2回目のこどもたち
※転生、転移もの、乙女ゲームものを描いてみたくて挑戦したけど、ムズカしさを実感しました。
広間からテラスへと続く扉は、広く開け放たれていた。
テラスの先は、庭園へと続く。美しく整えられた芝生に、並べられた白い丸テーブル。それは不規則な並びに見えて、美しい花々を愛でるための計算しつくされた配置になっている。
整えられたお茶会の席。
それが特別なものであることは、設えられた調度品を見れば一目瞭然だ。揃えられているのは、シンプルだがどれもこれも一級品。そして。
どれもこれも、なんか、ちょっと小さかった。
(なんだろう・・・ここ、天国じゃないかしら。)
ユイは、給仕をするために設けられた端っこのスペースで、茶葉の準備をしながら思う。テーブルは、ユイが使うには高さが低すぎて、茶を一つ注ぐにもなんだか無駄に力が必要だが、そんなことは些細な問題だ。
「おかあさま、おむかえにはいらっしゃる?」
「ええ。お迎えには、お父様も来られるわよ?」
「ほんと?わあい!」
ぴょんっと、女の子が可愛らしく跳ねる。栗色の柔らかな髪を可愛く巻いて、左右には可愛らしい髪飾り。ドレスは若草色のベルライン。ぽっちゃり系だが、整った顔立ちのお嬢様。くりくりした目はきらきらと輝いて眩しいくらいだ。
「まあまあ、リーナ。私の可愛い淑女。今日は、お行儀よくね?殿下もいらっしゃるのだから。」
「うん!りーな、頑張る!」
元気いっぱいな小さい淑女に、母親なのだろう、おっとりと品のよい貴婦人がどこか困ったような笑みを浮かべる。うん、期待するほど行儀よくはできないかもだけど、大丈夫!しっかりサポートさせていただきます!
ユイはこっそりとリーナちゃんにエールを送った。
本日は、選ばれし小さな紳士淑女たちのお茶会。
参加資格があるのは、大体五歳くらいから十歳くらいまでの正式デビュー前のご令息、ご令嬢である。
給仕する侍女たちと、護衛の騎士以外、大人は出入り禁止だ。
(ああ、どこもかしこも天使だらけ・・・・。)
ユイは、感動に打ち震えた。
貴族というのは、美男美女が多い。その子供たちは、本気で可愛い。小さな手でドレスをつまんで、可愛らしくお辞儀をし合う少女たち。カーテシーとかいうやつだ。少年たちが、そわそわとしながら、エスコートする姿も眼福である。
(わああ、お肌ピッチピチ!かわい!仕草も!なんって、可愛いの!)
ふと視線を感じたので、見ると黒髪の護衛騎士が、こちらをじっとり睨んでいる。しまった、頬が締まりなく緩んでいたらしい。
(いや、でも、睨まれるほどではないと思うんだけど。よだれは出てない・・・・ないよね?)
不審者と判断されてこの場を追い出されるのは嫌だ。ユイは表情筋に命じて顔を侍女らしく整える。
ユイの担当はお菓子と紅茶の給仕である。自慢じゃないが、ユイの煎れる紅茶は旨い。彼方では、紅茶ソムリエの資格を持っていた。本来、侍女の仕事は用意された紅茶を注ぐだけなのだが、特別にこの場で茶葉から給仕することを許されている。
(ストレートが一番うまいと思うんだけど、子供の味覚は、ちょっと違うからなー。)
用意した茶葉は、カフェイン抜きの特別製だ。さらに、柑橘系のフルーツティーも準備した。はちみつやジャムは数種類。ミルクもある。抜かりはない。フルーツティーは見た目も華やかなので、大人気だ。
「わああっ!」
リーナちゃんが目をきらっきらさせて、お菓子を見つめる。
「こ、これはタルトタタン!このロールケーキもおいしそう!・・・あれ、え?これ、バスクチーズケーキ??」
小さいのに詳しいなー、と思って聞いていると、ユイを見た途端、リーナちゃんが動きを止める。
