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左手で吸収したものを強化して右手で出す物語  作者: へたまろ
第2章:王都学園生活編
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第118話:デーモンロード

 リコが連れていかれたらしい廃墟に向かう途中で、蜂が話しかけてくる。


「ジャッカスが悪魔を一体倒しました」


 どうやらジャッカスが悪魔を倒したらしい。

 というか、本当に浮浪者の不審死は悪魔の仕業だったのか……


 これで無事事件は解決かと思いきや、蜂がいうにはあと2体の悪魔が街に忍び込んでいると。

 ただ、2体ともクロウニさんと、マハトールが対応するとのこと。

 

 そして、そのどちらもビルドとは別人らしい。

 僕の勘ではビルドが一枚噛んでいる気がしたんだけど。


 でも虫の報告では街に居た悪魔は3体で、どれも現在対応中。

 思い過ごしだったかな?


 じゃあ、なんでリコを連れて行ったんだろう。

 別件?


 様々な事を考えながら、教えて貰った廃墟に辿り着く。


「おかしいですね……なんの気配もありません」


 横に並んで飛ぶ蜂が、首を傾げている。

 

「見間違いってことは?」

「ありえませんね……それに、周囲を取り囲んで監視もしていましたし」


 数匹の蜂が生い茂った雑草の中から、顔を覗かせる。

 なるほど、完全に包囲していたようだ。

 

『マルコ、中に転送陣が敷いてある。たぶん、どこかに転移したみたいだぞ』


 どうやら、タブレットで廃墟の中を覗いただろうマサキから、状況を教えてもらう。

 

「どうしよう」

『魔法陣は生きてるみたいだし、追いかけるか?』

「行先は分からないの?」

『探しているけど、少し時間が掛かりそうだ』


 確かに地図検索は建物や地域だけで、個人までは検索できないからね。

 せめて配下の誰かが居たら、見つけられるのに。

 

『一番良いのは、転移と同時に一度管理者の空間に戻ってくることかな? ポイントは転送が終わって、魔法陣の光が収まる前にこっちに来るだが』

「うん、やってみる」


 取りあえず転移先に飛んでから、一瞬で転移すれば良いと。

 一瞬とはいえ僕の場所は分かるらしいから、それで取りあえずゆっくりと状況を観測するとのこと。


 なら安心かと、廃墟の中に足を踏み入れる……と同時に、足元から光りを感じる。

 次の瞬間、周囲の景色が一転。

 慌てて管理者の空間に飛ぶ。


「なにあれ!」

「ああ、どうも相手さんも侵入者を招待したかったみたいだな。きっちりと、転送の罠が置いてあったぞ?」

「知ってたよね?」

「知ってたけど、何か?」


 知ってるんなら、教えてくれても良いじゃん。 

 かなり焦ったんだけど。

 とはいえ、目的は達成。

 

 とは、転移先の確認だけだ。


「場所は?」

「うーん、森だな……なになに、ケールの森? 聞いた事無いな。一応この大陸にあるらしい」

「ハベレストの森と繋がってるはずだよ? 確か4つの森を合わせて、大森林と呼ばれてた場所だし」

「そうなのか? なんで、そんなところに?」


 どう考えても、罠だとしか思えない。

 いや、僕を罠にはめる理由が、全く分からないけど。

 あまりしゃべった事も無い相手だし。


 思い当たる節があるとすれば、セリシオやフレイ殿下の覚えが良いくらいか?

 懐かれてるというか。


 それが、面白くないって人も居るだろうし。


「十中八九罠だと思うけど、行くか?」

「勿論……でも、行かなかったらどうなるんだろ?」

「さあ?」


 あっ、余計なことを言ったかも。

 これ、マサキならたぶん行かずにずっとタブレットで監視してる可能性がある。

 最悪、リコに危害が加えられそうになったら転移で移動して、すぐに回収してとんずらするみたいな。


 まあ、一つの作戦としてはありだけど。


 ありだな……

 うん、マサキならやるかもと思った事を考えてみたけど、ありな気がしてきた。


「さっさと行かなくていいのか? カールも心配してるんじゃないか? リコも不安だろうし」

「う……うん」


 マサキっぽいことを考えていたら、常識的で建設的な意見が出て来た。流石に考え過ぎか……

 取りあえずビルドとリコがいる周辺を見る。

 

 一応だけど転移が発動したので、魔法陣が光ったらしくビルドが笑みを浮かべてそこを眺めていたらしいが、一瞬現れた人影がすぐに消えた事で焦っていたらしい。

 ずっと僕の動きを見ていた、マサキから聞いた。

 なんか、ごめんとしか言いようがないけど。


 そのあとは、ひたすら転送先に指定されたであろうこの世界の座標地点を見ているらしい。

 さっき、僕が一瞬だけ現れた場所だ。

 

 必ず来ると確信しているのか、落ち着いた様子らしいが。

 これ、本当にもし行かなかったらどうなるんだろ?

