プロローグ
今の僕が幸せになる為の旅をする物語。
「少し話してあげるあなたが生まれた時の話し」
ラルード暦230年
ラルード王国の小さな町で少年は生まれた。
「私たちの子が産まれたわよ!」
「名前はどうしようか?」
嬉しそうに話す二人は僕の両親である。
父はジャカル・ラリー人族でかなりのイケメンその上剣士だ。
母はルシー・ラリー、エルフで言わずもがな美人だ。
「名前は・・・ルルアよ」
そして僕が産まれた。
ラルード暦236年ルルアが6歳になった年。
「母様、父様行ってきます」
「気おつけてねー・ルルア」
僕は初めてできた友達のところに行く。
出会いは5歳の時初めて一人で街に出かけた時その子に出会った。
黒い髪で、もうそれは凄く可愛い女の子が一人泣いていた。
母が泣いている人を見たら話を聞いてあげてと言っていた事を思い出し僕はその少女に話した。
「どうしました?」
そう声をかけると、少女がプイッと顔を曲げ無視をした少女にどうしたらいいか分からなくなった。
まあ確かに、知らない人に声をかけられても着いていかないようにと僕も教えられたから、無視するのは分かるけど僕そんなに悪い人に見えるかな?
僕がアタフタしていると少女が小さな声で
「お金がない・・・・お金欲しい・・・」
えー初対面でお金欲しいか悪い子では無さそうだけど。
「なんで欲しいの?」
まずは理由を聞かないことには上げようが無い。
親からもお金の大事さは教えてもらったし。
「ママが病気・・・薬買えない」
そうか、困ってそうだけどそんなにお金ないしな、親に頼むしかないけど・・・なんて言うかな?
「君さえ良ければ僕の家に来れば解決するかもしれないけど来る?」
そう言うと少女は涙を拭って僕に着いてきた。
「お帰りー・・?どうしたのその子?」
そうして僕は両親にその事を話した。
「あなた名前なんて言うの?」
「リカリス・デュークです」
そうすると父が驚いた顔をした。
「リカリスちゃん俺がお金を払ってあげようだがお金を貸すとはどう言う事かわかるね?」
そう言うと少女は頷いた。
お金を貸すとはその家の配下になると言う事になる。
少女は覚悟を決めていた。
その後デューク家はラリー家の配下になったがその後、すぐに正式な家族として迎え入れられた。
それが僕とリカリスの出会いだ。
僕は今、街の外れにある平原に来ている。
少し待つと、リカリスが来た。
風になびくリカリスの黒い髪の毛がすごくきれいだ。
「ルルア明日は七歳の誕生日でしょ?」
「そうだよ」
僕としては七歳の誕生日は、とても意味のあることだ。
七歳の誕生日は、教会に行き、魔法が使えるようになる儀式があるからだ。
「リカリスも、明日教会に行くんだよね」
「うん、ギヴァーの贈呈式があるからね、ルルアもあるでしょう?」
「うん、あるよ」
僕とリカリスは、ギヴァーという、能力をもらう儀式がある。
僕はタイミングよく、魔法とギヴァーを同時にもらう。
魔法とギヴァーは、それによって生涯を決めるほどでもないけど、騎士団や魔術師団になりやすくなるらしい。
そんな大事な儀式が明日あるのだ。
そんなことを、考えてると、リカリスが真剣な目で言った。
「私、魔法の学校に入りたいんだ」
リカリスは、魔法の学校に入りたいらしいけど、なかなか難しいらしい。
「リカリスは魔法が好きなの?」
「うん、昔ね、魔法使いのお話を聞いてから魔術師団に入りたいなって」
そんな未来の話をしていると、気づけば、すっかり夕暮れになっていた。
その後、話が終わって、自宅に帰ってきた。
どうやら、リカリスは将来のことを、ちゃんと考えてるみたいだけど、僕も、考えないとな。
こうして、将来の事を考えてると不安になるな。
でも、この家を、出ていくのは、16歳の成人してからかな。
そんなことを、考えてると眠りに、ついていた。
「ルルアー起きなさい」
そんな母の声で、目覚めた、今日は教会に行く日だ、まだ時間があるのに、緊張している。
一生に一度の大事な式だから、普段着ない正装に着替えて朝食を食べていると家の中にある石板が光った、この石板は、持っている相手同士で、文字の連絡を取るものだ。
