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いかがわしいと言っても、そっちの意味ではないんです!

作者: ののめの

やまもおちもいみもない感じのお話です。

作中で実際にBLが繰り広げられるわけではありませんが、BLに関する話題が頻出します。

BLのカゲキな場面に関する言及もあるのでR-15をつけていますが作中で実際に起きていることはどれもこれも全年齢向けの健全な出来事ばかりなので、過度な期待はせずにお読みください。

 あ、これって異世界転生だ、と。メイリーがいわゆる前世の記憶を思い出して己の現況をそう認識したのは、齢七歳のことだった。

 

 メイリー・カルバンはカルバン伯爵家の次女である。王都から程近い領地を賜ったカルバン伯爵家はそこそこ裕福であり、メイリーは寛容な父母の下で乳母と世話係に育てられてすくすくと成長した。

 そんなメイリーの最近の楽しみは本を読むことで、勉強のための教本や時々買い与えられる子供向けの絵物語では飽き足らず、家の書庫に入り浸り色んな本を引っ張り出しては読み漁っていた。


 書庫にあるような本は大抵メイリーの年頃には難しすぎるものだったが、ちんぷんかんぷんなものはさっさとしまい込んで多少なりとも内容がわかるものは読み進めて、という選別を繰り返すのもまた楽しみのひとつだった。そうして書庫の本の四分の一くらいを物色し終えた頃に、メイリーは一冊の本を手に取った。書庫の奥の方にある本棚に収められていた、「ひそやかな遊戯」と題字のある本だった。

 メイリーは「ひそやかな遊戯」のページをぱらぱらとめくり、それが難解な学術書の類ではなく物語だとわかると、書庫に持ち込んだ椅子に腰を据えて読み始めた。難しい言葉遣いの部分は侍女に聞いたり読み飛ばしたりしながらも、これは美しい容姿の子爵令息を主人公にしたお話なのだな、とおぼろげに筋書きを把握したメイリーは、新しい物語に胸を高鳴らせながらページをめくった。


 しかし「ひそやかな遊戯」を読み進めるうちに、メイリーは何か奇妙な違和感を覚え始めた。それまでのメイリーの常識では、男性が恋をしたり結婚をしたりするのは決まって女性であった。絵物語に出てくる王子様だって大抵はお姫様と結ばれて終わるのだから。

 ところが「ひそやかな遊戯」では、美貌の子爵令息は歳上の伯爵や同年代の令息達と何やら熱烈で意味深な言葉を交わしたり、逢瀬を繰り返したりしている。そこには不自然なほどに女性の影はなく、まるで絵物語からお姫様を抜き出してその穴に子爵令息をすぽっと収めてしまったかのようだった。

 

 これはもしかして、自分は何かいけないものを読んでいるのでは。メイリーの脳裏には本能的な危機感がよぎったものの、それでもメイリーはページをめくる手を止められなかった。背徳感に苛まれながらも好奇心に抗えず「ひそやかな遊戯」を読み進めていったメイリーは最終的に子爵令息が二回りも歳上の美貌の公爵に抱きしめられ熱い口づけをされるシーンで目を回し、椅子もろとも床の上にひっくり返った。

 倒れたメイリーは読書の様子を見守っていた侍女にすぐさま部屋へ運ばれ、熱を出して丸々一日寝込んだ。そして熱にうなされる中で前世の記憶を垣間見て、今に至るわけである。

 

(お嬢様、か。私が……)

 

 多少熱も引き、回るようになってきた頭で改めて現状を噛み締めながらメイリーは独りごちる。部屋には侍女が控えているので、頭がおかしくなったと思われないように心の中での独り言である。

 前世の記憶は歯抜けが多く、自分の名前や何歳まで生きていたのかはよくわからないが、世俗についてはわりかし鮮明に覚えている部分が多かった。

 とりわけ、よく印象に残っているのは——

 

(たぶんなんだけど、っていうかほぼ確定なんだけど……『BL』だ、アレって……!)

 

 びぃえる。略しないとボーイズラブ。男性同士のアレソレを楽しむ文化である。

 ぶっ倒れる前メイリーが読んでいたあの本、「ひそやかな遊戯」には確かにその趣があった。というかもう完璧にBLである。正確にはBLという呼称が一般化する前の耽美文化のソレに雰囲気が近いような気がするが、それはさておき。

 

(続きが気になる! 猛烈に気になるわ! 子供向けの本でないのはわかってるけど、わかってるけど〜っ! あとなんであんな本がうちにあるのかもわからないけど! 読みたい! 続きが読みたい〜っ!)