 

 いや、行くけど。


 管理者の空間でマサキの顔を見たことで、ちょっとだけ気分が落ち着いたし。

 リコの方を見る。


 瞳に光が宿っていない。

 無表情で、ビルドの横に直立している。

 あれだ、以前見た彼の取り巻きみたいな状態だ。

 

「精神支配を受けているっぽいな」

「うん……」

「最悪は吸収して連れて来い、支配の上書きが出来るから」

「うん……」


 最悪はね……

 そうならないように、頑張りたいところだけど。


 取りあえず、転移でビルド達の元に向かう。


――――――

「へえ……どういう手品か知らないけど、面白い事するね」


 意表を突いて、転移陣と全く関係の無い場所。

 ビルドの背後に転移したが、すぐに見抜かれてしまった。


 まさか気配を読むことが出来るとは、思わなかった。

 やっぱり、普通の子じゃない。


「そっちこそ、もう少し驚いてくれると思ったんだけどね」

「なるほど、ここはもっと驚く場面か」


 時折意味の分からないことをいうビルドに警戒しながら、一緒に連れて来た蟻達をリコの元に向かわせる。


「こんなところで、何をしてるのですか?」

「えっ? 何って、可愛い後輩とデートだけど?」

「へえ……随分と年下の女性が好きなのですね」


 全くの出鱈目だ。

 飛び出す直前にカールから聞いた。

 少し前から執拗に、リコとカールに対してビルドはソフィアとエマとの縁を繋ぐように強要してきていたと。

 なかば、恫喝に近い言葉で。

 目的は……目的になりえるものが多すぎて、返って絞り切れないが。


 チラリとリコを見る。

 目が合った瞬間に、それまで無表情だったリコが満面の笑みを浮かべる。


「マルコ! 助けに来てくれたの?」


 そう言って、一気にこっち向かって駆け寄ってくる。

 一切崩れる事の無い、笑顔で。

 そう、唇の角度も、瞳も動くことなく、瞬きすらしない笑顔。

 まるで仮面のようなそれ。


「っ!」


 嫌な予感がして、一気に後ろに跳び退る。

 ビルドがへえといった、感心したような表情を浮かべている。


 そして、満面の笑みのまま僕が居た場所で立ち止まった瞬間、またも表情がスッと抜け落ちる。

 見ればその手には、ナイフが握られている。

 リコはすぐにナイフを背中に隠す。

 そのままリコの表情を見ようと、視線を顔の方へと向ける。


 またもリコと目が合う。


「マルコ! 助けに来てくれたの?」


 さっきと同じ表情で、こちらに駆け寄ってくるリコ。

 完全に操られている。


「ビルド、何をした!」

「まさか、こんなにあっさり失敗するとはね」


 ビルドに向かって睨み付けると、彼は肩をすくめて指を鳴らす。

 次の瞬間、糸が切れた操り人形のようにその場に座り込むリコ。


「ちょっとした暗示だよ、助けに来てくれた相手に対して笑顔で駆け寄って胸に飛び込むっていうね? っと、うっかり手にナイフを持たせてしまったけど」

「お前、誰だ? ビルド先輩じゃないだろう?」


 僕の問いかけに対して、ビルドが首をぐるりと回す。

 それから左、右にと素早く首を傾ける。

 首から、ゴキゴキっという骨のなる音が聞こえて来た。


「あー……こんだけ派手にやったら、そりゃバレますか。でも、残念ながら私はビルドなんですよねぇ……彼の身体と同化してますから」

「同化?」

「初めまして……一応、この世界で45人目のデーモンロードのヴィネと申します」


 そう言って、初々しく頭を下げるビルドが、顔だけ上げて笑みを浮かべると人としてありえない程の威圧をぶつけられる。

 思わず、衝撃を感じて後ろに吹き飛ぶほどの。


 ゴブリンキングとの決戦から、威圧に対する訓練は怠っていなかったお陰でどうにか意識は保てたが。

 そして、すぐに横っ飛びで、その場から離れる。


 さっきまで僕が居た場所で、リコがナイフを振り回している。


「なんで、避けるのよ! マルコォッ!」


 目を血走らせて、こめかみに血管を浮き上がらせ、黒く窪んだ瞳でこっちを睨み付けてくるリコ。

 口が頬まで裂けて、血が垂れている。


「どうだい? 彼女の方が私よりもよっぽど、人間離れしてると思わない?」

「結界を張って! それから、回復も!」 


 ビルドを無視して、白蟻と蝶達に指示を飛ばす。

 関節を無視してナイフを振り回し、人としてあり得ない速度で移動する彼女の身体みるみるうちに、ボロボロになっていく。

 まるで、本当のマリオネットのように腕や足が変な方向に曲がり始める。

 時間がない!

