ーチョウツガイー
ある高校には、製造科があった。
製造科では、様々なものを作り、学んでいた。
ある生徒が、大きな神社や皇宮にあるような
大きな門を作りたいと言った。
先生、私は絶対に完成させたいんです。
教師は悩んだ末、許諾した。
生徒は少しずつ、門を作っていった。
だが、完成一歩手前で、壁にぶつかった。
巨大な門に合う、蝶番が無かった。
これも作るしかない、だけど蝶番だけは
作る機械がない。
生徒は悩みに悩んだ。
ある日の放課後、教師が様子を見ようと
製造室の引き戸を開けると、
生徒が左脚と左腕を切断した状態で
倒れていた。
生徒の近くには、血が付いた鉄のワイヤーが
落ちていた。
教師が慌てて生徒に近寄ると、
生徒が言葉を発した。
「先生、完成しませんでした…。私の腕と脚は、蝶番の代わりにはなれませんか?」
言葉を残し、生徒は死んだ。
後日、この事が報道に取り上げられた。
蝶番の代わりに身体の一部を切り落とした
生徒のことは、世界が注目した。
だが、それ以上のことに世間の目は集まっていた。
この事件が起きた高校の製造室には、
かつて蝶番の作成機械があったという。
その機械は蝶番を作る際に鉄のワイヤーを
利用するもので、過去に製造科の生徒が
機械に巻き込まれ、腕と脚が切り落とされる
事故があったらしい。
その事故以来、蝶番の製造機械は撤去された。
もう一つ。
その時の事故生徒と、今回の製造科の生徒。
二人が同姓同名なのは、偶然だろうか?




