山か谷か
新蕎麦やタクシー集ふ谷の店
季語:新蕎麦
これは、和服コスプレの毒舌先生の息子さんがやられているテレビ番組への投句で秀作となった句です。毎回上位の25~30%が秀作となります。
とりあえず季語は「新蕎麦」で四音。ただ、あまり思い浮かばなかったので「新蕎麦や」と一先ず詠嘆しました。助詞を足して五音にして、上五に持ってくるのが定石ですから……。あとは、詠嘆することでの加点ポイントといった感覚です。
ここまでくれば分かると思います。「新蕎麦」で頭韻を踏むか、詠嘆の「や」から接続を良くするのか? 結果は後者の「や」からの接続で、母音を合わせる言葉を探し、見つけたのが「タクシー」。タクシーの運転手さんに、美味しい店を聞くのは良くある話ですよね!
そんなタクシーの運転手さんが集まる店ってどんな店。それを残りの五音で表現する!
とはいっても、既にお分かりかもしれません。「タクシー」から頭韻を踏むための言葉探しです。ここからが難航し、シンプルに「谷の店」となりました。
ただ結果として、「谷」が良かったのかもしれません。「山」よりも「谷」と言った方が、一つの山を越えて降りた場所、水が流れていると、よりイメージが湧くような気がします。
本名句は「新蕎麦や見合い結果を待つてをり」だったので、ラッキーパンチ炸裂ですね!




