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追憶令嬢のやり直し。  作者: 夕鈴
二年生

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第五十二話 後輩取り込まれる

1年3組でステラとアナ達と共に昼食をとることが日課になりました。リオが同席するのは気にしません。

アナ達は喜んでますがリオのファンに目をつけられないように気をつけないといけません。


「レティシア様はどんな人が好きですか!?」


アナに生前と変わらない無邪気なにっこり笑顔を向けられます。


「私はステラやアナ達が好きですわ」

「男の人は!?」


女の子は恋の話題が好きですね…。私はあまり興味はありません。


「お兄様が一番ですよ」

「どんな人と結婚したいですか?」


お淑やかなリナが一番目を輝かせてます。


「お父様が選びますが、誠実で優しくて家を大事にしてくれる方がいいですわ」

「レティシア、大事にするよ」


ふざけた笑顔で私の手を握るリオの手を解きます。


「恐れながら誠実という言葉をお勉強してください」


アナ達がさらに目を輝かせているのでため息をこぼします。

放っておいて食事をしましょう。今世のリオの言葉は相手にするだけ無駄です。私は取り巻きの一人になるなんてごめんです。


「レティシア様、私もご一緒させてください!!」


アリス様が愛らしい笑顔を浮かべて来ましたわ。アリス様はアナ達と友達になりました。アナ達は恋の応援隊を結成したそうです。ノア様とアリス様を応援する姿は可愛いです。可愛い後輩のためにアリス様にはノア様がうちの領を訪ねる時は教えてあげます。アリス様をお招きしてノア様や騎士達に差し入れを配る手伝いをしてもらっています。ノア様も最近はアリス様への警戒が緩んでいるようです。アリス様が逃げられなくなったと喜んでますが、どういうことなんでしょうか・・。多少の援護はしますが深くは関わるのはやめましょう。恋の形は人それぞれです。

食事を終えて教室に戻ると視線が集まってます。


「ビアード様、公爵令嬢として恥を知るべきですわ」


マートン様の嗜める言葉に意味がわかりませんがそのままお返しすべきでしょうか?でもお相手するのは面倒ですわ。


「はい?」

「後輩に魔法で攻撃するなんて」


魔法で攻撃することはマートン様にだけは責められたくありません。マートン様は魔法の授業でいつも私に事故を装い仕掛けてきます・・。迎撃するので問題ありませんが。


「私は訓練以外で魔法で攻撃しません」

「あら?昼休みに姿を消してたのは知ってますわ。呼び出していたんでしょう」

「食事に誘われて席を外しておりました。何か勘違いされてませんか?」

「レティシア様は私とずっと一緒でしたわ。」

「レティシア、ステラ、移動しよう。授業に遅れる」

「レティシア様、急ぎましょう」

「え?失礼します」


午後は武術の授業のため移動しないといけません。急かされるのでマートン様に礼をしてフィル達と移動しました。

マートン様はよくわからない言いがかりが多いんです。


「最近、色々言われますがどうしてでしょうか」

「勘違いだろう。言いがかりをつけることが趣味だから仕方ないだろう」


フィルのマートン様の認識に噴き出してしまいました。もし何かあればクロード殿下から呼び出しとお叱りの言葉があるから大丈夫でしょう。


***

私はアナ達に魔法の指導をしてほしいと頼まれエイベルに頼んで訓練の森の泉の予約を取ってもらいました。離れた場所でエイベルも訓練指導をしているので、監督生の存在を確認されたら呼びにいきます。私も監督生の資格が欲しいのですが、試験に受かる気がしません。


