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20 色々と話を聞きました

いつも閲覧ありがとうございます。

本日も更新しました。

「まずは、ユキトさん達だね。 みんながセシル達に保護されるきっかけとか教えてほしいの」


 本題としてまず幸人達の事をアリアは話題に挙げた。

 これは俺としても気になった事で、どうやってセシル王子達と出会ったのかという事に興味があった。 ヘクトに支配されている王城では、そう易々と脱走は出来ないだろうから。 特に例の三人組が絡むと尚更だ。


「私達は教室内にて発生した光に飲まれたと思ったら、お城のような場所にいました。 そこでヘクトという男とクズーラという大臣がいました」


「グズーラ…、あの過激派思想の大臣か…」


「知っているのか?」


「さっき言ったように過激派思想の大臣だよ。 ヘクトの右腕として彼の信頼も厚いみたい。 当然ながら王位継承争いに関してもヘクト派の筆頭なんだよ」


 先に話し始めた日下部さんが言ったグズーラという名前にアリアが表情を歪ませる。聞いた所、どうも過激派の大臣でヘクト派の筆頭らしい。

 過激派王子の傍には過激派大臣がいたという事か。


「そこで私達は、魔族を倒すために召喚されたと言われました。 当然私達は納得がいかなかったので、批判しましたがどこ吹く風でした」


「そうだろうね…。 あの愚弟は、自分の都合のいい内容しか耳にしないからね。 ボク達の注意も全く聞き入れてなかったよ」


「グズーラもそうだったわね。 というか、過激派思想の者はみなそういう性質だったわ」


 話を続ける日下部さん。

 今度は自分達を召喚したことに批判したが、聞く耳持たなかったような感じだったという話に、シリル王女とミリア王女が反応した。

 どうも、二人が注意しても都合の悪い内容は、耳を塞いでいた模様。 ヘクトだけでなくグズーラもそういう性質だったらしい。

 次は和哉が、こう話し出した。


「僕を含めた多くのクラスメイトが、批判の嵐を巻き起こしている時に、空気を読まずに、あいつらがあたかも代表として引き受けると言ったのです」


「それって、スグルお兄ちゃんが言ってた三人組…?」


「そうです。 加瀨(かせ) 謙二(けんじ)赤松(あかまつ) 円治(えんじ)、そして北大路(きたおおじ) (かける)…。 この三人がヘクトに魔族討伐を引き受けると言ったのです」


「予感的中…。 最悪な流れじゃないですか…」


 和哉が話している内容に、アリアは嫌な予感がしたのか、俺が伝えたという三人組じゃないかと予測していたが、それは的中した。

 それを知った有栖も、最悪な流れに表情を曇らす。 俺も頭を抱えるくらいだからな。 後で頭痛の薬を貰わないと…。


「それを聞いた他のクラスメイトや担任が激怒。 さらなる修羅場が起きました。 あいつらは運命だから諦めて引き受けるよと言ってのけてましたが」


「あの願望がそうさせたのかよ…」


「そうさ。 あの主人公最強願望と支配欲がな…」


 あいつらなら、確かに運命だと言って引き受けようと考える。 奴らは魔族が悪とされるライトノベルを読んでたみたいだしな。

 そして、次に話し始めたのは道場さんだ。


「その修羅場の最中に、クラスの委員長の浜坂(はまさか) 悠里(ゆうり)さんが開いているドアをこっそり指差して、そこから逃げるように言われました。 丁度、ヘクトもグズーラも修羅場に頭を抱えていた最中なので、抜け出すのは容易でした」


「浜坂さんが…!」


「ああ。 最悪俺達だけでも魔族退治をさせないようにと考えた苦肉の策だろうけどな」


 ここで幸人たちを脱出させたのが、クラス委員長の浜坂さんだった事が判明。

 有栖もその事実に驚いていた。


「王城から出た僕達は、逃げながら王都の話を聞いてました。 やはり魔族討伐を反対している住民が多数だったみたいです」


「普通はそうだろうね。 でも、中には過激派も混じっているから…」


「人ごみの隙をついて王都から出た僕達は必死で逃げました。 一時間程逃げた先で、ミリアさんとシリルさんに出会い、彼女達がいる場所にて保護してもらいました」


 なるほど、そうやって幸人たちはセシル王子たちと出会ったわけか。 そして、暫くの間保護してもらったんだな…。


「その後は、セシル王子たちによって少しの間鍛えてもらいながら、屋敷を出てこの村に向かったんですよ」


 約二週間の間に、幸人たちはそういう流れを経験していたとはな。 有栖もしんみりとした様子で聞いていた。


「だが、あなた達も知っているように、棒がユキトさん達を保護している間にヘクトが父上を毒殺し、王位襲名を宣言した。 それに反対する者をカズヤさんが言ったような三人組を使って処刑を敢行したようだ」


「やはり、あの公開処刑は赤松たちが関わってたのか…」


 悉く当たってほしくなかった予感は当たってしまう。 あの公開処刑も赤松たちが関わっていた事が確定したからだ。

 さらに、赤松たちの能力がかなりヤバい感じだった事をシリル王女から知らされることになり、ますます頭を抱えてしまった…。


「あいつらの歪んだ願望が、チートじみた能力を得たんだろうな…」


「多分な。 学校でも迷惑掛けても、三人組の中の一人がお偉いさんの息子だからか、学校は知らんぷりしてたからな」


「何それ、最悪だね!」


「そうですよ。 実際に注意した先生が、急に担任から外され他の学校に飛ばされましたからね。 三人組の一人の親が教育委員会に告げ口したんでしょう」


 権力の乱用でいかようにもなれる理不尽な世の中だったからな。 学校もそれのせいで三人組を注意しなくなった。

 とはいえ、これからの生活を守るには、あいつらを倒さないといけなくなったなぁ。



よろしければ、評価(【★★★★★】のところ)か、ブックマークをお願いします。

モチベ維持につながるので…。


次回は明日に更新します。


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