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左手で吸収したものを強化して右手で出す物語  作者: へたまろ
第2章:王都学園生活編

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第99話:後期中間結果

「おはようマルコ、早いね」

「はは、おはよう」


 ベントレーが教室に入って来たので、笑顔で挨拶をする。

 今日はとても気分が良い。


 朝、ベルモントの屋敷を出る時に庭にコスモスっぽい花が咲き乱れていた。

 庭師の人が頑張って、コスモスで囲まれた道を作ってくれていて、この時期は色とりどりのコスモスを眺めながら門までいける。


「どうしたんですか? ご機嫌ですね」

「えへへ」


 いつもは並んで歩くファーマさんと手を繋いで学校に向かう。

 なんとなく、手を繋ぎたい気分だったのだ。


 時折ニコニコとファーマさんを見上げて笑みを向けながら歩いていたら、ファーマさんも少し嬉しそうに笑って聞いてくれた。


「聞きたい? ねえ、聞きたい?」

「ええ、是非聞かせてください」


 僕が主の孫だからという事を抜きにしても、ファーマさんは大人の対応を心得ている。

 これがマサキだったら多分「別に聞きたくないし、気持ちわるいから手を離せ」とかって言って来るに決まっている。


「こないだの中間試験でね、4位だったんだ!」

「凄いじゃ無いですか! ベルモント始まって以来の快挙ですね!」


 自慢げにというか、普通にこの間の中間テストの結果を自慢すると素直に褒めてくれる。

 嬉しい。


「でも本当はトップとれると思ったんだけどね」

「十分ですよ。当然体力測定は1位だったんですよね?」

「まあ……満点で1位だったけど、満点が8人もいたから同率1位が8人……」


 前回の大運動テストで、僕は満点を取る事が出来た……が。

 他にも、ディーン、クリス、フィフス、ヘンリー、トーマが満点だった。

 トーマというのは、クリスの従弟だ。


 それに女子の部ではエマとソフィアと、もう一人戦闘学科の子が満点だったらしい。

 別に優劣をつけるわけではなく、一定の基準を設けてそれぞれ配点が振ってあるから仕方ない。


「その中でもトップだったんじゃないかとエリーゼ様は、おっしゃってましたよ?」

「ふふふ、おばあさまったら……でも、僕もそう思う」

「はいっ、私もそう思います。マルコ様は、他の子供達とは物が違いますからね」


 普通ならウザいと思う僕のちょっと自惚れた発言を嫌な顔をするでもなく、笑顔で肯定するファーマさんはやっぱりちゃんとした大人だ。

 マサキにも見習ってもらいたい。


 こういうとこだぞっ、マサキ?


『そうだな……マルコのそういうとこは本当にウザイな』


 心の中で呟いたのに、普通に突っ込みが返って来たし。


『そもそも、それだけのポテンシャルがあって何故1位が取れない?』

「あーあー、聞こえなーい!」


 こうやって平気で水を差すようなことを言ってくるのがマサキだ。

 将来僕もこうなる可能性しかないが、そうならないように反面教師として見習っておこう。


『まあ確かに俺も小さい頃は褒めて伸びるタイプだったが、同時に自惚れて失敗するタイプでもあったからな……1人くらいは、きちんと現状を教えてあげられる人が必要だろう』