「黒髪・・・・黒目・・・・。」
なんだろう。確かに、ユイの髪は黒い。目の色も黒だ。でも、珍しいというほどではない。まあ、この国の人たちと比べると、若干、顔面の作りが薄いとは思う。だが、異国人など見慣れているはずだ。王国は、陸海共に大陸の貿易拠点になっていて、血統を重んじる貴族にさえ、混血が存在するくらいなのだから。
疑問に思いながらも、ユイは微笑みに感情を隠し、リーナちゃんに声をかけた。
「お嬢様。お飲み物はどうなさいますか?」
「え!あ、うん、紅茶ストレートで!」
おお。小さいのに砂糖もミルクもなしとは。通である。注文の仕方がなんだか酒バーだが。たくさんのケーキを食べてみたいとご要望なので、小さく切り分けられたケーキをさらに小さくする。
「・・・・・・。」
「あの、なにか、ありましたでしょうか?」
「え!う、ううん!・・・・・なんかそのう、落ち着く顔だなあって思ったの!」
「・・・・・ありがとうございます?」
落ち着く顔、というのは、どういう顔だろう。褒められてはいない気がする。
ちょっと引っ掛かりを覚えるが、許そう、可愛いし。リーナちゃんはどこかほわほわしていて、なんか見てると癒される。ケーキを頬張る姿は、超かわいい。
さて、・・・そろそろ、出席者が揃う頃だろうか。
今日のお茶会には、王太子ヨーク公アルバートの第一子、ルーカス殿下がご出席される。王太子の長子だから、順当にいけば、次の次の王。だから今日のお茶会は、警備とか料理とか、参加者の気合とかいろんなことが増し増しなのだ。
まず、入ってきたのは二人の少年だった。
もうほとんど大人と変わらない、背の高い少年。燃えるような赤い髪が特徴的だ。
「あれは騎士だんちょうの息子ね・・・・。」
リーナちゃんの呟きが聴こえる。ふうん、あれが、英雄として名高いラッセル騎士団長の息子か。たしか、10歳。
「・・・と、さいしょう次男。」
詳しいな、リーナちゃん!もう一人は、濃い藍色の髪と、褐色の肌を持つ。異国からその異才を買われて宰相となったオクセンシェルナ伯爵の次男だ。こちらは、確か8歳。
そしてその後ろから、金髪碧眼の絵にかいたような王子様(8歳)が現れる。
二人の少年が左右に立ち、立ち止まると、ざっと、皆が一斉に頭を下げた。
「・・・みな、らくにせよ。せっかくの茶会だ、わたしのことは気にせず、たのしむがよい。」
緊張した空気が、ふっと軽くなる。王子さまと二人の少年は、皆が顔をあげるのを待って、会場をぐるりと見渡した。
「・・・・・。いないのか・・・・・。」
ぼそりと呟く声に。
「へんですね。ウィリアムがぜったい連れてくるって言ってたのに。」
「・・・・・・。」
自慢じゃないが、ユイはとても耳がいい。
離れていても、呟く声を正確に拾ってしまう。
どうやら、殿下お目当ての子が来ていないらしい。
ルーカス殿下をこんなに間近に見るのは初めてだ。ユイは、王宮付きの侍女ではない。今回のお茶会のためにヘルプで雇われた臨時である。厳しい採用試験、その後の恐怖の詰め込み研修を乗り越えて、ここに立っている。
王太子アルバートは文武に優れ、賢王の素質ありと言われている。王太子妃も美しく聡明だとか。それがたとえ、王家に尊敬を集めるための盛った話だとしても、その美貌に関しては真実であろうとユイは思う。
(だって、息子がこんなきらきら系王子さまだし。)
間違いなくイケメンに育つであろう。だが、ユイにとっては現在の姿こそが至高である。
お付の少年二人も、いい。
武闘派と知性派。精悍と繊細。情熱と冷静。素晴らしい対比!
それが未完成、未成熟な状態で目の前に!すばらしいっ!
(ああ!スマホがっ!カメラが使えればっ!)