 

 前世の記憶と今世の状況の整理が済んだ後、メイリーの頭を占めるのはとにもかくにも途中で投げ出してしまったあのお耽美本のことであった。

 前世の記憶を取り戻したせいか若干精神年齢は上がっているものの、メイリーという人間そのものが根幹から変わってしまったわけではない。メイリーは元の通り本の虫で、好奇心旺盛なお嬢さんのままだった。


 はやる気持ちのままにベッドから飛び出して書庫へダッシュしようとするメイリーだったが、「まだお休みになっていてください」と侍女に制止され、渋々静養の構えに戻る。それなら侍女にあの本を取ってきてもらおう、と思いついて例の本の位置とタイトルを告げようとしたところで、母親が部屋を訪ねてきた。

 

「熱は下がったようですね。心配したのですよ」

 

 微かに眉を下げて目を細める母に、メイリーは心配をかけてごめんなさいと素直に頭を下げる。そんなメイリーに母は穏やかに頷いた後、急に表情を削ぎ落として鋭い眼差しをメイリーに向けた。

 

「メイリー。書庫にあった『あれ』を見たのですね?」

「はい」

 

 喉元に突きつけられた白刃を思わせる冷たく鋭い声音に、メイリーは反射的に背筋を伸ばしていた。あれ、とはメイリーがぶっ倒れる原因となった本、「ひそやかな遊戯」のことであろう。その存在を把握し、読んだのかと確認した——ということはつまり。

 

(お母様、あの本の内容知ってる……! お母様、でなきゃ叔母様かお祖母様か、ともかくBLを好む者がいた……! いるんだ、この世界にも……! 同好の士が……!)

 

 当然ながら、本は誰かが持ち込まないと書庫には入らない。無作為に買って開きもせずに本棚に突っ込んでいたならまだしも、大抵はあの本を読んで内容を把握した上で書架に収めているはずだ。

 そして何より、本は作者がいて出版しないと世に出回らない。「ひそやかな遊戯」が一般書籍として流通ルートに乗り、顧客の手に渡ったということは、需要と供給がしっかり存在しているということ。

 すなわち。この世界にもBL文化があって、BLを愛好する作者あるいは読者がそこかしこにいる可能性が高い……!

 異世界転生のインパクトに負けぬ激アツ展開に密かに掛け布の下でメイリーが拳を握りしめるのと、母が小さく溜息を吐いたのはほぼ同時のことだった。


「そう。読んでしまったのですね。……あれは子供には刺激が強いので、読んではいけませんよ」

「そんなっ!」


 無情なお預け宣言に、メイリーの口から小さな悲鳴がこぼれる。確かに母の言うことはわからんでもない。前世では幼少のみぎりからBLに目覚める者もいるにはいたが、今世ではそういう文化は大人になってからという不文律があっても何らおかしくはない。

 仮にBLに年齢制限がなかったとしても「ひそやかな遊戯」自体に年齢制限が設けられているか、そうでなくても子供の教育にどうかな……と思われる類の本である可能性は極めて高い。精神年齢が高くなった状態で思い返してみると、直接的な性描写はないにしろ淫靡な雰囲気をぷんぷん漂わせる内容だったので。


 しかしだからと言って、一度読み始めた物語を途中で取り上げられるのはメイリーにとって拷問に等しかった。お勉強や食事、就寝の時間だからと読書を中断するのですら毎回後ろ髪を引かれる思いでしおりを挟んでいるのだ。一日ならまだしも、続きが気になる気持ちを何年も引きずり続けて生きていかねばならない——それは想像するだけでも恐ろしい、生殺しの地獄であった。


「お母様、お願いします。続きを読ませてください!」


 メイリーは懸命に哀れっぽい表情と声色を作り、胸の前で手を合わせて母に懇願した。母は最初こそ渋い顔で首を横に振っていたものの、メイリーが何度も何度も切実に訴えるうちに表情を和らげ、慈愛に満ちた眼差しでメイリーを見下ろした。

 

「メイリー。あなた、あの本に魅せられてしまったのね?」

「はい。あんなお話を読んだのは生まれて初めてです。続きが気になって気になって、もういてもたってもいられないのです」

「そう。これも血筋かもしれないわね」

 

 母は頬に手を当てて小さく嘆息し、侍女に何かを命じる。母の指示に応じて部屋を出た侍女が舞い戻ってきた時には、その手には一冊の本が抱えられていた。

 

「この本は読んでも構いません。でも書庫には本当に、今のあなたには刺激の強すぎる本がいくつかありますから、書架の上の段にある本は侍女に取らせてはいけませんよ。……読んでもいい本は、あなたの侍女に教えておきますからね」

 

 差し出された本は、確かに先日手に取った「ひそやかな遊戯」そのもので。メイリーは嬉し涙を流しながら本を抱きしめ、何度も母に礼を言ったのであった。

 

 それからというもの、メイリーは書架にある本——お母様秘蔵のコレクションを日夜読み漁るようになった。

 メイリーは前世からの筋金入りの腐った淑女(ふじょし)であり、よく訓練された淑女であったため、もちろんお母様の言いつけ通り高い位置にある本は取らない。十八禁を未成年が読むのは作者に迷惑がかかるのでやってはいけないと魂に刻まれているのだ。