「レティシア、アナ達が都合がつかなくなったと伝言を頼まれた」


アナ達を待っていたらリオが来たので驚きました。

アナ、リオにお使いさせるなんて何を考えてますの!?物怖じしない子ですが遠慮を覚えてください。平等の学園でもリオは先輩ですよ。


「ありがとうございます」


礼をしてエイベルの所に行きましょう。


「時間があるなら、付き合ってくれないか?」

「はい?」

「強くなりたいんだ」


リオの言葉に目を丸くしました。


「エイベル達と合流しますか?」

「魔法を教えてほしい。サイラスがレティシアの魔法の腕は凄いって言ってたから」

「わかりました」


武術に優れるサイラス様に褒められたのは嬉しいです。ビアード公爵令嬢として強くなりたいと願う者がいるなら手を貸すべきです。

私は今世のリオの魔法の腕を知りません。

アナ達のために用意していた道具から球を取り出します。

球に三重の結界をはります。


「結界を壊してください」


リオが結界に風魔法を放つ様子を見守ります。この結界はフラン王国で主流の結界ではありません。

今世は結界の勉強に力をいれました。

結界にも種類があり、壊し方もそれぞれ違います。フラン王国は強引に力で壊れる結界が主流です。結界の構築も簡単ですし、扱いやすいので他の結界のことは授業では教えられません。ただ自分よりも魔力の強い者の結界から逃げられないのが弱点です。結界は自分の身を守るためのものなので、他者の結界を壊す訓練は座学のみで魔法の授業で実践はしません。結界が人を閉じ込めるために使われる可能性は危惧されていません。

強力な魔導士の結界も万能ではありません。強い魔力で作られた強固な結界にも綻びがあるときがあります。綻びを見つけて一点集中で魔力を注ぎ込めば結界を壊せます。自分よりも強い魔導士からも逃げられる可能性ができるので、魔力の弱い生徒にはこの方法で訓練させます。魔力量が少なくても緻密なコントロールを身に付ければ魔導士として貴重な戦力になります。


この球を囲んだ結界は一か所だけ綻びがあるので、そこに魔力を注ぎこまないと消えません。綻び以外に風の魔法を当てれば、結界に吸収されるので、壊せません。

いつの間にか1つ目の結界は壊していました。


次の結界は攻撃しないで、観察してますね。

2つ目の結界は結界と同等の魔力で攻撃しないと跳ね返るようになってます。多すぎても少なすぎても解除できません。結界に使われている魔力量を見極めないといけません。水魔法は防御に優れるので風や火よりも種類豊富な結界を作れます。

2つ目も壊せたましたね。3つ目は単純な結界なので、強い魔力で攻撃すれば壊れます。

魔法の基本操作は身についているので、下級生達よりも時間がかかりませんでした。やはり公爵子息は優秀ですね。

結界が壊れて球からお菓子が出てきてリオが目を丸くしています。ご褒美に用意したのに残念です。


「流石、マール様お見事です。よければ、おやつにどうぞ。」

「ありがとう」

「いえ、次は魔石を手のひらサイズで純度の高いものを作ってください。時間がかかっても丁寧にお願いします」


リオの作った魔石を受け取ります。公爵家としては合格ですが魔力の操作が甘いです。エイベルのほうが純度が高いです。


「魔力を均一にこめる練習をすればもっと純度が上がります」

「均一?レティシアの魔石は…」


魔石を作ってリオに渡すと目を見張りました。

ポケットの中からエイベルとフィルの魔石を出して並べます。


「マール様でしたら、この程度は訓練をすれば簡単に作れます。魔石作りで魔力のコントロールの精度が上がれば魔法の幅も広がります。魔石はただ作ればいいわけではありません。毎日一つだけ集中して作成した魔石を比べれば違いがわかると思います。魔法も地道に鍛錬するしかありません」

「レティシアの純度は超えられる?」

「マール様次第ですわ。エイベルはコントロールが甘いので力任せです。フィルはコントロールは上手いですが魔力量が少ないので大きい物は作りません」

「これ貰ってもいいか?」

「構いませんが、治癒魔法を付与しますか?」

「いや、これでいい」

「どうぞ。フィルの魔石もいくつか譲りましょうか?」

「レティシアのだけでいいよ。魔石をもらっているのか?」

「はい。私用と後輩達の指導用に。魔力のない後輩には魔法陣を教えているので、その時に使わせてもらっています。魔石を作りすぎたと皆様がくださるのでありがたいです」

「俺の魔石ももらってくれる?」

「風の魔石はエイベルがくれるので、お気遣い不要です」

「君の好きに使っていいから、俺のも受け取ってくれないか」


連日魔石を作れば貯まります。リオには大量の魔石は必要ないかもしれません。魔石は幾つあっても困りません。


「不要ならありがたくいただきますが、お礼はしませんよ」

「いらない。時々、魔石の評価を聞かせてくれないか?」


誰かに成果を認められるのは大事ですよね。生前はリオに褒められるのは嬉しかったです。期待のこもった顔に頷きます。


「わかりました。そろそろ終わりにしましょう。私はこれで」


礼をしてエイベルの所に行くことにしました。

さすがに連日魔石を見せに訪ねられるとは思いませんでした。訓練を続けていることは評価しますが、教室に魔石を見せに訪ねるのはやめていただきたいです。


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