「ソウデスネ……」


 その点は僕も自覚がある。

 たぶん、マサキに褒められて認められたら、かなり有頂天になって調子に乗るのは自覚できるし。

 でも……少しくらい褒めてくれてもいい気が……チラッ。


『クコ待ちなさい! パンツくらい穿きなさい!』

『マサキおにい! また失敗しちゃった』

『全く、クコはいつになったらお漏らしが治るのかな……もしかして、何か不安でも抱えているのか……取り敢えず、おむつって交換できたっけ』


 バタバタとマサキが慌ただしくどこかに行ってしまった。

 ふんだ。


「急に難しい顔をしてどうされました」

「いや、次はどうにかして1位を取りたいなと思ってさ」

「流石ですね。現状に満足しないでトップを狙う。流石はスレイズ様のお孫さま……ただ、まあスレイズ様は勉学の方は早々に諦めたらしいですが」

「だからこその1位を狙ってかないとね」


 ファーマさんに褒められて、気分良く教室に入る。

 今日は1番乗りだ。


 最前列、右から4番目の席に向かう。

 鞄の中から引き出しに教科書を移して、机の横のフックに鞄を引っかける。

 それから、机を撫でる。


「ふふふ……ついに、最前列」


 そのまま机の天板に頬を付けて、ニヤニヤとする。

 昨日までここにソフィアが座っていたからとかじゃない。

 順調に順位が上がって、嬉しくてつい最前列を堪能したくなったのだ。


「おわっ、人が居た。なんだマルコか、早いね。おはよう!」

「おはよう、メレブ!」


 メレブはパッとしない、そこそこ大きな伯爵家の6男だったっけ?

 その口ぶりからいつも1番に来ているらしい。


「マルコもついに最前列か、羨ましいよ」

「えへへ、今回は頑張ったからね」


 メレブと2~3言会話すると、彼は3列目の右から2番目に鞄を置いて中から本を出して読み始める。

 彼が早いのは総合上級科に彼女が居て、一緒に通っているかららしい。

 人目に付かないように、朝早くに家を出ているとか。


 ディーン情報だ。

 彼の情報網は、うちの蜂なみに優秀だ。


 ちなみに、蜂からも学園生徒相関図を渡されて、この事は僕も知っていた。

 流石に他のクラスの子の事までは、そこまでしっかりと目を通していないけど。


 貴族科の事と、色恋沙汰に関しては割と楽しく拝見した。


 それから何人か普段あまり会話しない子達が教室に入って来たが、先に登校していたため皆と少しだけ会話が出来た。

 こうやって、普段話をしない子と話すのも悪くないよね。

 

 意外と皆、気さくに話しかけてくれるし。


 そしてベントレーが登校してきたので、ようやく始業まで話し相手が出来た。

 ベントレーは6位と、彼も順調に順位を上げてきている。


 ちなみに1位は安定のディーン。

 ヘンリーが抜けたことで、フィフスが貴族科2位に上がって来た。

 ソフィアが3位に返り咲きして、エマが5位。

 6位にベントレー。

 セリシオは7位。

 ジョシュアが14位で、クリスが16位と……

 なかなか2列目にあがってこられないクリスは置いておいて、セリシオが相変わらず王子らしくない順位だ。


 まあ、彼はむらがあるし。


「でさあ、キャンプの間ヘンリーって、泣いたり喚いたり、笑ったり、黙ったり本当に情緒不安定で、相手するのもかなり疲れたよ」

「俺も何か力になれたら良かったが、どうも見ていて腹が立つというか……まあ、同族嫌悪ってやつだろうな」

「ベントレーとは、ちょっと違うような……」

「おはようマルコ、ベントレー! なんの話してるの?」

「あ、おはようジョシュア!」

「おはよう」


 おじいさまのキャンプの話で盛り上がっていたら、ジョシュアも登校してきたので一緒にお話しをする。

 

