良くない作句からの逆転
田楽や先代からの黒き串
季語:田楽
これも、某日曜朝の俳句番組への投句。この句自体にラッキーパンチ要素はありません。ただ俳句の生まれた理由が、ラッキーパンチでした。
今回の兼題は「田楽」でした。ただ問題なのは、季語にも地域性があるということ。「踊り」であれば「盆踊り」、「祭」は「夏祭り」を意味します。
田楽も同じで、田楽=木の芽田楽・豆腐らしいです。私の地域は、味噌こんにゃくの田楽が有名で、そこから田楽の句と言われても、正直なんじゃらほいって感じになってしまいます。
そこで辿り着いたのが、前話にもあった句の接続を良くする方法。発想は抜きにして、テクニカルな加点だけを考えました。
田楽の四音の季語であれば、「四音の季語」+「助詞」で、五音にする事が定石です。上五で「田楽や」と詠嘆すれば、「や(ya)」の後に何を接続させるのか?
ぱばだざがわらやまはなたさかあ
ぴびぢじぎ り みひにちしきい
ぷぶづずが るゆむふぬつすくう
ぺべでぜげ れ めへねてせけえ
ぽぼどぞごをろよもほのとそこお
ただ五十音を眺めて、当てはまりそうな言葉探し。そんな作句方法で、詠んだのが下の句です。
田楽や味の染みたる串黒し
ただ発想は、誰でも思うような凡人か才能無しの句。「味染み」⇒「古い」⇒「先代」と発想を広げる。上五と中七は「de」と「se」は意識しました。そして妥協して仕上がったのが「田楽や先代からの黒き串」でした。
投句サイトでは、複数句の投句が可能なので、応募したのは両方とも。そして、佳作となったのが後者でした!




