19 クラスメイトと再会しました
いつも閲覧ありがとうございます。
少し遅れましたが、本日も更新しました。
見張り塔で知り合いがキルシュ村に向かっている事を確認した俺達は、北側の出入り口に待機していた。
距離的にももうすぐここに来るだろうとアリアが予測していたからだ。
しかし、見張り塔の案内から知り合いが最上階から発見することが出来たとは奇跡なのだろうか?
「あ、来た! 間違いなくセシル達だよ!」
「穏健派の第二王子のですか?」
「うん、私の弟でもある彼だよ。 あと、第一王女のミリアお姉ちゃんと第二王女のシリルお姉ちゃんもいるね」
すぐに人影が見えたので、アリアが確認したら間違いなくセシル王子とミリア王女、ならびにシリル王女だった。 という事はその後ろにいるのは間違いなくあいつらだった。
「兄さん、あれはやはり…!」
「ああ、幸人たちだ。 あいつら無事に抜け出せたのか?」
「後で聞いてみましょうか」
「そうだな…」
そう言いながら、俺と有栖は先に迎えに行ったアリアの後をついていき、幸人たちを迎えに行く。
「お姉ちゃん! セシル!!」
「アリア姉様! ごめん、忙しい時に」
「いいよ。 事情は知ってるから」
「まさか、ヘクトが最悪の流れを作りに行くとは思わなかったよ。 ギリギリまで調べてすぐにセシルの元に帰ってきたくらいだからね」
アリアがセシル王子やシリル王女と話をしている時に、俺と有栖も幸人達と再会した。
「卓! お前、ここにいたのか!?」
「ああ、あそこにいるアリア王女達に助けられてな」
「そうだったの…」
「羽咋君と道場さんもよくここまで…」
「有栖さんも無事でよかったよ。 私達は色々あってね…」
幸人たち四人は、当時クールな女を演じていた有栖にも仲良くしてくれた友人で、かつそれぞれがカップルとして成り立っていた。
しかし、あの王都からよく脱出できたものだなぁ。
「お兄ちゃん、ひとまず詳しい話は屋敷でしよう。 お友達も疲れてるだろうし」
「ああ、そうだな」
クラスメイトとの再会に花を咲かせていたが、アリアから詳しい話を屋敷でしようと提案されたので、それに乗ることにした。
幸人たちの脱走の経緯も聞きたいしな。
「それじゃ、私の屋敷に案内するからスグルお兄ちゃんのお友達も付いてきて」
「あ、はい…!」
アリアが率先して案内する形となり、慌てて四人はついていく。
そんな様子に俺達は笑いながら屋敷へ帰る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あら、もしかしてそちらの四人は…?」
「スグルお兄ちゃんとアリスお姉ちゃんのお友達だよ。 あと、セシルとお姉ちゃん達も来てるよ」
「まぁ、セシル様とミリア様とシリル様が…! 分かりました。 お茶などを用意します」
「お願いね、クリスタ」
屋敷に帰って来て早々、クリスタさんが幸人たちがいることに気付き、さらにアリアからセシル王子たちが来ている事も聞いた後ですぐに用意をするためにキッチンへ向かった。
「じゃあ、大広間に案内するよ。 階段上るから足元に気を付けてね」
「分かりました」
アリアが幸人たちに大広間に案内する。
この屋敷の大広間は何故か二階にあるので、階段を使う必要がある。
セシル王子たちも後に続いて、大広間へと向かう。 どうも彼らは知っているみたいだな。
俺と有栖も最後尾の方で後に続いて、大広間に入る。 クリスタさんが気になったが、彼女のスペックは高いらしいので大丈夫とアリアが言っていた。 後で休ませるとも言ってたな…。
「じゃあ、まずは自己紹介でもしようかな? 私はアリア・リム・エルネシア。 エルネシアの第三王女かつこのキルシュ村の村長も務めているよ」
「僕はセシル・ラム・エルネシア。 エルネシアの第二王子です」
「私はミリア・リム・エルネシアです。 第一王女かつ弟のセシルの嫁ですわ」
「え? 今とんでもない事を言っていた気が…?」
「後で説明するから、今は落ち着け」
ミリア王女の自己紹介の内容に、何かを感じたらしい幸人が突っ込もうとするが、流石に俺が諫めた。
この辺りも後で説明するからと言って。 確かに当時は俺も驚いてたが、今じゃ有栖と付き合う事も躊躇わなくなった。
「じゃあボクの紹介だね。 シリル・リム・エルネシアだよ。 第二王女で同じく弟のセシルの嫁でもあるよ」
「お嫁さんが二人って、ちょっと!?」
「この辺りも後で説明しますから、落ち着いてください! いいですね?」
「アッ、ハイ」
次のシリル王女の自己紹介にも今度は日下部さんが突っ込もうとしたが、有栖に諫められていた。 その時の有栖の眼光がまるで野獣のそれだったような…?
まぁ、俺達がいた世界とこの世界じゃ、常識なんて違うからな。 戸惑うのも無理はないが…。 というか、幸人たちはセシル王子と一緒にいたのならその辺は聞いてるはずだろうに…。
この時点で驚くという事は、聞いていなかったかその時の自己紹介には言っていなかったか…だな。
「じゃあ、セシル王子たち向けに…、俺は柊 卓です」
「私は柊 有栖です。 卓は双子の兄です。 よろしくお願いします」
「双子さんなのか…。 珍しいなぁ」
「そうだね。 ボク達の世界は双子で生まれた報告は、ここ数十年間全くないからね。 とにかくよろしくね」
この世界では、数十年間は双子で生まれたという報告がないのか…。
ミリア王女も珍しがって俺達をジロジロ見てたな。
この後、幸人たちもアリアに自己紹介をし、これでようやく本題に移ることができる。
そして、クリスタさんが、みんなにお茶を配ったところで、アリアがこう言って本題に入った。
「さて、クリスタからお茶が配られたので、本題に入ろうか」
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次回は明日に更新します。