「へえ、確かにヘンリーって人の影響受け易そうだもんね。なんだかんだで、マルコの真似してたのバレバレだったし」

「そうなんだよね。昔っからマルコ! マルコ! って僕の後ろばっか付いて来ててさ……ヘンリーにはヘンリーの良いところがあったのに」

「まあ、成績はヘンリーの方が上だけどな」


 そう。

 貴族科では僕は4位だけど、総合では6位。

 ヘンリーが2位で、3位が戦闘学科の女の子だった。

 っていうか、戦闘学科の女の子に筆記で負けるとか……


 とはいえ、戦闘学科の筆記は戦闘に関する教科がメインだから、貴族科とはまた違うけど。


 それに僕が1位を取れなかったのは、1つは選択科目の野営で満点を逃したからでもある。

 というのもヘンリーに付き合って、休んでいた10日間の間の授業で習った事でベントレーから借りたノートに間違いがあったからだし……


 まあ、ベントレーのせいにする気は無いし、この事は黙ってるつもりだけど。

 それにディーンは野営も満点だったから、どっちにしろ1位は取れなかった訳だし。


 ヘンリーに関しては自業自得だけど、誰からノートを借りたんだろう。

 彼も筆記は満点だったけど、選択科目でミスがあったらしい。


「皆、おはようございます」

「おはよう……マルコが私より前なんてね……」


 そこにソフィアとエマも入って来る。

 エマは今回僕に負けた事が相当悔しいらしい。

 ふふん。


「おはようエマ、勉強で分からない事があったらなんでも聞いてね」

「うざっ。私は今回はたまたま、うっかり間違えただけだし。全部、落ち着いて解いたら分かってたし」


 エマはまたも引っ掛け問題に、引っ掛かっていた。

 それも3問も。

 このおっちょこちょいな性格は、簡単には治りそうにないけどね。


「次は負けないからね!」

「それはどうかな?」

「ちょっと、ベントレー! マルコが調子に乗ってウザいんだけど!」

「もう、マルコだって頑張ったんだから、エマも少しは認めてあげなよ」

「ソフィアに言われても、なんの説得力も無い」


 前回成績を落としてしまった事で、ソフィアも相当頑張ったらしい。

 

「おはよう……」

「おはようフィフス!」

「おはよう」


 それからフィフスが教室に入って来る。

 彼は一応挨拶をしてくれるが、そそくさと席についてすぐに教科書を見て予習をするタイプの子だ。

 何が彼をここまで駆り立てるのか分からないが、彼こそが本当の努力家だと思う。


 でも実は気付いたんだよね。

 彼、教科書読むふりして周囲の会話を盗み聞きしてるの。


 どこかで誰かが笑うタイミングで、彼もニヤリとしているし。

 そして、彼の凄いところはどこで誰が笑っても、同じタイミングで笑っているところ。


 おそらく、彼はかなり素の能力が高いタイプの人種だと思う。

 地味に面白いし。

 

 1度だけだけど教科書が上下逆さになっていた事もあったし。

 たぶん、話しかけられないようにと予防線を張っているのだと思う。


 普通に人と会話するのが苦手な子なんだろう。

 同時に複数の人の会話を聞き分ける能力があるのに。

 勿体ない。


 そこにセリシオ達もやってきて、皆でワイワイと色々な話で盛り上がってから1日が始まる。

 

