駄目だぞ。


「はは! これから、美味しいお店に向かっているところだから、買い食いはその後でだな」

「むぅ……そうだね! おりょうりがたべられなくなるともったいないもんね」

「うんうん、我慢できるなんて良い子だな」


 取りあえずクコの頭を優しく撫でる。

 知り合いに会う事を考慮して仮面を用意したが、暑くて付ける気にもならない。

 それに、大陸が別なのでその可能性もかなり低いのではないかと、楽観視することにした。


「あらあら、仲が良いわね」

「可愛い! 兄妹……には、見えないわね」

「腹違いの兄妹かもよ」


 他の観光客の人が、俺達に微笑ましい視線を向けてくる。

 くぅ-、本当なら親子のように見られたかった。

 大人の姿だったら、クコを肩車とかして両手でトトとマコと手を繋ぐのに。


 通りを歩いていると、やたらと周囲の人の視線を感じる。

 あれだな、クコとトトが可愛すぎるからか? それともマコが男前だからか?

 どっちにしろ、悪くない視線を浴びて少しだけ優越感。


「あのお召し物はどちらの地方のものかしら?」

「うーん、あまり見た事が無いな」

「とっても素敵ね。うちの子達にも着せてあげたいくらい」

 

 あー……服が気になった訳ね。

 確かに、この世界にはあまり馴染みの無いフォルムのものばかりかもしれない。


「麦で編んだ帽子か……珍しいね。でもリボンは絹っぽいし……安い素材と高級素材の組み合わせとあのデザイン。どこで売ってるんだろう」


 麦わら帽子も気になると。

 いや、麦わら帽子自体はこっちの世界にもあるにはあるが。

 こういった、デザイン重視の物は珍しいと。


 どちらかというと、農業従事者とかが被っている印象しかない。

 それも、鍔が無駄に広い日光対策のみに特化した物ばかり。

 おしゃれな麦わら帽子に、新たな可能性を見出す事が出来た。

 これは、売れるかもしれない。


 この程度なら、オセロ村の新しい産業に組み込めるかも。

 流行発信の村というのも、悪くない。

 いや、もうすでに町どころか、街規模にまで発展しているけど。


 それから様々なお店の誘惑に打ち勝って、目的のお店へと着く。

 取りあえず腹を満たしてから、他のお店をじっくりと見たかったから脇目も振らずに向かった。


 ジャッカスは流石だ。

 一直線に俺の後を付いて来ていたが。

 

 ルドルフもまあ、少しは興味深そうに周りを見ていたが、それでも概ねベクトルは一緒だった。


 ローズ……

 何故お前は、子供以上に落ち着きが無いのだ。

 あっちにフラフラ、こっちにフラフラとしているローズをトトが一生懸命手を引いて、俺達の後を追いかけているのをみてどっちがお守りだと、溜息が出そうになるのをグッと飲み込む。


「いらっしゃいませ!」


 金の皿について出迎えてくれたのは、真っ白な服を着た若い女性。

 獣人の方らしく、狐っぽい耳がピクピクと動いている。


 そしてその目はしっかりと、ローズにロックオンされていた。

 どちらかというと、ローズの履いているスカートと、被っている麦わら帽子かな?


 確かに透けて見える、黒のレースという素材は珍しいかもしれない。

 それにプリーツスカートというデザインも。


 ウェストに向かってひだが集まっているギャザースカートは、かろうじて見た事があるが。

 いやシワの幅が広いから、どちらかというとタックスカートか。

 それに対して等間隔の縦織のシワのプリーツスカートは、他に見ないからな。


 俺の連れもなかなか、シャレオツだろう?

 彼女の目のキラキラ具合が、このスカートの魅力を物語っている。

 

 まあ、連れと言うか……保護者の1人だな。

 

「こちらのお席にどうぞ」

「有難う」


 案内してくれる女性の言葉に対して、俺が代表して答えると一瞬だけ「えっ」というような視線を向けられたがすぐに笑顔に戻っていた。

 まあ……今回は俺以外の皆の方が高級そうな服を着ているし仕方ないか。

 あっと、ルドルフは論外だけどな。

 ジャッカスは、それなりにオシャレな恰好でキメている。

 まあ、これは俺の教育と土蜘蛛や蚕達の努力の結果だが。


 取りあえず女性に、席に案内されてメニューを渡される。

 案内されたのは、円形のテーブルだ。

 うんうん、どこに座っても皆の顔が見渡せて良い感じだな。

 いや、四角いテーブルもあるが、今回はこっちをお願いした。


 ちなみにメニューはやっぱりそうだよね。

 観光客向けに料理の説明は書いてあるが、日本と違って写真なんかはない。

 純粋に文字だけで、想像して頼まないといけないと。


 まあ、そこもあれだ……虫達のオススメがあるからそれをメインに、あとは気になるものを頼むことにしよう。


 


とことん描写を頑張ると気合を入れて書き始めた結果、おかしのことに……

子供や女性の衣装を含めホテルから出発までに4000文字を超える事に(笑)


いやいや……服って大事ですよね?

クコとマコとトトの髪色は淡い茶色です。

ローズはちょっと赤の強い栗色の髪です。

トトは肩までのショートボブをイメージしてますが。

クコはおかっぱ。

マコはツンツンショートです(∩´∀`)∩


ちなみにカットはラダマンティスねw

こんな感じで、ゆっくりと何話か掛けて趣味に走ります♪

次は金の皿亭の料理に、街やお店の描写に力を入れる(`・ω・´)b


時差ですが、北の大陸ど真ん中の南にあるミスリルさんところが11時間進んでます。


モンロードは横長の南の大陸の西よりなので、時差は4時間で考えてます(*´▽`*)



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