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Philistia  作者: 桜田文也
第一章
8/40

1-4-2 幕間

「ファンナは鉱山の調査依頼を受け、それをヴァンとラディアスの二人と協力して遂行した。」

「はい。」

 老人の言葉にファンナが答える。

「ヴァンとラディアスは()()()()()()()()()()を受け、それをファンナと協力して遂行した。」

「はい。」

 今度はヴァンが返事をする。

「報酬は?」

「依頼人は経済的に苦しそうでしたから、彼の姉の手料理をご馳走になりました。」

 ラディアスが回答する。心なしか目が笑っている。

「……問題ないな。」

「問題ないですね。」

 老人、グランドマスターの言葉にザックスが同意する。


 ザックスが手で額を押さえて震えている。それを見たヴァンは肩を震わせ、ファンナは首だけ横を向けて耐えている。ラディアスだけがポーカーフェイスを装っていた。

「プッ……!ハハハハハ!!」

 最初に耐え切れなくなったのはグランドマスター自身だった。

 そして、全員が耐えきれずに声を出して笑ってしまった。

「よくもまあ、そんな抜け道を見つけたものだな!」

 言っておくが褒めてないぞ、とザックスが続ける。

「あー、ただその、少しだけ問題がありまして。」

「何だ?」

 ヴァンの言葉に、まじめな声色でザックスが聞き返す。

「護衛対象を、多少の危険に晒してしまいました。」

「だが、それは訓練生だろう?」

「先ほどボスもおっしゃったじゃないですか。()()()と。」

「俺たち、ちょっと働きすぎだと思うんですよね。」

 ヴァンに続いたラディアスの言葉の意味を、グランドマスターとザックスは瞬時に汲み取ったようだ。


 こうして、規約上も契約上も全く問題の無かった依頼は、策略によって大きな問題へと変貌させられた。

 たった一人の少年を更生するために。

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