そんなものをこの場で出せば、不審者どころか、危険分子と判断されてその場で処罰されかねない。目と記憶に焼き付けるしか、ないのだ。なんてことだ。
「おそくなりまして、もうしわけございませんっ!」
焦った、幼い声が会場に響いた。
現れたのは、クルクル巻いた茶髪の美少年。そして、その幼い手に導かれた、一人の少女。
殿下より遅れてくるとは、と向けられた非難の視線は、すぐに陶然と、心を奪われたものへと変化する。
緩やかにウェーブを描きながら広がる銀糸。いや、白金だ。天窓から取り入れられた光を受けて、一本一本が神秘的に煌めく。白磁の肌。ぱっちりと、だが、細く流れるような印象の涼やかな目元。目鼻立ちははっきり、だけど目立ちすぎない、完璧な配置。
(うっわあ!超!絶!美少女おお!!!)
ユイは喝采した。心の中でだ。表情筋はキープしてある。鬼の研修の賜物だ。
緊張しているのか、美少女の緑と碧とを複雑に織り込めたような瞳が、どこか不安げに揺れている。飾り気のない水色のドレス。それがかえって、神秘性を増していた。
「あれが悪役令嬢・・・・・・。」
リーナちゃんの、ぽつりとこぼれた単語を拾って、ユイは首を捻る。
(悪役?悪役って感じでは、全然ないけれど・・・・。)
ユイは美少女を観察する。
きょろきょろと動く目。あれは、緊張というより。
(・・・・・・・怯えてる?)
そのとき会場は、かなり静かになっていたと思う。だから、その時突然、ダダダダッと響いた足音はかなり目立った。
「え、えりざべす!」
「ひ、ひいっ!」
ずささっと身を投げ出す勢いで、超絶美少女の前に飛び出す、3人組。そのまま、床に頭を擦り付けるその恰好は、どう見ても土下座である。
「す、すまなかった!」
「あ、あやまってすむことではないとは、わかっていますが・・・。」
「どうか、あやまらせてくださいっ!」
・・・なんだ?何が始まった?
子供たちも、侍女も護衛も、皆動きを止めて彼らを見つめる。
「・・・あねうえっ!僕も!」
エスコートしていた少年までもが、彼女の前に跪く。
「ウィリアムから聞いてる。きみは、前回のきおくがあるそうだな。」
蒼ざめた顔の王子様が顔をあげて言った。
・・・・・前回?
「実は、わたしもおぼえてるんだ。」
「・・・えっ」
「わたしもです。」
「わたしも。」
「僕もです、あねうえ。」
「・・・・マジかよ。」
と、リーナちゃんが呟いた。・・・リーナちゃん?
「前回、わたしは、きみと婚約していたにもかかわらずっ、他の女にうつつをぬかして、きみをうらぎった!しかもあろうことかきみに、え、えんざいをかけて、死なせてしまった!」
・・・妄想?設定かな。
うつつを抜かすとか、冤罪とか、意味わかって使ってるんだろうか。
ぐるりと周りを見渡すと、この場にいることを許された大人たちが、何とも言えない微妙な顔をしている。
そりゃそうだ。まだ、婚約者も決まっていない子供な殿下が、他の女にうつつを抜かしてごめん、と謝っているのである。
「きみが死んで、わたしたちにかけられてたまほうがとけて・・・・。それから、どうなったのか・・・気がついたら、子供の頃の自分にもどっていたんだ!」
「わたしもです。」
「わたしも。」
「僕もです、あねうえ!」
「・・・ええぇ。そのパターン?」
・・・どのパターンですか、リーナちゃん。
そうか!これは、きっと余興なのだ。
殿下は、茶会に参加する子供たちの緊張をほぐすために、芝居をしていらっしゃるのだろう。
「エリザベス。どうしてこうして、みんながもどったのかわからないけれど、今度はもう、けっして、きみをひどい目に合わせたりしない!あんな女に操られたりするもんか!」
「・・・・っ!うそよ!」
エリザベス嬢がばっと顔をあげる。その目には、うるうると滲む涙。
泣き顔がキレイ、という美形特権を余すところなく発揮しているが、彼女は確か7歳である。
「うそよ、うそよ!しんじないわ。あなたたち、みんな、わたしのことを信じてくれなかったっ!もう、もうあんなことはたえられない。たえられないわ!」
よよ、と崩れ落ちるエリザベス嬢。(7歳)
浮気に冤罪、そして死からの、死に戻り。
どうでもいいが、内容が少々ハード過ぎやしないか。
(どうせ余興なら、もうちょっと子供受けする英雄譚的なヤツとかにすればいいのに。)
そう思ったが、リーナちゃんはそれはそれは爛々とした目で見入っているので、こーいうのが流行りなのかもしれない。さすがは、貴族。ませてる。
「エリザベス!どうか、どうか、しんじてくれ!」
「エリザベスさま、おねがいです。」
「あねうえ、どうか!」
各種美少年たちが、悲壮な表情で美少女にすがりつく。
美しい絵図だが、なんというか、微妙な感じである。
ユイは、もう一度会場を見渡した。動くやつはいない。そうだよね、この子達、最高権力の子供だもんね。見守るしかないよね。
「・・・・っ!いいえ!まほうにかかってしまったらきっと、同じことになるわ!」
「・・・それは。」
「そんなことにはならないわっ!」
そこに、だああーん、と力強く踏み入ってきた女の子。
身につけているのは、質素なワンピース。桃色の髪をおさげにしていて、めちゃくそ可愛い。
けど、おい。ここの警備はどうなってる?
