普段の生活の中にある五七
月へ行くサインコサインタンジェント
季語:月
これも、日曜朝の某俳句番組で佳作となった句です。
日常生活の中にも、五音や七音が多く潜んでいます。聞きなれた言葉が、以外にも俳句に上手く嵌まってしまう。聴き馴染みのある言葉ならば、余計に意外性が増してしまう。俳句では、良く言われていることです。
逆にいえば、季語や物・風景などから始まるのではなく、一つのフレーズから始まる発想もある。身近なフレーズの音数を意識してみると、俳句的には面白いです。
今回は、身近な言葉が「サインコサインタンジェント」の十二音でした。学生時代に学んだことの8割は使わない。その中でも、三角関数はよく使います。他にも解の公式を使うことになった時は、少し感動してしまいした。ちなみに「解の公式」は7音です!
「サインコサインタンジェント」のフレーズとしては、繰り返す「イン」や「ン」がリズミカルでもあり、またぶつ切れではなく一つのフレーズにもなります。もちろん数学的要素もあり、角度や距離といった連想も自然です。
そして、今回の兼題が「月・名月」でした。空に浮かぶ月に、三角関数が上手く嵌まるはず。そして「月」の2音と、「サインコサインタンジェント」の12音に、残りの3音を組み合わせるだけの比較的に簡単な作業でした。
詩心ではなく、言葉遊び的要素が強い作句方法の紹介でした。




