究極の剣使い<シャイニングカードプレイヤー>
歴史に残ったその少女は、廃棄物だった。
劣弱した筋肉でやっとの思いをして辿りついたここには「CASINO」ただそれだけの文字と、透明な板―後から聞いた話ではガラスと言うらしい、が張られたその奥だけが煌々と輝いていた。
衰弱した身体ではここまでが限界だった。気付いたその時には私はその場に崩れ落ちた。せめて、と思い地面を蹴った、身体は板に縋った、はずだったのだが…
「ギィ…」
と音を立てて板はそのまま奥の方へ私の身体と共に移動した。この板、曲がるのか。変に感心する暇もなく、周りの人が私の方を向く。あぁ、もう終わりだ。直感的にそう思った。人が駆け寄ってくる。私の身体に触れる。自分ではもう動かせないほどに重くなった身体をいとも容易く腕と頭、そして胴体、人は立ち上がりとうとう私を持ち上げた。これから私は軍隊のサンドバッグ替わりに使われるんだ、人生を諦めた。
「おい、嬢ちゃん!大丈夫か嬢ちゃん!」
「…やめてください、私は何も悪いことを企んだわけではないんです、ただ…」
「おいおい嬢ちゃん、オレをそこらの連中と一緒にするなよ?オレの顔が見えるか?」
焦点の合わない両目をこじ開ける。映ったのは…
「あなたは、もしかしていつもの、…?」
いつもあの汁をくれたおじさんだった。
そこからのことはあまり覚えていない。
私はその日から、この家で生活をするようになった。
この家は、「カジノ」と言って世界中からモノ好きが集まり「賭け」をする「店」であるらしい。
「賭け」で成功を収めた人はお金がもらえる、そう説明を聞いた。翌日から私は真夜中のカジノの一員となった。それが私の「人生」の始まりであり、終わりである。