「え、平民の子?」
「お、おい、どこから入ってきた?」
護衛どもがあわあわとし始めるのを気にもせず、彼女はずかずかとやってくる。
「お、おまえは!」
「ク、クラリスか!」
睨みつける少年たち、青ざめるエリザベス嬢。そして。
「うっそ、ついに、ヒロイン登場・・・。」
呟く、リーナ。
ヒロイン・・・・?
「そう、わたし、クラリスよ。そしてわたしも・・・おぼえているわ!」
「なんだって!」
「そんな!」
「でも聞いて!あなたたちを、あやつったのはわたしじゃないわ!いんまの女王よ!わたし、5年後に、アイツに身体を乗っ取られてしまうの!」
さらなる設定がもたらされた!
驚愕の事実だったのか、子供たちが目を見開く。
どうしよう、わたしも驚いてみせた方がいいのだろうか。
ってゆーか、いんまって淫魔?お子様には、聞かせちゃいけないんじゃないの?
「身体を乗っ取られていただと!そんなこと、しんじられるものか!」
「そうだ、そうだ!」
「・・・べつに、あなたたちに信じてもらえなくてもいいわ!・・・あんな、脳みそからエロエロの女に、あんなあっさり、ろうらく、されたあなたたちになんかにねっ!」
ろうらく・・・篭絡かな?
子供なので仕方がないが、ちょいちょい単語がきちんと言えてない。
痛いところを突かれたのか、少年たちはぐっと言葉を詰まらせた。
「でも、エリザベスさま・・・・。」
「・・・・・・クラリスさま・・・・?」
「しんじて、なんてむしがよいのはわかっています。でも・・・。」
桃色少女はうるうるとした目を、銀髪美少女に向ける。見つめ合う美少女二人。
「自分の体が、思う通りに動かない。つらくて、苦しくて。そんなわたしにとって、あなたの姿を見ることが、声をきくことが、ゆいいつの幸せでした。それなのに、それなのにっ!」
少女は、自分のおさげを掴み、それから取り出したナイフでバッサリそれを切り落とす。
「・・・・っ!」
驚き、見つめる子供たち。
「わたしは、ちかう!もうけっして、あんな色気ババアなんかに負けたりしない!鍛えて鍛えて鍛えまくって、返り討ちにしてみせる!・・・・エリザベスさま。」
平民少女は、おさげを串刺ししたナイフを床に突き立てて、跪き、自由になった手をエリザベス嬢にのばした。
「わたしの剣を、あなたにささげます!」
・・・・それ、果物ナイフだと思うけど。
桃色少女は、エリザベス嬢の手を取って、その手の甲に恭しくキスをした。
騎士の誓いである。しかし、誓いを立てているのは、女の子だ。しかも、たぶん6歳くらいだ。
桃色少女はとてつもなく可愛く、まだまだ中性的なお年頃、短くなったその髪から、美少年に見えなくもない。だからまあ、絵面としては悪くないわけだが、登場人物が皆ちっさいので、やっぱ、何か微妙である。
ユイはまた、会場を見渡した。黒髪の護衛騎士が、こちらを見て、なにやら小さくジェスチャーを見せる。
(何とかしろ?え、無理でしょ?)
