責務
冬季五輪に選挙、寒い中人生の大舞台で活躍する人たち
それを暖かい部屋の中、おやつを食べながらテレビを眺める私
華々しい生き様を切り取る映像を見て
一瞬羨ましいような気持ちになる
誰だってそんな滅多に無い機会を与えられたら全力を尽くすに決まってる、などと
何年もかけた地道な努力も知らずにケチをつけたりして
やっぱりゴメンだな、私は望まない
人生をかけてチャレンジする目標が、その瞬間に決まる運命
人と比べられて、人に判定されたり、選ばれたりするなんてお断りだ
その上、世間に顔をさらして一生背負う名誉なんて重い
負け犬の遠吠え、凡人のぼやきにしか聞こえないか
費やす労力、時間などに対して受け取る対価が割にあわない
本当に好きで生き甲斐で使命じゃなけれぱ無理である
アスリートや政治家の人生には全然惹かれない私である
職種に限らず、社会的な地位やお金、名声や名誉に心は全く動かない
承認や賞賛なんて一時のもの
すぐに忘れられる、移り変わりの早い世の中
後世に名を残すことに何の意味があるのか
富や遺産を築いたとて、命は尽きて誰かに譲るだけ
目に見える物質やその場限りの栄誉よりも、永遠に続く魂の価値の方がよっぽど重要である
先祖代々脈々と続く一族全てを救い、世界を変化させ宇宙を進化させる
魂の鍛錬に費やす労力の対価は無限だ
今世だけの話ではない
挑戦は存在する限り未来永劫続く
魂の責務は永久不滅である
毎日がチャンス、日常が舞台
ぬくぬくと布団にくるまりながらチャレンジできる
私向きである
目立つのは面倒だし、体力的にキツいのも避けたい
専業主婦という居場所を手に入れている私
生まれつき障害のある息子という最高の助手もいる
誰にも邪魔されずに、安定した静かな暮らしの中、修行に励めるというわけである
現代社会で中年女性が独りきりで山の中に隠るなんて、現実的ではない
出家して尼さんになるのはしんどい
適度な娯楽を楽しみつつ、自分のペースで進めたい
それに魂の修行というのは、別に滝に打たれたり、断食したりと苦行をすることに限ったことではない
日々、人と関わったり生活する中でいくらでも機会はある
寧ろ日常の中でこそ、心は鍛えられる
大きな事を成し遂げたり、莫大な財を築く必要はない
人を受け入れ、許し認め、愛すること
自分の全てを受け入れ、許し認め、愛する
愛になり、光を放ち、自分として在る
毎瞬間、自分を生きること
それがどれだけこの世界を救うことか
知らないのは自分だけ、だったりする
自分として存在し続ける
簡単なようで、とても難しい、全ての存在の責務である




