下五の韻のはずが
三年で離婚決めた夜千切る萵苣
季語:萵苣
この句も前話と関係があります。前話の句は「田楽や先代からの黒き串」。この句の良かったポイントは、下五の「黒き串」の着地だと解釈していました。
「先代からの」と時間や幅のある内容から、「黒き串」と視点を絞った着地。そして何より「黒き串」と下五で「ku」を繰り返す韻。「視点を絞る」・「句末の強調」・「韻」の3つが合わさった、成功した下五だったのだと!
※あくまでも自己解釈です。
そして、「三年で離婚決めた夜千切る萵苣」は「黒き串」の二匹目のドジョウを狙いました。
ちなみに今回は、和服コスプレで人気の組長の息子さんが選者をされている番組への投句で、兼題の萵苣はレタスのことです。
兼題の「ちしゃ」は二音なので、「黒き串」理論が使えるんです。そうなると萵苣の「ち」から「いきしちに」で始まる言葉を探すだけ!
そして真っ先に下五の「千切る萵苣」が完成しました。後は、これに合う十二音を完成させれば良い。そしてそして、たまたま思い出した、親友の離婚話。
お見合い結婚でしたが、三年で破局しました。その報告があった夜の話を上五中七に嵌めてみると、中七下五の頭韻にもなっているラッキー。
ちなみにですが、私は親友の結婚に反対でした。相手は取り敢えず結婚の形が欲しかっただけなのが分かったので……。
結果は上位の約25%に入る秀作で、してやったり。しかし、意図していなかったラッキーポイントがあり、それは「夜」です。
朝なのか夜なのか、強いて言えば、単に朝なの? それとも今朝なの? という解説が別の番組でありました。当然朝や夜の言葉かのイメージがある。朝と今朝の違いもあり、今朝であれば「今日」を強調することになる。
三年間の生活の結論を出した日の夜があり、それは夜のイメージで千切る萵苣。この絞り込みが重要みたいです。
ちなみに数字を使う是非という話しもありましたが、それはまた別の機会で。