 そうして奇しくもこちらでも「耽美趣味」と呼称されているジャンルの本をいくらか履修したところで、九歳になったメイリーは自分でも創作をしたいと考えるようになった。次第に読むだけでは満足ができなくなり、内に溢れるリビドーを解放したいと思い始めたのだ。

 

「お母様。黒板と紙が欲しいです」

 

 創作欲に飢えたメイリーは、真っ先に母親にそう要求した。この世界では紙はそこそこ高級品である。もしかしたら素晴らしい作品の製本に使われたかもしれない紙を、自分の稚拙な作品の書き損じのために浪費することはメイリーには耐えられなかった。

 要望通り平民がメモ書きに使うような小さな黒板とまっさらな紙の束を買い与えられると、メイリーはさっそく創作に取り掛かった。プロットや仮の文章を黒板に書き出し、ああでもないこうでもないとこねくり回して、納得がいったら帳面に書き記す。書き写す段階で書き損じが出たり清書の後でやっぱりこっちの表現がいい、この展開は無理がある、と修正をすることもあったが、それらの紙は余白や裏をメモ書きに使って無駄なく有効活用した。

 

 そうして苦心の末書き上げた作品を、メイリーは嬉々として侍女や母親に見せた。母だけでなく、実は自分付きの侍女も——ついでに母付きの侍女も同好の士だと判明したからだ。読者からの反応がいいことに喜びつつメイリーは短い耽美作品を何作も書き上げ、やがて十二歳の誕生日を過ぎたある日のこと、新作の原稿を読み終えた母は優しい声でメイリーにこう告げた。

 

「メイリー。あなた、この作品を本にしてみるつもりはない?」

「本、ですか?」

 

 母の提案に、メイリーの心は揺れた。本にするとはつまり、出版社に持ち込んで商業作品にするということだ。

 一般的に流通している本の作者は貴族が多い。執筆にかけられる時間や出版社へのコネ、出版にかかる費用をある程度受け持てる財力を持っているからである。メイリーのように十代で出版にこぎつける貴族子女もいるようだが、だからといってこれを本にしていいものか——とメイリーは思い悩んでいた。

 

「お母様。これはあくまで、お母様達と楽しむために書いたものです。こんな拙いものを衆目に晒すわけにはまいりません」

「そうかしら? とても素晴らしい物語だし、ぜひ広く読んでもらいたいと思ったのだけれど……」

 

 母の言葉に、ぐうっとメイリーは心の中で呻きを漏らす。親の欲目による評価だとわかってはいるものの、それでも書いたものを褒められるのは素直に嬉しい。メイリーにも人並みに承認欲求はあるし、何より自分の好きを詰め込んだ作品を同好の士にシェアしたいという欲もある。

 しかし。実際に本として形にするには、こんな内輪向けの拙い作品では恥ずかしいという気持ちもまたあった。どうせ作るなら、もっとクオリティの高い作品に仕上げたい。欲をかくなら布教も兼ねてちょっとした冒険もしたい。

 

「お母様。もし許していただけるのであれば、この作品ではなくこれから新しく書き上げる作品を本にさせてください。どうせなら渾身の一本を形にしたいのです」

 

 ダメ元で頼んでみると、母は快く頷いてくれて。出来上がったら真っ先に読ませてちょうだいね、と上機嫌に微笑んだのであった。

 

 それからというもの、メイリーは淑女教育の合間を縫って執筆活動に勤しんだ。ストーリーのプロットやキャラ設定を練り上げ、おおまかな筋書きが決まれば作中の描写にリアリティを持たせるために参考文献を読み漁り、それでもわからなければ取材も敢行した。

 構想に一年をかけ、執筆に二年半を費やし、ようやく完成した大作は母から激賞され、母の伝手で耽美小説を多く取り扱う出版社に持ち込まれた。

 

 そしてメイリー十六歳の秋。メイリーこと「レディ・マリアン」のデビュー作は書店の棚に並び、同好の士の淑女達の手に渡ることとなったのである。

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

「間諜?」

 

 おうむ返しに尋ねる騎士団長に、副団長は一冊の本を差し出した。机上に置かれた革の装丁の本にはしおり代わりなのか何本かの革紐が挟まれている。

 近頃婦人方の間で出回っている本です、と低い声が告げるのを聞きながら騎士団長は本を手に取り、革紐が挟まれたページを開いてざっと目を通す。ページの合間から垂れ下がる革紐の本数だけそれを繰り返して、騎士団長は丁寧に本を閉じた。


