気付いていなかった韻
書きかけの小説ばかり渡り鳥
季語:渡り鳥
この句のラッキーパンチが分かりますか?
まだ俳句を始めたばかりの頃は、俳句は発想やセンスだけの勝負と思ってました。よくテレビである、発想を飛ばすというヤツです。
ただ俳句の投句サイトの多くには「兼題」があり、それに沿った句である必要があります。
例えば兼題「自転車」または「自由」となっていた場合は、基本的に「自転車」の文字を組み込むことが条件となります。「自由」というのは、自転車を想像させるペダルやサドルに置き換えても可という意味で、何でもありではありません。ただ入選ではなく特選句を狙う場合は、「自転車」そのものを入れることが好ましいそうです。
今回の兼題は「渡り鳥」でした、あまり馴染みのない兼題の、動物や植物の俳句は一番の苦手ジャンル。かなり難航して捻り出した一句です。
発想は、ずばり小説の公募やコンテスト。今の○○コンテストがダメだったら、次は□□コンテスト。あっちのサイトでは、✕✕のジャンルの募集が始まる。
コンテストに合わせて、行ったり来たり。それを季節で移動する渡り鳥と合わせてみた句で、〆切の直前に閃いて投句しました。
だから「書きかけ小説ばかり」と思い付いたフレーズそのままでした。もう少し時間があれば、きっと直していたはずです。
ただ、後になって分かったのは「韻」です。
韻といえば、中七と下五の「り」の脚韻くらいの印象しかありませんでした。しかし一番のラッキーパンチは「ばかり」と「渡り」の連続。
「ばかり=aai」と「渡り=aai」で同じ韻が連続されているという意図しない偶然。変えていれば、ダメだったかもしれません。
これが日曜朝の某俳句番組での佳作となるラッキーパンチです!