 

 支配の解除と回復を同時に行う。

 すぐに白蟻による、聖域結界に囚われて動きを止めるリコ。

 さらに、蝶達が全力で回復を行う。


 一瞬だけ正気を取り戻したリコが、激痛に顔を歪めたがすぐに収まる。

 とはいえ、まだまだ9歳の女の子。

 一瞬とはいえ、身を襲った激痛に肩を抱いてへたり込み、大粒の涙を流し始める。


「リコ!」

「マルコ?」


 リコに向かって声を掛けると、彼女がハッとしたように顔を上げる。


「大丈夫?」

「マルコ、そいつおかしい! 人じゃない!」

「知ってる!」


 リコが、ビルドを指さして叫んでいる。

 その表情は恐怖に染められていながらも、どこか怒りのようなものも見て取れる。

 どうやら、思ったよりも元気な様子に一安心。


「へえ……中々に、面白いペットをお持ちで」

「それはどうも……取りあえずさ、ビルド先輩の身体返してくれないかな?」

「それは出来ない相談ですね」


 ビルド先輩の皮を被ったヴィネが一気に距離を詰めてくる。


「なっ!」

「マルコ!」


 そして、お腹の辺りに手を添えられたかと思うと、激しい衝撃を感じて吹き飛んでいく。

 地面を2回程跳ねたところで、どうにか体勢を整え滑るように距離を取る。

 リコの心配そうな叫び声が聞こえた。


「へえ、随分と軽い」

「子供だからね」


 わき腹から鈍痛が走る。

 もしかして、肋骨が折れたのかな?

 前世でも骨折はしたことないから、分からないけど。

 

 取りあえず、蝶が飛んできて傷を治してくれる。


「ふーん……本当に、おかしなペット達が大勢いるみたいで羨ましい」

「よくもやったな!」


 取りあえず、お返しとばかりに突っ込んでいって、顔を殴り飛ばす。

 全く反応することなく、無防備な状態で攻撃を受け吹き飛んでいくビルド。

 あれっ?


 弱い?


 受け身も取らずに、地面に叩きつけられ木にぶつかって止まる。


「フフフ……フハハハハ! これは酷いですよ! ただの子供の身体に、強化を施した拳を本気でぶつけるなんて」


 何事も無かったのように立ち上がったヴィネの頬が真っ赤に腫れあがっている。

 口から血も出ているし、左腕が関節と関係ない場所で変な方向に曲がっている。


「これは左の頬骨と上顎骨、それから橈骨が折れてますね……内臓に被害は無しと」

「随分と弱いじゃないか」

「ええ……ビルド君は随分と弱いみたいですね? まあ、私は痛く無いのでいくらでも痛めつけてもらって結構ですが」


 そんな事を言いながら、折れた腕を不気味にカクカクと動かしているヴィネ。

 ここでようやく気付いた。


 ヴィネにとって、いま使っている身体は借り物。

 彼には、全く関係の無い物だと。


 それを傷付けることは、何の罪もないビルド先輩の身体を傷つけることになる。


「くそっ! 癒してあげて!」

「必要ありません!」


 蝶達を向かわせるが、ヴィネから闇の波動を感じると、振るわれた手から闇の一閃が放たれて蝶の身体を掠める。


 羽が1枚半分に切られてしまったが、すぐに再生している。

 一瞬焦ったけど、ホッと一安心。


 最悪だ……まさか、戦う相手自身が人質になるとか。

 手のだしようがない。


「どうしたのですか? どこからでも掛かって来て下さいよ?」

「卑怯な!」

「フフフ……悪魔ですから」


 攻めてくる気も無いのか、両手を広げてニヤニヤと見つめてくるヴィネ。

 その頬は腫れ上がっているのに、全く気にした様子もなく口を歪める姿はおぞましいとしか言えない。


「来てくれないのならば、時間制限を設けましょうか?」

「何を?」

「こうするだけですよ……」


 ヴィネが左手の手首を切り付けると、水球でその腕を包み込む。


「さてと、早くどうにかしないとこの身体……死んじゃいますね?」

「……なんで、そんな事を……」

「暇潰しです」

「はっ?」

「だから、ただの暇潰しですよ? 悪魔が悪さをするのに理由が必要ですか?」


 そうだ、そうだった。

 悪魔ってそういう生き物だった。

 

「まああとは、実は私は雇われの身でしてね……ちょっと、面白い子供が居るから観察して力を測ってくるように言われてるんですよ」


 面白い子供?

 ビルドか?

 それとも、リコの事か?