 最前列になってから、なんか気分がウキウキして毎日がとても楽しい。

 そんな学園生活を送って居たら、日が経つのなんてあっという間で……


 気が付けば、後期試験も目前。


 だというのに。


「ふふふ、そんなに緊張しなくても宜しくってよ」


 なんでこうなった……


 いま、僕の目の前にはセリシオの姉である第二王女のフレイ殿下が、楽しそうに笑みを浮かべて座っている。


 セリシオには2人の姉が居て、下の姉であるフレイ・フォン・シビリア殿下は高等科の1年生だ。

 ある日セリシオが申し訳なさそうに話しかけて来たかと思うと、頭を下げられた。

 突然教室で第一王子に頭を下げられたことで、一瞬だけど室内がざわついた。


「うちの麗しく高貴な姉が、お前を紹介しろと言って来てだな……」


 明らかに言わされてる感のある、変な修飾語のついた姉の部分が違和感を感じる。

 と同時に……彼が、姉に逆らえない事が一瞬で理解出来てしまった。


 やはりやんごとない身分の人でも、姉には逆らえないのだろうか。

 しかもエヴァン陛下は側室を迎えていないので、セリシオの姉2人は正真正銘の純血姉(サラブレッド)なのだ。


「ごめんセリシオ、この後約束が「ほうっ? それは王族と会う事よりも重要なのか?」

「まさか、フレイ殿下がお待ちだというのに、何か理由を付けて断ったりはしませんわよね?」


 ……見知らぬ2人に回り込まれてしまった。

 1人はクリスを少し大人っぽくしたような、引き締まった肉体を持つ男の子。

 もう1人は、どこか儚さと憂いを帯びた深層の令嬢っぽい外見のくせに、妙に言い回しが俗っぽい女の子。

 この女の子のギャップは萌えない。

 これは、詐欺というんだよ。


「誰?」


 そんなどうでも良い事を考えつつ、セリシオに耳打ちをする。


「麗しく高貴な姉の側仕え候補だ。クリスの兄のケイと、エンズワース公の孫のユリアだ」


 セリシオの言葉に溜息を吐く。

 状況的には周り込まれた状態。

 第二王女からは逃げられないって事なのだろう。


「そんなに構えなくても良い、純粋にセリシオ殿下が懐いている剣鬼様とエリーゼ様のお孫様に興味があるというだけだ」

「いきなり取って食べたりなんて、しませんわ」


 先ほどまでの剣呑な雰囲気を一瞬で消し去った2人の側仕えが、柔和な笑みを浮かべて僕の両脇を固める。

 うん……これ、完全に逃げ場を失った状態だ。

 ジト目でセリシオを睨むと、無言で手を合わせられた。


 まあ、血のつながった姉に言われたら、彼も断りきれなかったのだろう。

 そして、場所は高等科のサロン。

 それも貴族科専用の特別室。


 普段ならいくら貴族科の初等科とはいえ、子爵家の子が入って来たならもう少し嫌な視線を感じそうなものだけど。

 何故か向けられるのは慈愛の籠った、憐憫の眼差し。

 まるで、他のお兄さんやお姉さん方が僕を憐れに思いつつも、頑張れとエールを送っているような。


 この時点で嫌な視線が無くても、嫌な予感しかしない。

 面倒事が舞い込んできそうな……


 そして先の状況。


「ふふふ……中々に可愛らしい」

「有難うございます」


 フレイ殿下が僕を褒めてくれるが、その言葉にケイが片眉をピクリとあげる。

 彼女に褒められたことが、あまり快く無いようだ。

 うん……ぶっちゃけ、普通に嫉妬されている。


「ケイ? マルコさんを何故睨んで居るのかしら? 1よ!」

「いえ、そのようなつもりでは。申し訳ありません」


 その視線に気づいたフレイ殿下が、彼を軽く諫めてくれる。

 1ってなんだろう。


「それで、お話というのは?」

「いえ……この夏休みにセリシオがベルモントに行ったらしいですわね」


 ……


 あー……

 嫌な予感しかしない。


「ええ……ただ、あの時はラーハットに行く途中に、ベルモント領があったので寄っただけというのが事実と言いますか」

「ふふふ……でも、そのラーハット領の時よりも楽しい体験をしたみたいで」

「セリシオ殿下に楽しんで頂けたのなら光栄です」

「宝石作りを体験したといって、綺麗なルビーを見せて貰ったわ。他にもガラスで出来たグラスをお土産に貰ったのだけど、中々に素敵な逸品でしたわよ」

「フレイ殿下にお褒め頂き、我が領の職人たちもきっと誇りに思うでしょう。この事は必ず、私の口からお伝えいたします」

「ふふふ」

「あはは……」


 なかなか本題を口にしないけど、なんとなく彼女の要求が分かってしまった。

 フレイ殿下が含みのある笑いを零したので、ちょっと困ったように愛想笑いを浮かべて返す。


「何がおかしい!」


 何故か彼女の斜め後ろに立っていた、ケイに怒られた。

 いや、お互い笑い合ってるんだから、おかしいことなんて無いと思うけど。


「ケイ! 2!」

「申し訳ありません」


 先ほどより少し低めの口調でフレイ殿下が2と注意する。

 2って……もしかして、これが3になったらとんでもない罰とかが降りそうな予感しかしない。


「私も行ってみたいですわ」

「いえ、フレイ殿下ほどの方が来られて、楽しんで頂けるかと考えると我が領では少し力不足かと」

「そうですか……1」


 1?

