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17 スライム討伐依頼を受けました

いつも閲覧ありがとうございます。

「さて、まずはスライム討伐だね」


「ゴブリンとかじゃないんだな」


「徒歩で25分程度の近場だと、生息する魔物はスライムくらいだよ。 強くはないし、初めての討伐依頼にうってつけだからね」


 昼過ぎ、ギルドでアリアが一つの討伐依頼を引き受けた。

 それが、スライムの討伐である。

 キルシュの村から徒歩でその現場に向かう事ができ、基本的に弱いので初の討伐依頼をこなすにはうってつけらしい。

 受付嬢さんにカードを掲示し、今回の依頼を読み取りして貰った。

 これで俺や有栖もスライムの討伐に参加できる。


「スライムやアルミラージは、基本的に弱いからランク制限がないんだよ。 スグルお兄ちゃんが言ったゴブリンはそこそこ強いから、Dランク以上じゃないと受けられないんだよ」


「ランク制限があるんですね」


「てか、ゴブリンってそこそこ強いのか…」


 討伐依頼にランクによる制限があったのか。

 アリア曰く、余計な死者を出さないようにという理由での処置らしい。

 確かに身の丈に合わない形での魔物の討伐は、死の危険性が高いからな。 仕方がないだろうな。

 特に俺と有栖は、リカントというアクシデントを除けば、これが実質初の討伐依頼だ。

 ランク制限が掛からない魔物を相手にしっかり経験を積まないといけない。

 小遣い稼ぎとまったり生活と、愛する有栖を守る為に。 そして、いつかはアリアとクリスタさんを守れる強さを手にする為にも。


「準備が終わり次第、現場に向かうからトイレとかは済ませておいてね」


 アリアは既に準備を終えたらしく、後は俺と有栖のみらしい。 有栖はトイレに向かったので、俺も剣を用意しよう。

 ちなみに俺と有栖は、汚れてもいいような服装に着替えている。 戦闘になるので特に汚れやすいからだ。


「お待たせしました」


「うん、それじゃ現場に行こう」


 トイレから戻って来た有栖と共に、俺とアリアもスライムが生息するという現場に向かった。

 今回のスライムの討伐数は5匹。 場所は北へ徒歩30分程度の平原地帯だ。


「さて、着いたよ」


「うわぁ…、マジでスライムがいやがる…」


「本当ですね…。 何と言うか気持ち悪い感じです」


「それでも、経験を積むためにまず倒さないといけない相手だよ。 サポートするからやってみよう」


 アリアが後方に下がり、俺と有栖で一応スライム討伐を行う事になった。

 スライムがこちらに気付き、襲い掛かって来る。


「せぇいっ!!」


 俺は『マルチウェポン』のスキルのおかげである程度扱えるようになった剣を振るって、スライムを攻撃する。

 しかし、ぶよぶよの身体に阻まれ思う以上のダメージが与えられない。


「コアを狙って! 剣でも突き刺せるから!」


「そうか、うりゃあっ!!」


 後方のアリアのアドバイスで、スライムのコアを狙って剣で一刺しする。

 すると、ぶよぶよの身体ごとコアに届き、その勢いで破壊される。


「ファイア!!」


 そこに後方の有栖が『ファイア』の魔法で、コアが壊れたスライムを焼き尽くしていく。


「いいよ、その調子!」


 アリアの応援もあってか、この調子でスライムを倒していく。 コアを壊しさえすれば、簡単に止めが刺せるからだ。

 有栖も覚えたての魔法で、俺の援護をしてくれるからありがたい。


「あと1匹…!!」


 そのスライムもあと1匹になったので、油断しないようにコアを目掛けて剣で突き刺そうとしたが…。


「なっ…!?」


 スライムがジャンプして回避した。 そのまま俺の頭上を越え、狙いは…有栖だった。


「アリスお姉ちゃん!!」


「え、きゃあっ!!」


 アリアが叫ぶが、スライムが事前に何かの液体を有栖に目掛けて放っていた。 有栖が杖でガードしようとしたが、間に合わず液体を浴びた。

 このスライムの液体は、溶かす力は備わっていないということなのだが、それでも有栖を狙われたのは腹が立ったので、勢い任せでスライムのコアを突き刺した。

 その直後にアリアの『ファイア』でスライムを焼き尽くしたのでこれで5匹全てを倒した事になる。


「有栖、大丈夫か…?」


「ふえぇ、ベトベトですぅ…」


「「エッッッ!!!」」


 液体を浴びた時に尻餅をついたようで、その格好とベトベトになった液体が全身を浴びていたことも相まってかなりセンシティブな感じになっていた。

 特に、短いスカートで三角座りのような格好なので、スカートの中が見えそうになっている状況だ。

 アリア視点では見えてるのだろうけど。


「とにかく、『クリーン』の魔法でそのベトベトの液体を除去するね」


「お、お願いします…」


 少し残念な感じではあるが、このままでは他の者にも見られるので応急で『クリーン』の魔法で有栖に浴びせた液体を取り除いた。


「まぁ、ひとまずスライム討伐は完了したし、ギルドに報告しようか」


「そうだな…、有栖は大丈夫か?」


「はい、アリアちゃんのおかげでひとまずベトベトは取り除かれましたから」


「でも、屋敷に戻ったらお風呂に入ったほうがいいよ」


「そうですね…」


 討伐依頼の初戦は、最後に有栖が攻撃を受けてしまったが、何とかスライムを倒すことはできた。

 ひとまず報告をして、報酬を貰ってから屋敷に帰って寝よう…。



よろしければ、評価(【★★★★★】のところ)か、ブックマークをお願いします。


モチベ維持につながるので…。


次回は明日に更新します。

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