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君も誰かのヒーロー  作者: かなたつむぐ
【序章】
2/72

ヒーローとの運命の出逢い

 ヒーローって世の中にたくさんいる

 世界の平和を守るヒーローだったり

 人の命を守るヒーローだったり

 誰かを笑顔にさせるヒーローだったり

 きっと君も誰かのヒーローだったりする

 ヒーロー。

 そのコトバで思い浮かべるヒーローは、悪者をやっつける正義の味方のヒーロー。

 町の平和を世界の平和を守り、事件が起きたら一瞬で登場し救助して、大火事が起きれば一瞬で火を消して、自分の命より他人の命を優先する。それが、大体の人が想像するヒーローだと思う。


 でも俺のヒーローは少し違う。


 自分の目で捉えることができる景色の中にいて、触れようと思えば触れられるくらいの距離にいて、声や息遣いが感じられるくらいの音が聞こえてくる範囲にいる。



 二年前のあの日……俺は君の姿を見て、君に憧れて。君のようになりたいと思ったんだ。



* * *


 話は二年前に遡る。

 その日の空は雲一つない天色の空が広がっていた。

 俺は友人に誘われて、アンバトという競技の試合を見に来ている。


アンバトというのはサバイバルゲームという競技の派生版というか、大きなフィールドで武器を持ってチームで戦う競技のことを言う。アンバトは個人戦とチーム戦があるが、今行われているチーム戦では五人対五人で試合が行われている。武器は銃、アーチェリー、手裏剣、槍、双剣、短剣などを使用する。剣と言っても剣道やフェンシングとは違う西洋の剣のような形の武器を使用する。もちろん、武器は怪我をしないような工夫がされている。


 そのアンバトの試合で運命的な出会いをする。


「葵、いっけ~」

 葵は中腰になった樒の背中をジャンプ台にし、空高く飛び上がる。

 葵の姿は太陽と重なり眩しく、相手選手の視界を晦まし、大きく振りかぶった葵の剣は相手選手が握っていた剣を叩き落す。

 相手選手は立ち上がり、敗北の証として腰に身に着けていたリボンを手渡す。


「葵、次行くぞ」

「おう! 兄貴! オレたち兄弟の力をみせつけてやろうぜ」

 葵と樒はキラキラ輝く笑顔でハイタッチをし、次の対戦対手がいる方へと走り出す。


 葵と樒は同時に対戦相手の前に出て剣を交え、同時に剣を空高く振り上げる。相手選手たちは上半身がガラ空きとなったと思い、剣を葵と樒の横っ腹に振りかぶる。葵と樒はバク転宙返りをし、相手の攻撃を避け、地面に着地する。しゃがんだ状態から相手の剣を下から力いっぱい振り上げ、対戦相手の剣を振り払う。相手選手たちはバランスが崩れそのまま後ろに倒れていく。葵と樒は笑顔で相手選手の手を取り立ち上がらせ、固い握手をする。

 そして試合終了のアナウンスが流れる。



 これは俺たちの未来を大きく変えた出来事。



 『ヒーロー』というものは突然現れる。

 その存在で未来は変化し、その存在で世界の景色も色も大きく変化してしまう。

 今までの自分が別の人物になってしまうくらいに『ヒーロー』の存在は偉大である。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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