表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

予想外の出来事

 ルナシャの一階層に降り立つ。


「ふぅ〜、今日は何人死んでしまっているのかな?」

 

 サイコパスな発言に聞こえるかもしれないが、冒険者はいつも死と隣り合わせの職業の為、この世界では全くもってサイコパスな発言ではない。


 一階層に死体はなかった。


 死んでいる人は少ければ少ないほど良い。

 死は悲しい事だと思うし。


 二層に降り立ち、辺りを見回す。


 ……倒れた人が一人遠くに見えた。


「いた」


 近づいてまず生きているかどうかを確かめる。


「……脈が無い……か……」


 脈が無い。すなわち死んでいるという事だ。


 亡骸に手を合わせる。


 そしてそのダンジョンの壁際の方にシャベルで穴を掘る。


 ガリッと音がして、地面が割れる。


「うーん、やっぱ硬い」


 地面を砕いているのだから当たり前ではあるが、他の地面よりは硬い。


 ザクザクと掘り進めて行き、亡骸が入れる程の穴を掘った。


 亡骸をそっと持ち上げ、穴の中に入れて埋める。


 そしてその上に背負ってきた墓石を置こうとしたが……


 ズシンと空間が揺れた。


「なっ、なんだ?」


 一定の間隔で揺れる。

 ……何かが迫って来ているようだ。


「何が迫って来てるんだ?」


 走ろうにも空間が揺れるせいで上手く走れない。


 そして振動の元は徐々に姿を現した。


「…………サイクロプス……」


 一つ目の巨人が、そこにいた。


「なんで!? サイクロプスはこんな浅い階層にはいないはず……」


 サイクロプスはこちらを見つめたあと持っていた巨大な棍棒(こんぼう)を振り(かざ)して来た。


「危っぶな!」


 (すんで)の所で避ける。

 

 あれに当たったらタダでは済まないだろう。


 手持ちにはシャベルが一本……勝てるのか? これ。


 無理な気がしてならないがどうにかしなくてはならない。


 逃げるのは不可能だ。

 一層ならまだ可能性はあったが、二層では上に登るという動作をしなくてはならない。


 登っている間はかなり無防備になるので、登っている間にグシャッとなるだろう。


 どうするか。

 逃げても死、戦っても死。


 僕も先程土の中に埋めた冒険者の様になるのだろうか?


 いや、絶対に同じにはならないだろう。


 あの棍棒の攻撃を受けたら原型も残って無さそうだ。


 だがそう簡単にやられるわけにはいかない。


 死にたくない。


「フゴォォォ!」


 雄叫びを上げながらサイクロプスが突っ込んでくる。


 ズシンズシンと空間が揺れまくる。


 だが何とか立ち、シャベルを両手で持って構える。


「フゴッ!」


 棍棒が振り下ろされる……が、もう振り下ろされた場所にはもういなかった。


 振り下ろされる寸前に壁を蹴ってサイクロプスの着ていたボロ布に掴まったのだ。


「ウガァァ!」


 ボロ布に掴まっていることに気付いたサイクロプスは体を揺らして僕を落とそうとしてくるが、何とか掴む。


 そして背中に回って頭の上に登り、シャベルを脳天に突き刺した。


「ウガッ」

 刺さった場所から血が飛び散る。


 地面に降りて倒れたサイクロプスを見る。


「…………倒せた……」


 サイクロプスは危険度がかなり高めの魔物だが、そんなやつを僕は倒した。


「ふぅ、さっさと墓を作っちゃおう」


 倒したのはとても嬉しかったが、僕はあくまでも墓を作りに来た事なので、先程の冒険者の元へと向かって、墓石を置いた。


 ついでにサイクロプスのお墓も作っていたら、朝になっていた。


 まずい、急いで戻らないと村民になんて言われるか分からない。


 僕は駆け足で家に戻るのであった。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


 と思って頂けたら是非、下にある☆☆☆☆☆から作者への応援をお願い致します!


 ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!


 作者の励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