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18 あれから二週間経ちました

いつも閲覧ありがとうございます。

本日も更新しました。

「ただいま」


「スグルお兄ちゃん、アリスお姉ちゃんお帰りー」


「採取依頼お疲れ様でした。 夕飯の準備できてますよ」


 あれから二週間。

 俺と有栖は、冒険者活動に慣れたので、二人一組で討伐と採取の依頼を交互にこなした。

 おかげで、ランクもDランクにあがり、ゴブリン討伐の条件を満たしたし、お金もそこそこ貯まってきた。

 だが、それでもまったり生活を送れるわけがない。 まだ、不安要素はてんこ盛りだ。


「南の『ウィクロス共和国』が、ヘクトと勇者達によって陥落されたと知ってから三日か…」


「うん、まさかシリルお姉ちゃんからの通信でそれを知った時はショックだったよ。 本気で魔族と、彼らと和平を望む他国を滅ぼすつもりなのかって」


「しかも、それに私達が警戒していた三人組の中の一人が関わっていたみたいでしたね」


「ああ、確か赤松だったな…」


 そう。

 ヘクト軍が勇者の一人の赤松(あかまつ) 円治(えんじ)と軍を率いて、エルネシア王国の王都『シュクレール』から馬車で3日掛かるとされる、『ウィクロス共和国』の首都『リエルート』が陥落されたとアリアの姉で第二王女のシリルという人から報告があった。

 それを知ったアリアとクリスタさんはショックで村の仕事どころじゃなく、俺や有栖も信じられなかった。

 ギルドの受付嬢さんからも報告が入り、上位ランクの冒険者さん達は見回りの依頼を中心にこなしているらしい。

 さらに、赤松がさっきの件に関わった事についても、受付嬢さんからの情報で知ったのだ。


「しかし、早速やってくれたよな」


「ホントだよ。 さらにセシルの屋敷には『キタオオジ』って人を中心とした部隊が攻めてきたって話だよ。 セシルは保護した脱走勇者と一緒にこっちに向かって来るみたいだけど」


「幸人達が無事だったのは、安心したな」


「そうですね。 本当に良かったです」


 同時に、エルネシア王国の第二王子で和平派のセシルの屋敷が北大路率いる部隊に攻められたという。

 予めセシルは、保護した幸人達と共にキルシュの村に向かう最中だったので、事なきを得たか、家を失った格好だ。

 幸人達が無事だったと知った俺と有栖は、安堵した。 会うのが楽しみだ。


「隣国の『魔法国家アルエス』の首相が、対策の為の会談を設けるみたいだよ。 セシルとミリアお姉ちゃんもそこに呼ばれてるみたいだから、何らかの対策は講じられるとは思うけど…」


「あの三人組の前には無意味な気がしますが…」


「何もしないよりは、遥かにマシだろうな」


「そういう事。 さて、この後は気分転換にデートしようか。 アリスお姉ちゃんも一緒に」


「楽しみです♪」


「やれやれ、お手柔らかにな?」


「では、後片付けは私がしておきますね」


 後片付けはクリスタさんが、進んでやってくれるみたいだ。

 なんか申し訳ない気持ちになりながらも気分転換にアリアと有栖と一緒に出かける事にした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ここが、見張り塔の最上階だよ。 ここは、本来関係者以外は入れない場所だけど、お兄ちゃんとお姉ちゃんはたまにここの見張りをお願いするかも知れないから、案内したんだよ」


「ふわぁ、すごく見晴らしがいいですね」


「確かにガラス越しとはいえ、遠くの場所も見れるのがすごいよなぁ」


 アリアに案内された先は、見張り塔という村の北東に建てられた7階建ての石造りの建物だ。

 村に何かが攻めてきたりしないかを見張る為の建物らしく、最上階は関係者以外は立ち入り禁止らしいが、俺と有栖は、アリアからの頼みでここに来るかもだからと案内されたのだ。

 最上階だけあって、見晴らしが良く遠くから攻めてくる奴らとかを見る事ができる。

 ちなみに、この塔には各階にトイレが設置されているので、見張りが終わるまで我慢しないといけない事はないようだ。


「あら? あそこに人影が見えますね」


「え?」


「どこどこ!?」


「あそこの平原付近です」


 有栖が指差しした先に、俺とアリアも見た。

 確かにそこには、人影がこっちに来るような感じで進んでいた。

 見た感じ、人数は7人。

 そのうちの3人の王族っぽい人達が、4人の少年少女を先導しているみたいだった。

 というか、先導されてる4人…あいつらにそっくりなんだが…まさか?


「先導している3人、セシルとミリアお姉ちゃんとシリルお姉ちゃんだよ!!」


「え、という事はあの4人はまさか…!?」


「間違いない! 幸人達だ!! 昼飯の時にアリアが言ってたようにこの村に向かってるな」


 アリアが、先導している3人がセシル王子達だと判明した事で、あの4人はクラスメイトの幸人達だと分かった。

 彼らは、真っ直ぐこの村に向かっている。


「迎えに行くよ、スグルお兄ちゃん、アリスお姉ちゃん!!」


「はいっ!!」


「ああ、行こう!」


 俺達は、その7人を迎える為に北の出入り口まで行く事にした。

 彼らの進んでいる方角からして、近いのが北の出入り口だからだ。


(幸人、みんな…待ってろよ)


(ホントに無事だったんだね、セシル、お姉ちゃん達…)


 俺とアリアが、それぞれ思う所がありながらも見張り塔から徒歩25分掛けてたどり着いた北の出入り口で、彼らが来るのを待った。


よろしければ、評価(【★★★★★】のところ)か、ブックマークをお願いします。

モチベ維持につながるので…。


次回は明日に更新します。



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