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 同じことをくりかえすなら、死んでしまえ

                    ――岡本太郎


 直立二足歩行をし、他の指と対置できる親指を持つ生物はかくして、筋書き通りに作られながら、それと同時に、筋書きからそれるようにも作られている。

                    ――シッダールタ・ムカジー


*


 コンピュータはいつも同じ動作をするか? そうとは限らない。情報処理を実現しているのは物理的な実態だし、それに外乱の影響を受けるからだ。

 例えば、宇宙のどこかからやってきた放射線が、たまたま一つの素子にぶつかって0と1の情報を反転させる。たまたま材質のばらつきの端っこにあたる部品を利用していたり、たまたま厳しい温度環境で使っていたり、わずかに電流量が既定値を下回ってしまっていたり。そうすると、ハードウェアは想定していなかった動きをするだろう。

 遠く宇宙の果からやってくる放射線も、材料固有のばらつきも、その位置や強度、性質を定量的に予測することは困難だ。次の瞬間に起こることは、もしかしたら完全に確率的な現象でさえあるかもしれない。永遠に同じ動作を保証することはできない。

 みたいなことを、加藤が言っていた。

「ミクロな世界の現象は確率の言葉で表現されるんだ……!」

 熱っぽく語る加藤の話はだいたい理解できなかったし、その時はそれでもいいと思っていた。今思うと、もっとちゃんと聞いておいたら良かったかもしれない。

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