 それ、僕に対してですか?


「お気になさらなくても結構ですよ。セリシオが本当に楽しんで来たようですし。そうですわね、この冬とかは特に予定もありませんし」

「でも、お戻りの際の件はお聞きになったと思うのですが。このタイミングで遠出は危険があるのでは無いかと。少なくとも、もう少し期間を空けられた方が」

「あら、私達は高等科ですよ? ケイもユリアも優秀ですし……2」


 フレイ殿下が2と言った瞬間に、背筋に悪寒が走る。

 まるで、喉元に死神の鎌を突きつけられたかのような。

 もしかして、なんらかのスキルを使われているのかな?


「……」

「……」

「さ「はは、そこまで興味を持って頂けて光栄の極みです。是非、この冬は最大限のおもてなしをご用意いたしますので、是非皆さまいらっしゃってください」

「あらぁ……まるで催促したみたいで悪いですわね。でも、折角の好意ですし、お言葉に甘えようかしら? ねっ? ケイ、ユリア?」

「はっ」

「楽しみですわ」


 王女が3と言いかけた瞬間に、背後に立っていた死神が具現化したような感覚を覚えた。

 これ、絶対なんらかのスキルだ!

 そうに決まっている!


「ベルモント家一同、心よりお待ちしております」

「うんうん。空気が読めるのって、貴族には大事な事ですよね? マルコさんが素直な良い子でそういうところ好きよお」

「身に余る光栄、誠に有難うございます」


 フレイ殿下が僕の事を好きといった瞬間に、ケイの殺気が膨れ上がるのを感じた。

 けど、まあすぐに引っ込んだけど。

 殿下が「さ」と言っただけで。


 完敗した気分で、サロンから出るとセリシオが心配そうに待っていた。


「マルコでも、2までが限界か」

「なんなのあの人! っていうか、あの数字なに? 3までいったら凄くヤバい予感がしたんだけど!」

「あー……大丈夫だ……物理で主張を押し通すだけだから……」

「全然大丈夫じゃないし」


 物理で主張を押し通すって!

 どうせ配下にやらせるんだろうし、流石と言うかなんと言うか……ヤバい王女様確定だ。


「勘違いしないように言って置くが、麗しく高貴な姉が直接的に個人の力で物理だから」

「はあっ?」


 セリシオのあり得ない発言に、思わず素で聞き返してしまった。

 あんな線の細いいかにもなお姫様が、直接自分の力で?

 ある訳無いし。

 1対1なら、たぶん普通に勝てるし。


「麗しく高貴な姉も……おまえのおじいさまの弟子だ」

「はぁ……」

「しかも師事している期間は余より3年も長い……」

「……」


 おじいさまの弟子と聞いて、納得の溜息しか出なかった。

 この国の王族貴族は、間違いなくおじいさまの影響を受けすぎている気がする。

 

 波乱の冬休みを目前に控えて、後期期末テストの勉強に全く身が入らず……エマに抜かれてしまった。


「ふふん! 私がちょっと本気出せばこんなもんよ」


――――――

「えっ? なんでフレイ殿下が俺のとこに来るんだよ」

「ごめんね……道連れだよ」

「いや、意味が分かんねーし……待てよ? これはチャンスか? ここで俺が我が領の良いところをアピール出来たら……」

「あー、頑張ってね。でも決して、彼女に3って言わせちゃ駄目だから」

「意味分かんねーけど、兄弟の言う事だ。記憶の片隅にでも入れとくさ」

「いや、別にヘンリーと兄弟になった記憶無いけど」


 この時ばかりは、脳筋ハイパーポジティブヒューマンに転職したヘンリーが羨ましかった。

日常学園編?

ようやく2年生に進級できそうです(笑)


いやあ……また、濃ゆい人が出て来た(-_-;)

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