「どう思われますか」

「疑わしくはあるな。内容までは読み解けんが、何かしらの暗号である可能性は高い」


 小さく唸って、騎士団長は一見すると何の変哲もない革の表紙を眺める。他国の間諜が報告を含ませた暗号をあえて衆目に晒される所に紛れさせることはままある。不特定多数の目に触れさせることで、情報の受け取り手が特定されにくくなるからだ。

 これまでの例だと新聞の広告や路上の吟遊詩人の歌、変わり種としては演劇の台詞に暗号が仕込まれていたことがあった。暗号は巧妙に隠されているので、読み解く鍵を持たない者にはありふれた言葉としか受け取れないのだ。


 ではこの本はどうかというと、内容はただの恋物語のようだがやけに作中の騎士団の描写が精緻である。詰所の模様といい、ちらほらと語られる組織内の習慣や気風といい、緻密に綴られた特徴はどれも王国騎士団のものと酷似している。

 それに加えて目を引いたのが「籠の鳥」「渡り鳥」といった比喩から「さえずる」「ついばむ」といった行動まで、いやに鳥を想起させる表現が多い点だ。以前捕らえた東国の間諜は、仲間同士の符牒に鳥を用いていた。仮にも手練れの間諜が馬鹿の一つ覚えのように同じ符牒を使い続けているとも考え難いが、気のせいだと見逃すには気にかかる点が多すぎる。


「念のため調べさせよう。出版社に問い合わせて作者を突き止めてくれ」


 騎士団長の指示に副団長が敬礼と共に短く答え、足早に退出する。騎士団長は扉が閉まる音を聞きながらまた手の中の本を開き、扉に記された文字をしげしげと眺める。「私の麗しの小夜啼鳥」という題字が大きく印刷された下には、いくらか控えめな文字で「レディ・マリアン」と著者の名が記してあった。

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 王国騎士団の騎士が自分を訪ねにカルバン伯爵邸へ来られるそうだ、と侍女から報せを受けた時、メイリーの脳裏をよぎったのは「死んだかも」という不吉な直感だった。

 青い顔をして応接室のソファに座るメイリーの向かいには、広いソファにぎちぎちに詰めて腰掛けた三人の騎士がいる。そしてメイリーと騎士の間にあるティーテーブルの上には、一冊の本が置かれていた。

 

「この本を書いたレディ・マリアンとはあなたのことで間違いありませんか、メイリー・カルバン嬢?」

 

 鎧を着た騎士二人に挟まれて窮屈そうにしている騎士——ルドガーと名乗った艶やかな黒髪の青年が籠手をはめた指で本の表紙をめくり、扉に記された文字列を指し示す。

 題名は「私の麗しの小夜啼鳥」。疑いようもなくメイリーが数ヶ月前に母の伝手で出版してもらった自著である。

 

「はい、私です」

 

 かろうじて絞り出した声は情けなく掠れて震えていた。どうしてこんなことに、と考えても心当たりがありすぎて言い逃れのしようがない。

 この国では同性愛はマイノリティではあるがタブーではない。平民はよく知らないが、少なくとも貴族間では「あの方奥方も子供もいらっしゃるけれど男の愛人を囲っているのよ」「あらじゃあ本命はそっちなのかしらね」などという婦人方の噂を時々耳にする。

 しかし同性愛がセーフだからといって、耽美趣味をおおっぴらにしていいかというとそれはちょっと……という風潮がある。貴族女性は慎み深く貞淑であれ、という価値観が深く根付いているからだ。基本官能的でものによってはちょっとどころでなく過激なシーンも含まれる耽美小説は貴族女性に似つかわしくないいかがわしくけしからんものである、と声高に批判する貴族も散見されるが故に、耽美趣味は基本隠れて楽しむものとされている。

 

 メイリーの著書「私の麗しの小夜啼鳥」もまた、そうした意見の持ち主が見れば間違いなく眉をひそめるような一冊だった。デビュタントは済ませたとはいえまだ未婚の令嬢だから……と直接的な濡れ場は書かずにフワッとした表現で濁してはいるもののバチバチに淫靡な雰囲気は醸し出しているし、キスシーンだって最中を抜いた事前と事後シーンだってある。どこに出しても恥ずかしい立派な不健全図書だ。

 

 それに加えて、この「私の麗しの小夜啼鳥」は実在する団体こと王国騎士団をモデルにした物語であった。一応架空の王国の架空の騎士団ですよと前置きはしてあるが、どうせならリアリティを出したい、ついでに妄想の種が欲しい、ということで公開調練の見学から元騎士へのインタビューまで徹底的に取材を重ねたおかげで見る人が見れば「これ王国騎士団がモデルだよな」とモロバレな迫真のクオリティに仕上がっている。

 

 つまり、王国騎士団に締め上げられる理由はそれはもうバチバチにありまくるわけで。俺達をモデルに何わいせつ物書いてくれとるんじゃワレ、と詰められたら、メイリーは土下座して詫びる以外に道はなかった。