その石板からは、リカリスの母からの、準備がて来たという連絡だった。
リカリスは僕たちの家族になったことで、かなり裕福になったらしい。
それはよかったのだが、会うたびに、感謝されるのは、少し変な感じだ。
僕の家の前に馬車が来た、もちろん、リカリスも乗っている。
その馬車で数時間進むと教会が見えた。
馬車内では、母たちが、家事の会話をしてる。
教会の前で馬車が止まり、外に出た、教会を始めてみたけど、ラルード王国唯一の教会ということで、すごく豪華だ、白くてつるつるな、壁に、キラキラなガラスがある。
キラキラだけどガラスが、まぶしすぎてあまり好きではない。
そうして、集まったものが、全員席に着くと、一人の老人が教壇の前に来て、お辞儀をした。
多分、あれが教皇だろう。
教皇の見た目は、怖い顔で白いひげを生やしていた。
何か、滅茶苦茶強そうな爺さんだ。
そうしてギヴァーの授与式が始まった、次々と名前が呼ばれる。
「次、ルルア・ラリー」
そうして僕の名前が呼ばれた。
「ルルア・ラリーにギヴァーを授ける、ランド様の加護があらんことを」
体には、何の感覚もないが、出来たのだろう。
その後、小さな封筒が渡された、そこには、ギヴァーの能力が書いてある。
淡々と、式は進み教会を出た。
馬車に座ると、どっと疲れが出てきた、馬車に揺られながら、寝てしまった。
気づくと、家についていた。
この後は、リカリスと平原で待ち合わせをしているのだ。
「母様行ってきます」と言って家を出た。
待ち合わせ場所につくと、リカリスがいた。
ここで、ギヴァーの確認を一緒にしようと約束していた。
せーので開く。
「リカリスは、どんなのだった?」
リカリスは魔術師団に入りたいって言ってたしいいものが出ればいいんだけど。
「重力を操るみたい!」
ほう、リカリスは、重力か戦いに便利そうだからよかったのではないだろうか。
僕の方は、特になりたいものもないしなんでもいいな。
封筒を開ける。
「・・・・体積を操るらしい」
「ルルアすごいじゃん!」
体積か、便利そうだし、なかなかよさそうだな。
魔法もイメージが、大切らしいし、出来そうではある。
まだ、子供だからだろうか、うまく扱えず消えてしまう。
そんな、話をしていると、雨が降ってきた。
雲が急に出てきて、雨が落ちてきた、なんかおかしいな?
その瞬間雨が、嵐になり、背筋が凍るような視線と、恐怖が襲ってきた。
雨で、視界が悪くなり、リカリスとてを握った。
「家に・・・」
家に帰ろうと言おうとした時、黒髪の男が、とてつもない速さで僕の首を握りしめた。
一瞬何が起きたか、わからなかったが次の瞬間リカリスは、黒髪の男に魔法を放っていた。
「ルルアを放して!」
重力が黒髪の男の手にのしかかったその瞬間、光が目に飛び込んだ。
ピカっと光って目を閉じ、すぐさま目を開けた、その光景を見て、恐怖で動かなくなっていた。
目を開けたら、リカリスが血を吐いて地面に倒れていた。
地面は衝撃で、えぐれていた。
「リ・カ・リス?」
まさか、死んでいるわけじゃないよな、そんなことあるわけ・・・。
黒髪の男は、僕の方へ、近づいてくる、恐怖で動けなくて泣いている、みっともない姿なのは、自分でもわかっていた。
けど、動けなかった・・・。
だけど、後ろに倒れている、リカリスを見る。
リカリスを守るために戦わなくちゃいけないのだ。
そうすると、恐怖は、無くなっていた、まだ足が震えているがそんなことは、脳裏にはなかった。
だだ守る、ことだけそのことだ考えていた。
魔法を出して、できるだけギヴァーで大きくする、そして放った。
黒髪の男のところで、爆発した。
・・・・だが、それだけだった。
魔力も枯渇し打てない、それだけ子供は、僕は、弱いのだと知った。
僕は、どうすることもできなくなり、このまま死ぬのだと・・・・。
だが、最後に剣で突撃しようとした。
それしかできなかった、もしかしたら当たるかもしれないそんな思いと同時に僕のお腹は吹っ飛んだ。
地面に倒れた不思議と痛いという感覚はなく、ただ寒い。