 いや、そんな訳ない……

 たまたまカールが頼って、ここに居合わせた僕と正面から対峙しているんだ。

 ほぼ、僕の事だろう。

 

 ただ、今はゆっくりとおしゃべりしている時間は無い。

 そうこうしている間も、ビルドの腕に留められている水球の色が赤く変色していっている。


「そっか……だったら、その子のところに行って、仕事してきなよ!」


 一瞬で肉薄すると、太ももにナイフを突き立てる。

 ついでに百足の麻痺毒も流し込む。

 これで、動きが封じられるは……ず?


「くっ!」


 水球を纏った腕で、容赦なく殴り飛ばされる。

 咄嗟に左の肘を合わせたことで直撃は免れたが、ビルドの腕から骨が砕ける音が聞こえる。

 その腕に目をやる。

 視線の先で、まるでブラブラとありえないくらい自由に揺れ動いている。 


「なんで……」

「麻痺毒ですか? 別に神経使って動かしてる訳じゃないので、効くわけないじゃないですか? ただ……彼には効いているみたいですけど……抵抗力も大分弱くしてますからねぇ」

「ん?」

「ふふふ、人間の身体が子供同士の殴り合いで簡単に壊れるわけないじゃないですか? 当然、弱体化も施してますよ? そうだ……良い物見せてあげましょう?」


 そう言葉にすると、ヴィネが首を一度上に向ける。

 次の瞬間。


「ギャアアアアアア! 痛い! いだいいいいいいいい!」


 その場に膝から崩れ落ちて、左腕を押さえながら顔を歪ませて、頬を引きつらせ……歯を食いしばり……口を開けて叫ぶ姿が。


「グウウウウウウ……」

 

 叫んだことで、折れた頬骨と上顎骨が神経を刺激したのか、下を向いて何かに耐えるように呻き声をあげるヴィネ。

 いや、違う……これはビルド?


 歯を食いしばっても激痛が走るからか、口を開けて涎と涙を垂らしながら真っ青な顔でガタガタと震えている。

 一度身体が弾んだかと思うと、静かになる。


「クックッ……面白かったですか? 同じ学校の先輩が、大怪我で苦しむ姿は? 誰がやったんでしたっけ?」

「お前……」

 

 ヴィネを睨み付ける。

 

「マルコ……もう、ビルド先輩は助からないよ……それより、そいつを倒さないと! もっと被害が出ちゃう!」


 凄惨な状況に、言葉も出せずに固まってジッと成り行きを見ていたリコが、子供っぽい口調で話しかけてくる。

 確かに……

 こいつを、なんとかしないと大変な事になりそうなのは分かった。

 けど、ビルド先輩が助かるかどうかは、僕が決める事だ。


 そして、助ける。

 正直関わり合いは全く無いけど、だからといってここで見捨てるという選択肢はない。

 それに、そんな事したらリコの心にも傷が残るはずだ。


「お願い! あいつの動きを封じて!」


 僕の言葉に、リコの周りに居た数匹の白蟻のうち2匹ほど顔を見合わせると、ヴィネに向かっていく。

 聖属性のオーラに身を包んで。


 このまま聖域結界を2匹掛かりで掛けて貰えば、動きを止めることくらい出来るだろう。

 取りあえず、その隙に傷さえ回復出来れば……

 そう思った瞬間、背筋にゾクリとした寒気が走る。

  

 ヴィネの方に視線を向ける。

 目が合った瞬間、彼は顔をちょっと左下に向けて、歪に形が崩れた瞳で見上げるような視線を送って来る。

 頬まで広がった半開きの口がしてやったと言わんばかりに、僕を小ばかにしたような笑みを携えている。


「それは、困りますね……」


 そうヴィネが呟いた瞬間……人の身体にあるはずの無い尻尾が動いたかのように見える。

 あれはヤバい! 何故か分からないけどそう感じた。

 今まで見て来た色々な魔物の攻撃のどれとも違う。

 まるで、異質な攻撃……どちらかというと、おじいさまの剣に近い。


「止まって!」


 咄嗟に白蟻達に向かって声を掛けながら、全力で彼等の前に飛び出す……

 

 両手を広げて、ヴィネの前に立ち塞がるが頬を何かが通り過ぎる……


 そして背後でドサリという……


 何かが崩れおちる音が聞こえてくる。


 何が……

 怖い……

 振り返りたくない……


 悲しみと怒りが背後から伝わってくる……

 そして僕の中からも……

 これは、僕の感情じゃない……

 マサキのだ……


 嫌だ……

 見たくない……


 ゆっくりと、祈るような気持ちで後ろを振り返る……


 そこには、白蟻は1匹しか居なかった……


「殺せたのは1体だけでしたか……」


 ヴィネがそう呟いた瞬間……


『マルコォォォ! かわれぇぇぇぇぇぇ!』


 マサキの声が響き渡った。

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