 

 ——人生オワタ、という単語がふとメイリーの脳裏を掠める。確か前世の記憶で垣間見た俗語(スラング)だったろうか。記憶が蘇った当時は耽美趣味に夢中で気にも留めていなかったが、今の状況にこんなにもふさわしい言葉があったなんて、とメイリーは数年越しの感慨に浸った。いわゆる現実逃避である。

 

「少し拝読させていただきましたが、この本に登場する騎士団の描写はずいぶん精緻ですね。王国騎士団をモデルにしたのですか?」

「はい……」


 拝読、という言葉にメイリーの胸がどきんと大きく高鳴る。読まれてしまっている。いやまあ問題にされているのだから当然内容は把握されているのだろうが、それでも面と向かって「読みましたよ」と言われるのは非常に恥ずかしい。相手は同好の士ではなく、おそらくは門外漢の殿方なのだから。

 不特定多数に向けて出版したものとはいえ、耽美小説とは基本「いかがわしいもの」だ。趣味を全開にして書いたいかがわしいものが同好の士以外に読まれるのは恥ずかしいし気まずいことである。


「ずいぶんと騎士団にお詳しいようですが、ご自身でお書きになられたのですか?」

「あの……公開調練を観覧させていただいたり、王国騎士団に籍を置いていたという方にお話を伺ったりしまして……わからなかった点はぼかしたり想像で濁したりしています」

「熱意を込めてお書きになったのですね。ところでこの本、題名が……『私の麗しの小夜啼鳥』でしたか。なぜ小夜啼鳥という題をお付けに?」

「……ぁ」

「あ?」

「密かな愛の……隠語です……」

 

 もうやめて! とっくに私のライフはゼロよ! とメイリーの脳裏に前世の俗語(スラング)が響く。小夜啼鳥、という単語はそのまま小鳥を指すこともあれば、秘密の恋を指すものとして使われることもある。人目を忍んで愛を囁き合う恋人達を、夕暮れ時に美しい声で鳴く小夜啼鳥と重ねているのだ。

 

 ちなみに題名の小夜啼鳥は主人公達の関係性のみならず主人公のことも指しており、一度歌えば誰もが聞き惚れる美声の持ち主の主人公が「夜も美しい声で啼くんだな」と相手役の騎士に囁かれるオトナなシーンもあったりするのだが、それを解説する勇気はメイリーにはなかった。

 

「……小夜啼鳥にちなんでいるから、主人公や相手の男を鳥にたとえているのですか?」

「はい……」

 

 あ、これ本当に読まれてる。内容ガッツリ把握されてる、とメイリーはさーっと血の気を引かせた。「私の麗しの小夜啼鳥」では親の意向で騎士にされたものの元は舞台役者か吟遊詩人を志していた主人公は小夜啼鳥、そんな主人公の先輩で女泣かせの恋多き男と噂される相手役は渡り鳥にたとえて描写されている。

 なので本格的にくっつくクライマックスまでは相手役は主人公に「ついばむような軽くいたずらなキス」をするし、主人公が無聊を慰めるために夜毎歌うのもベッドの中でひんひん言わされるのも「小鳥のさえずり」と表現している。そんな、主要人物が鳥モチーフだから行動も鳥にたとえたろ! というささやかなこだわりの下に書き散らした艶めかしい描写の数々がばっちりと騎士様方の目に入ってしまった。恥ずかしさで死ねる。

 

「いくつか作中に気になる描写があったのですが、意図をお尋ねしても?」

「……は」

「よろしいですか?」

「……はい……」

 

 いっそ殺せ! と、叫び出さなかったのは淑女の矜持などではなく単にそうする気力も残されていなかったからである。

 ルドガー卿がしおりを挟んだページを開いて些細な描写のひとつひとつの意図を尋ねてくる度にメイリーの精神は羞恥でゴリゴリと削れ、目から光が失せていく。最中抜きの情事シーンを「描写を省いた裏側で二人は情熱的に身体を重ねているのです」と説明した時などは動揺しすぎて声のトーンがしっちゃかめっちゃかになるほどだった。

 

「ご自分で出版された本なのですから、そんなに恥ずかしがらなくても……」

 

 あまりのメイリーのうろたえっぷりが目に余ったのか、ルドガー卿の左に座る騎士が小さい声でそう口にする。余計なことを言ってやるな、とルドガー卿が騎士をたしなめるのを渇いた目で見ながら、メイリーはにこりと淑女の笑みを浮かべた。

 

「これはもののたとえですけれど。皆様が絵物語の騎士や勇者に憧れる年頃の少年だとして、同じ心持ちの少年達と『自分が勇者や騎士だったら』という空想を絵や話にまとめて共有していたものが他人の目に——それもそういう男の浪漫ですとか、夢見る年頃の気持ちを解してくれなさそうなご婦人の目に触れてしまったらどう思われます?」