男が近づいてきた、倒れた僕に、最後に剣を振った。
倒れながらゆっくりと、この剣なら、誰でもよけれるであろう、そのひと振りを奴は、避けたのだ。
意味が分からなかった、薄れる意識の中、黒髪の男は、渋い困った顔をした。
今更僕には、何もできないのに。
その瞬間、僕から、奴が避けたところに光の線が降ってきた。
そして僕の意識は、無くなった。
ーーーーーーリカリス視点ーーーーーーーー
私が目覚めたときには、ルルアが崩れるように倒れた。
私は、アルルが守ってくれていたのだと分かった。
戦わなくちゃいけない、守ってくれた、あの時私を助けてくれた人のために。
でも、体が動かないの・・不思議だわ。
どうしても動かないの心は正直なのに、体が私に逆らうの。
泣かないって約束したのに、無力な自分がつらくて、守れなくて泣きそうだわ。
その時、リカリスは、目を見開いたそこには、光の線がルルアと黒髪の間を分けるように降っていた。
リカリスの体は、ポカポカしていた、怪我をした時、ママがかけてくれた魔法のように。
光の線からガタイのいいおじさんが、出てきた。
その男は優しく安心する声で言った。
「坊主と小娘よ安心しな」と
後ろから緑の髪のお姉さんが汗をかいて言った。
「少し遅かったら治癒魔法掛からなかったですよ、団長」
私は、何が起こったか分からなかったわ。
銀髪で団長と呼ばれる男と、黒髪の男が話す。
「あんたは誰だ?・・・一様言うがこの国では子供の殺害は、重罪だぜ」
二人の剣は、早すぎて見えなかったの。
数分後、戦いが止まっていた、黒髪の男は、傷だらけで、服が破けていた。
団長は、その鎧のおかげか傷一つついていなかった。
二人の間には、相当な、力の差があったのが見て取れた。
黒髪の男が初めて口を開く。
「・・最悪だ」
黒髪の男が言い終わる瞬間、光が黒髪の男の周りに、降り注いだ。
黒髪の男の腕に貫通し焼けていた男は、ぶつぶつと何かを言った後に光が視界を覆った。
光が消えると黒髪の男は、いなくなっていた。
私は、ほっとした、だがこの人達に聞かないといけない。
「貴方たちは、何でここに?」
大きな男は、こちらへ、振り返りいった。
「ここ一帯で、嵐が急に起きたらしいから、その調査でな」
そうか、いろいろ聞きたいのだけれどそんなのはどうでもいい。
「私たちを、助けて・・くれて・・ありがとうございます」
強く振舞っている少女の目には、大粒の涙がたまっていた。
団長が私の頭に手を置いて言った。
簡単で誰もが言いそうな言葉に私のすべてが詰まっていた。
「強くなれ、愛するものを守れ」
それだけ言って、それが私のすべてのように思えた。
ーーーーーーールルア視点ーーーーーーー
気づいたら家のベットで寝ていた。
起きると父は心配そうに、母は、涙を流して
「・・・おはよう」
といった。
家族に会った出来事を話した。
まだ、あの時の恐怖で手が震えている。
死ぬかもしれないという恐怖で部屋の外に出るのがつらい。
そのまま、二日間ベットにうずくまり怯えていた。
部屋にリカリスが来た。
この二日間、恐怖や自分への怒り、悔しくて、悲しくて、失うのが怖くて、いろんな感情がこみあげてきた。
優しい顔でリカリスが言った。
「私は、前に進むよ」
「・・リカリスは強いな」
「強くないよ、私もう失いたくないの」
優しさが突き刺さった・・無力な自分に・・・でも助けになった優しさだ。
一人で生きてきたならば、僕は、こんな感情にならなかったと思う。
だけど君を守りたいそのために、君のために強くなる覚悟を決めた。
「僕は、君のために強くなるよ」
七歳の誕生日僕は、変わると決めた、強くなると決めた。
「おはよう」
「・・僕、魔法学校に行くよ」
両親は、誇らしげな顔をしていた、あんなことがあっても立ち上がったことに、強くなろうとしていることに両親は、わが子が強くなって嬉しかった。
「でも、あんまり心配することしないでね」
父と母は、優しい声で言った。
「期待している」と
そこに、いろいろな感情が詰まっていたかもしれないがそれを知るのは、もう少し先だろう。
ルルアの旅が始まる。