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モテ期なんですかね……?

 それからというもの、何故か高位貴族らしきご令息達が頻繁に来た。暇なの?お姉さん、お仕事中なんですよ。仕事したいの!とは流石に言えず。今は仕事中ですので、とやんわり伝えてお引き取り願った。

 そのせいか今度は休憩中に来ようとしたらしいけど、部下達が阻止してくれてたっぽい。休憩室まで声が響いてたわ。後でご褒美に飴をあげたら喜ばれた。うちの部下は皆可愛い。


「それにしてもなんだったんだ……」


 そりゃあ美少年から言い寄られるのは悪い気がしないけれども、理由がわからないから困惑するしかない。


「チヤホヤされていい気になってんじゃないわよ!」


 先日結婚が決まった同期の……名前忘れたけど化粧が濃い人に怒鳴られた。まあ、多少仕事に支障をきたしたから、怒られても仕方ないかなぁ。でも、いい気にはなってないよ。ずっと困惑してたよ。


「あ〜……ごめん?」


「キー!!これで勝ったと思わないでよ!!」


 今どきキーって言いながらハンカチ噛むやつマジでいるんだなぁ……。衛生的にどうなの?それトイレ後に手を拭いたやつとは違うの??そもそも、私は何に勝利したんだ……?


「隊長、やりましたね!この間、あいつ散々マウント取ってきやがったじゃないですか!ざまぁみろですよ!!」

「ああ、スッとしました!あの愚か者、あたかも自分モテるアピしてたくせに、今日来たご令息達から塩対応されて涙目でしたよ!わかる人には隊長の魅力がわかるんですよ!」


 部下のミルクとココアがよくわからないが私を庇ってくれているようだ。まあ、先日私にまだ結婚しないのかとか色々言ってたもんな。血痕はよく見るが、結婚のけの字すらない私にはとてもきつかった。今は嫁がいるからか焦りがない。


「ん〜。ありがとうね、二人共」


 とりあえず、庇ってくれたお礼を言って帰宅した。






 寝るだけだった部屋は、嫁が来てからきれいに片付き、洗濯もしてくれたらしい。とてつもなくありがたい。食事も美味しかった。今日は話を聞こうと思って酒を飲まなかった。やればできる私なのだ。





 しかし、それどころではなかった。





「旦那様、これはなんですか?」


「………見合いの釣書?」


 鞄を預かった嫁が、見合いの釣書を発見してしまった。


「ひ、ひどいです!僕というものがありながら、浮気!?重婚!??」


「いや、そもそも結婚してない」

「僕を弄んだんですか!?」

「いや、弄ぶも何も……」 


 私達はどういう関係なんだろうか。弄ぶも何も、マッサージしてもらったぐらいでこう……いちゃついたこともない。


「僕より可愛い男なんてこの中にはいないじゃないですか!僕に不満があるんですか!?」

「ありません」


 正直、これ以上ないぐらい素晴らしい嫁です。美しい容姿、料理上手い、気がつけば我が家が素敵な居住空間になっている、マッサージまでできる。

 というか、釣書の中までチェックしたのか。仕事が早いな。部下にほしい。


「じゃあ、これは不要ですよね?」


「待て待て待て待て!」


 確かに不要っちゃ不要なんだけどな!ちゃんと断るなら断らないといけないから、相手がわからなくなるのは困る!という、見合いの釣書を割るなんて見かけによらずなかなか力が強いと見た!


「なんでですかぁ!僕がいればいいでしょ!!」

「断り先がわからなくなると困る!団長からの紹介だから、失礼な態度を取ったら団長にも迷惑がかかるんだ!!」


「納得しました!僕ったら、早とちりでしたね」


 テヘペロする美少年……。やばい、これはいかん。何をしても許してしまいそうだ。嫁はせっせと釣書を修復して返してくれた。とりあえず、早急に断りの手紙を書かねばなるまい。


「私も君に失礼なことをした。お互い様だろう」


 可愛い嫁の頭を撫でたら、真っ赤になってモジモジしていた。ナニコレ可愛い。もっと可愛い。語彙力がないので上手く表現できないけど可愛い。


「……はひ……」


 そして、ウットリとこちらを見つめる瞳は艶かしさを含んでいて、薔薇色の頬と相まって非常に美しかったがこれ以上はまずいと判断して風呂に逃げ、風呂上がりに酒を呑み、ぐっすり寝てしまった。


 あれ??何かとてつもなく大事な事を忘れているような??寝る直前に思い出しかけたが、嫁にトントンされて寝入ってしまった。

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