 

 メイリーの言葉に、騎士はすっとそばかすの散った顔を青ざめさせて「すみません」と小声で詫びる。どうやらメイリーの例え話はしっかりと相手に伝わってくれたようだ。反対側に座る騎士やルドガー卿まで若干顔色が悪くなって俯いているあたり少し効きすぎた感はあるが。

 

「あー、えー……カルバン嬢。最後にその、この本はどのような想いを込めて書かれたのかお聞きしてもよろしいですか?」

 

 気まずい空気を払拭するようにこほん、と咳払いをひとつしてルドガー卿が尋ねる。最後の、と前置きしたからにはこの質問に答えれば地獄のような羞恥尋問から解放されるのだろう。メイリーは腹をくくることにした。

 

「新境地の開拓と布教、ですわ」

「ふ、布教、ですか?」

「ええ。布教というのは比喩ですから、新しい価値観を根付かせると申し上げた方が適切ですわね」

 

 この世界の耽美趣味は、メイリーが前世の記憶で見た耽美文化に酷似している。つまりBLの前段階、文化としてはまだ発展の余地を残しているのだ。

 耽美小説の主人公はどれもこれも儚げで華奢な美青年ないし美少年で、相手役は歳上か最低でも同年代の男性ばかり。精悍な青年や熟れた年頃の紳士の主人公、歳下で主人公より小柄な相手役はメイリーが確認する限り存在していない。それはあまりにももったいないのではなかろうか。

 メイリーは儚げで華奢な美青年も好きだが、精悍で男らしい体格の青年も好きだった。そういう青年が主人公の物語を書いてみたら母達からは「斬新で驚いた」以上の反応はなかったが、世の中にはこれにときめきを覚えてくれる婦女子もきっといるはずである。というかいて欲しい。お願いだから!


 そんな想いを込めて書き上げたのが件の「私の麗しの小夜啼鳥」だ。いきなり飛ばしすぎてもみんなついてこられないだろうから、と主人公は中性的な顔立ちの美青年で相手役は歳上というセオリーは押さえてあるが、主人公は細身でありながらもしなやかに筋肉がつき引き締まった体躯をしていると度々描写されている。つまりそれまで耽美小説の主人公から省かれがちだった「筋肉」を明確に取り入れているのだ。

 これに何かしら反応があればもう少しステップを進めて男らしく体格の良い主人公の耽美小説を出すつもりだし、後追いで筋肉質な主人公の耽美小説が出てくれれば万々歳だ。いずれは耽美小説の主人公の均一化されたイメージを取り払い、より多種多様な主人公が描かれて欲しい——と。メイリーはそれはもう熱を込めて、こんこんと騎士達に向けて説いた。

 

「……では、カルバン嬢はその、耽美? に新しい風を吹き込みたくて、王国騎士団を題材にされたと。そういう解釈でよろしいのですか?」

「はい。無断でモデルにしてしまったことは謝罪いたします。誠に申し訳ございませんでした」

「いや、まあ。それに関しては問題ありません。悪意を持って虚偽を広めるならともかく、大部分の描写は大変正確なものでしたから」


 問題ない、と言い切りながらも、ルドガー卿の応答は妙に歯切れが悪い。両端の騎士もどこか困惑した様子で顔を見合わせていた。

 用が済んだからなのか、それともメイリーの熱い野望に気圧されたのか、ルドガー卿は訪問に応じてもらった礼と別れの挨拶を手短に述べると二人の騎士を伴ってすたこらさっさと退出する。具足を鳴らしながら去っていく騎士達の背を見送り、メイドの手で応接室のドアが閉められた瞬間、メイリーはぷっつりと糸が切れたように崩れ落ちた。

 そういえば怒られなかったな、と気付いたのは、大急ぎで担ぎ込まれたらしい自室のベッドで目を覚ました後のことだった。

 

 それからおよそ三月。春の訪れを感じさせる温かい陽気の日に、再び王国騎士団の騎士達がカルバン伯爵邸を訪れた。

 

「この前は大変失礼を致しました」

 

 丁寧な口調と共に頭を下げたルドガー卿は相変わらずお供の騎士二人とぎっちぎちにソファに詰まっているが、前回のような剣呑とした雰囲気はない。手に携えてきたのもメイリーの著書ではなく、手土産だという王都の有名パティスリーの焼き菓子詰め合わせセットだった。

 

「以前、あのような不躾な真似をしてしまった理由ですが。実はカルバン嬢の作品には他国の間諜が仲間に報告をするために作らせたものではないか、という疑いがかかっていたのです」

「間諜……というと。スパイですか?」

「わかりやすく言い換えればそうですね。いやに騎士団の描写が精緻だったので、王国騎士団に関する情報を流す暗号文ではないかと皆勘違いしてしまったようで……誠に申し訳ない」