これ、どうやって終わらせればいいの?
ってゆーか、オチはどこ?ココでいい?
助けを求めて周りを見れば、他の護衛や侍女たち、女官長までもがこちらをみて、なんだか優しく微笑んでいる。なに、その笑顔。
音にはなっていないが、ユイには聴こえた、彼らの声が。
大丈夫、貴方ならきっと!
信じているわ!
もしものときは、骨は拾ってやるから!
『任せたぞ!!!!』
(・・・・・嘘でしょ。)
確かに、立ち位置はユイが一番近い。でも、ユイは単なる侍女だ。雇われだ。殿下の不興など買おうものなら、すぐさま首がとぶ。
これが、殿下方の考えた余興であるとして、それに水を差すのはまずい。このまま、はずしちゃった感を残すのもヤバイ。なんとかいい感じで、収束させなければならないのだ。ムズイ。
ええと、えと、ええっと・・・・?
「つ、つまりっ!皆さまが為すべきことは、その淫魔の女王を討伐することですのねっ!」
ユイは言った。
ちょっと上擦った。それくらいは許してほしい。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・確かに。」
「・・・・・・・そうね。」
「そうですわね・・・・。」
よっし!話に無事にはいれたぞ!
うっわ、選りすぐりの美少年と美少女が一斉にこっちを見てるぅ!クッソ可愛いんですけど!
「お話では、その悪女が行動を起こすのは5年後。ならば、まだ、時間はたっぷりあります。ならば!前回の悲劇を繰り返さないためにも、皆さまが協力し合い、備えればよいのではないでしょうかっ!」
だらだらと、冷たい汗が流れてる気がする。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・そうだな。」
「・・・・・・・そうね。」
「そうですわね!!」
よし!
「ではっ!さっそく作戦会議と参りましょう!皆様、こちらへっ!」
ユイの先導につられ、美しすぎる子供たちが移動を始めると、わあっと拍手喝采が起こる。
「がんばってくださいっ」とか、「ごぶうんを!」とか言ってくる子がいたが、移動先は隣室だ。討伐に旅立つのではない。
子供たちの「前回」が、本当にあったことだとか。
リーナちゃんが、彼方の前世の記憶を持っていることだとか。
この世界が、何とかっていう恋愛ゲームに、設定そっくりなこととか。
ユイが、「佐名森」という、彼方のとある国の苗字を持ってることだとか。
答え合わせまで、あと少し。
とゆーことで、全員フラグクラッシャー。
以下、簡単に登場人物設定です。
佐名森 ユイ 侍女(臨時)
転移者。英国のナニースクールに通っていた。ショタコン。考えているようで考えていない。本人は決して認めないが、ブラコン。
佐名森 カイ 黒髪の護衛騎士(臨時)
転移者。ユイの兄。自他ともに認める脳筋。武道オタク。本人は決して認めないが、シスコン。
リーナ・アスター
転生者。子爵家長女。恋愛ゲームとしてのこの世界を知っている。が、モブ。
エリザベス・ブラッドフォード
二回目。ブラッドフォード公爵の長女。恋愛ゲームとしては『悪役令嬢』。世界の役割としては『聖女』
一回目では『悪役令嬢』として冤罪をかけられ、非業の死を遂げた。
ルーカス・アーサー・オブ・ヨーク
二回目。恋愛ゲームとしては『攻略対象』父である王太子ヨーク公アルバートの長男。一回目では、魅了により、婚約者を裏切り死に追いやった。
ウィリアム・ブラッドフォード
二回目。エリザベスの弟。同じく『攻略対象』
アクセル・オクセンシェルナ
二回目。宰相の息子。『攻略対象』
ジュード・ラッセル
二回目。騎士の子。『攻略対象』騎士は基本一代限りだが、ラッセル卿は英雄として特別に、その子にも英才教育をさせるため、貴族に準ずる地位として扱われている。
クラリス・ノーヴァ
二回目。恋愛ゲームとしては『ヒロイン』。世界の役割としては『勇者』
一回目では幼少期に「淫魔の女王」に身体を乗っ取られた。