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この流れに沿うように、少しずつ喰らっていく。
少しも数が減っていかない。
後ろから次々と湧いているようだった。
森に近づけないために繰り返し威圧しながら喰らっていく。
しばらく続けていると疲れ始めた。
そのころになって、ようやく後ろが見えてきた。
そこには、今までよりも強さを感じる、追い立てる側の強さを感じるものがいた。
こいつか。
側にあった光の石を、その体ごと喰らう。
身体に力が戻ってくる。
追い立てるものがこちらを見る。
貴様、同族殺しかっ
ああ?なんだ、お前は
星に降るものだ、そしてお前もだ
いつから同族殺しをしている
しらん
覚えてないのか、だから訳もなく喰らうのか
俺の暮らしを邪魔する奴は喰らうことにしているんだ
お前も邪魔をするのか?
さあな、俺も俺のやることを邪魔するなら、喰らうだけだ
狙い目は首元と見える細い部分だ。
そこから目線を外すと、腕のようなものが向かってくるのが見えた。
自然と前に出ると、細い部分を狙う。
そいつは反るようにしならせて、避けようとする。
そこに前にある爪をすらせていく。
肉が裂ける。
黄色い体液が飛び散る。
お前、もしや
知らん、喰われろ
身体を反転させるとすかさず細い部分に喰いつく。
根元に喰い付けたことで、ヤツの動きを抑えることができた。
そ、その力、惜しい…な
動きがなくなった。
気を許してならない。
こいつらは、ここから動ける。
ほら、動く。
光る石を探さないとならない。
爪を使って、ヤツの体を裂いていく。
足を使って押し広げると、中身がむき出しになる。
光る石がむき出しになると、そこに喰いついた。
さすがにでかかった。
今までにないくらいの大きさだった。
これは、きく
体の芯が熱くなる。
力があふれていく。
頭が白くなっていく。
気がつくとちいさきものたちが巣くう土の壁の中にいた。
あれだけ群れていた同族らしきものたちや、山のものたちが倒れていた。
俺がやったのか
ひたすら眠かった。
今すぐにねぐらに帰ろう、そう思った。
森へ帰ろう
連載中の「ハーレムは目指さない!~異世界探訪記」での「その名は…」あたりの話しになります。