「いえ……こちらこそ、紛らわしいものを書いて申し訳ありませんでした」

 

 丁重に詫びるルドガーに、メイリーも深々と頭を下げる。まさかリアリティのために考証を徹底したらスパイ疑惑がかかるとは思わなかった。これまで読んだ物語は大抵架空の世界という設定で、描写もどこかしらふわっとしていたのはいらぬ嫌疑を避けるためだったのかもしれない。

 

「ところで。今日カルバン嬢を訪ねたのは、先日の謝罪だけが理由ではないのです。カルバン嬢にぜひお願いしたいことがありまして」

「私に、ですか?」

「はい。以前お話しした際、著書の反響次第では次作の出版も検討していると仰っていましたよね。もしカルバン嬢さえよければ次作も騎士が題材の物語にして、王国騎士団を監修に携わらせていただけませんか?」

「は、ひぃッ⁉︎」


 予想の斜め上を行く提案に、メイリーは素っ頓狂な声を漏らしてしまった。

 ルドガー卿曰く。王国騎士団では、近頃女性騎士の募集に力を入れているそうだ。

 王国騎士団の主な任務は治安維持と貴人の警護だが、困ったことに高貴な女性の警護にあたらせた男性騎士が護衛対象と不適切な関係になる事案が散発しているという。なのでよしんば不適切な仲になっても妊娠のおそれのない女性騎士を女性の警護にあてがいたいのだが、その女性騎士がそもそもいないのでは話にならない。

 故に数年前から女性騎士不足を補うために女性騎士募集の旨を掲げ、福利厚生の充実に加えて女性騎士の宿舎や着替え場、訓練メニューを分けるといった待遇の区別をアピールしているものの、いまいち成果に乏しい。なぜ応募者が増えないのかと不思議に思って意識調査をしてみると、むさい男所帯というイメージが強いせいで女性の就職先としては敬遠されているとのことだった。


 そんな矢先に舞い込んできたのが、メイリーの著作のスパイ容疑案件である。メイリー本人への聴取とカルバン伯爵家ならびに出版社の背後関係の調査でスパイ容疑は晴れたが、精査のために作品に目を通した騎士達は王国騎士団の実情がかなり正確に描写されていることに驚いたそうだ。

 そこで、いっそこの本の作者に「これはフィクションだけど王国騎士団監修ですよ」と銘打った小説を書いてもらって宣伝活動をしてはどうか、という話が騎士団内部で持ち上がったらしい。


「あれから少し耽美趣味について勉強したのですが、耽美小説の読者層は圧倒的に女性が多いとか。であれば下手な宣伝よりも女性への訴求力は高くなるでしょう」

「り、理屈はわかりましたが……よろしいんですか? 耽美小説はその、宣伝に使うには、刺激が強いのでは……」

「まあ、不健全でよろしくないと喧伝する声もあるのは把握していますが。一般に流通していて上から取り締まる意向も出されていない以上、公序良俗に反するものではないということです」

「だとしてもその……そういう売り出し方で仮に応募者が増えたとしても、かなり不純な動機の方ばかりが集まると思うのですが……」

「どんなに俗っぽい動機であろうとも、間口が広がってくれさえすればよいのですよ。男女比率が改善してむさいイメージが払拭されれば、他のきっかけから応募する者も現れるでしょう」


 弱腰でしどろもどろなメイリーとは対照的に、ルドガー卿の声色には揺らぎがなく真剣そのものだった。以前とは違うお供の騎士二人も、ルドガー卿の主張にそうだそうだと言いたげに頷いている。それでいいのか王国騎士団。


「もちろん、謝礼は出します。機密にあたるようなことは教えられませんが取材には全面協力いたしますし、出版にかかる費用もこちらでいくらか負担します。悪い話ではないと思うのですが、いかがでしょうか」


 具体的にはこのくらい、といやに現実味のある数字を提示されて、メイリーはううんと唸る。ルドガー卿の提案は、メイリー自身の羞恥心さえ抜きにすればはっきり言って魅力的だった。本当に魅力的なのだが、受けるのは躊躇われる。なぜって、やっぱり恥ずかしいから。それに加え、私の作品で王国騎士団を宣伝するなんて恐れ多いんじゃないかな……という気後れもあった。


 煮え切らないメイリーの態度に、ルドガー卿も何かを察したのであろう。ルドガー卿は両脇の騎士と何やらアイコンタクトを交わすと、真正面からメイリーを見据えてにっこりと微笑んだ。


