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冥王  作者: 裏三
1/5

プロローグ


 鎌田長政がこの記録を残す。

 今は、カマンタ・エー・ナガンマンサー・ディースと、妙な名で呼ばれているが。

 こう呼ばれることになったのも、あの壊れかけのアンドロイドのせいである。急に名前を言えと言われたので、「鎌田、えー、長政です」と言ったところ、受音機関かAIがおかしくなっていたのか、先に述べたような妙ちきりんな名前として、この世界に登録された。この世界には私の感覚では変な名前が多くあるため、今の私の名前、カマンタ某というものも、別段変ではないようなのだが。改名された経緯を思い出すに妙な苦笑いが浮かんでしまい、面白いような残念なような気分になる。

 私の調べられた範囲には、私と同じ境遇の人間は「眠って」いなかったようであるが、見落としがあらんとも限らない。その場合、彼ら彼女らが目覚めたのち、この世界に登録される時、あのおんぼろなアンドロイドによって私と同じ目に合わないことを切に祈る。アドバイスとしては、正しく、はっきりと、名前のみを発音することだ(笑)。





「おせーよっ!」

 ゴート・マゴンテスは、そのおんぼろなアンドロイドと称されるロボットらしきものに、名前を登録された後に鎌田、もといカマンタ某の手記を発見した。既に手遅れどころか、彼はフルネームを名乗る前に名前を登録されてしまっていた。

 どうやら彼はこの世界ではゴート・マゴンテスとしてやっていかなければならなくなったようだ。

 この世界、名前の登録、様々なことが鎌田手記には記されていた。ゴートは鎌田に感謝した。この手記を発見していなければ、もっと長い期間混乱が続き、へたをしたら後に命を落としていたかもしれない。

 

 鎌田手記には、「奴ら」の存在のことと、対処の仕方も記されていたのだから。



 ※



「後藤の孫です」


 後藤剛ごうは、名前を聞かれた時そう名乗った。そして彼はこの世界でゴート・マゴンテスという名になったのだった。




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