「カルバン嬢——いえ、レディ・マリアン先生の作品を改めて通読させていただいたのですが、素晴らしい一冊でした。自分は騎士に向かないと懊悩しながらも周囲との交流を経て騎士とは何か、己のしたいことは何かと自分なりに答えを見つけ出す、どこかナイーブな主人公像は非常に斬新でした。物語における騎士は勇猛さばかりが強調されがちですからね。そんな従来のイメージにとらわれない魅力的な人物を描いたレディ・マリアン先生にこそ、むさ苦しく粗野な男ばかりという王国騎士団のマイナスイメージを払拭し新しい風を吹き込む一作をぜひ手がけていただきたいのです」

「うぐぐぅッ」


 ストレートな賛辞攻撃に、メイリーはくぐもった呻きを漏らす。リップサービスだろうとわかってはいるが、感想を貰えるのは素直に嬉しいのだ。読まれた恥ずかしさと感想を貰えた嬉しさは後者の方がわずかに勝っていた。

 続けざまに両脇の騎士からあそこのシーンが良かったです、あの台詞が好きです、と感想の追撃を受ければ、もはやメイリーのライフは尽きたも同然で。頭から湯気が出そうな心地で顔を覆いながら、メイリーはルドガー卿の申し出に弱々しく頷いたのであった。


 かくしてメイリーことレディ・マリアンと王国騎士団がコラボレーションした新作の執筆活動が始まり、アドバイザーとしてルドガー卿がこまめに進捗を確認してくれることになったのだが——


「前作と比べて雰囲気が軽いというか、描写が薄いですね。あの匂い立つような色気がないといいますか」

「それは、そのぅ……王国騎士団監修と銘打った小説ですし、あまりインモラルなものはよろしくないのではと……」

「あのですね、マリアン先生。これは宣伝なのですから、読者には魅力を感じてもらわなければならないのです。毒にも薬にもならない薄味の内容ではそもそも関心を引かないでしょう。妙な手心は加えず、素直に先生の持ち味を出してください」

「い、いいんですか⁉︎ 王国騎士団監修の下でそんな……いやらしいものを書いても⁉︎ それでいいのですか王国騎士団⁉︎」

王国騎士団(うち)が監修するからこそヌルいものは書いていただきたくないのですよ。前作くらいの過激度なら十分許容範囲ですから、もっとこう読者を惹きつけるというか情欲をそそる感じでお願いします。日常描写は今のままでいいので、濡れ場はもっとしっとりじっくりと書いてください。先生の繊細かつ情熱的な筆致なら最中のシーンはなくとも空白を読み取らせ、激しく愛を確かめ合う二人の姿を読者の頭の中に描き出せるはずです。もろに書かずとも匂い立つ気配でわからせる、その方向性で行きましょう」

「は、はひぃぃ……」


 例の聴取がきっかけで耽美趣味を学んだというルドガー卿は思ったよりもずっと耽美趣味への造詣が深く、かつ大変にアグレッシブで。及び腰が抜けないメイリーは、ルドガー卿に度々尻を叩かれてひんひんと情けない声を上げるはめになったのであった。

・いかがわしい

①信用できない様子、怪しげで疑わしい様子。


②下品、みだら、風紀上よろしくない様子。



◆メイリー・カルバン


転生者で腐女子。前世の記憶はあるが今世の人格の方が強い。

腐女子としては雑食気味だが、儚げな受けよりは健康的で体格の良い受けの方が好きな傾向にある。ついでに年下攻めも好き。

自分の好きを広めようとしたらなんかスパイ容疑がかかって、おまけにそれがきっかけで王国騎士団監修BLを出すことになってしまい戦慄している。

なお、これは恋愛ジャンルの作品ではないためルドガー卿とそういうフラグは立たない。



◆ルドガー


王国騎士団の騎士。隊長格のそこそこエラい人。

スパイ容疑のかかったメイリーを事情聴取するが、明らかに素人臭いので「これ違うっぽいな…」と思っていたところやけくそカミングアウトを受けて「この人マジで好きなもの書いただけだ!」と確信した。

その後メイリーに宣伝の依頼をするにあたって耽美小説を買い漁り、耽美小説を取り扱う出版社にも赴いて耽美ラーニングを行い有識者となる。

別に腐っているわけではないが、耽美の何たるかを研究したので萌えポイントやセオリーはわかる。ついでに「ガタイの良い受けがいてもいいんじゃないか?主人公が攻めの作品もあっていいんじゃないか?」という思想も持つようになった。でも腐ってはいない。

メイリーの担当編集として辣腕を振るっているが、これは恋愛ジャンルの作品ではないのでメイリーとそういうフラグは立たない。あとノンケなので男性ともそういうフラグは立たない。



◆騎士団長/副団長


王国騎士団の団長と副団長。

メイリーの小説で王国騎士団をPRしてはどうか?というアイデアを出したのは実は副団長で、それにノリノリでOKを出したのが団長。

ちなみに団長はバイ、副団長はノンケだが耽美趣味に理解がある。双方共にメイリーの小説を気に入ったので新作を楽しみに待っている。

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