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追憶令嬢のやり直し。  作者: 夕鈴
学園編 一年生

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第三十四話 後編 武術大会

武術大会二日目を迎えました。個人戦です。

昨日の団体戦で毒物の混入がありましたが今日はそんな不正は許しせません。

私は控え室の管理を任されました。もちろん持ち込んだ道具に不正がないかの確認も忘れてはいけません。


「ステラ、レオ様ありがとうございます」

「レティシア様と一緒に過ごせるだけで充分ですわ」

「ステラは相変わらずだな」


瞳と髪の色を変えたレオ様が笑ってます。レオ様はステラとフィルともお友達です。フィルとは一緒に訓練をしています。

ステラには魔道具の眼鏡をかけて持ち物の確認をしてもらいます。レオ様には控え室全体の見張りをお願いします。マナには飲料と補助食の差し入れの傍に控えさせ、私は進行をしながら、必要なら治癒魔法をかけます。

私達の食事も別で用意してあります。私は大会が終わるまで控え室を出ません。絶対に不正を許しません。


「レティシア、何も仕掛けられてない」


レオ様が調べ事が得意なので、控え室を調べてもらいました。頼もしくありがたいです。

いつの間にか選手達が控え室に入ってきました。すでに皆様は競技場で説明を受け予選を突破しています。会場の参加者達にロベルト先生とエメル先生が魔法で攻撃し、場外に飛ばされなかった方々が予選突破です。昨日と比べものにならないほどの大人数です。

本戦は1対1の手合わせです。武器か選手を場外に出すか降参の言葉を引き出せば勝利です。もちろん殺しは禁止です。

声を大きくする魔道具を手に持ちます。


「予選突破おめでとうございます。控え室担当の生徒会役員のレティシアと申します。初戦の前に係の者が道具の確認を致しますのでご協力お願いします。体調不良やお困りの際は声をかけてください。ご武運をお祈りしております」


礼をして、魔道具を片付けます。


「レティシア、ビアードの名前を言えよ」


珍しくフィルが顔をしかめてます。


「公爵令嬢相手に気安く声は掛けられません。平等の学園に家名は不要ですわ」

「しつこく絡まれたら声をあげろよ。誰かしら」

「ステラに伝えてきますわ」


慌ててステラに伝えると愛らしい笑みで頷いてくれました。この可愛いステラに手を出す者がいたら魔法で攻撃しますわ。ステラに私の生徒会から支給されている笛を首から下げさせました。人に渡すことは禁止されてますが控え室内なので、目を瞑ってもらいましょう。

顔色の悪い生徒に声をかけましょう。


「大丈夫ですか?」

「あ、えっと」


目の下に隈があり眠れなかったのでしょうか・・。

手を取って体力回復の治癒魔法をかけます。


「ご武運を」


目の下の隈は取れたので大丈夫ですね。ぼんやりしていますがこれ以上はできることはありません。

次の試合の選手を呼び出して、競技場の入り口前の控え選手用の椅子で待機してもらいます。

ステラは手が空いているので呼び出しも引き受けてくれると言うので任せました。私にお任せくださいと見つめられると断れません。生前リアナにイチコロされた方々の気持ちがよくわかります。

初戦が始まってからは命に危険が無い限りは体力回復の魔法は使いません。怪我の治療だけ許されてます。削られた体力の中でどう戦うかも大事なようです。


控え室内を見回っていると腕を引かれました。


「どうされました?」

「緊張してる。手伝ってよ」


緊張はどうにもできません。目の前のニヤニヤしている相手は緊張をしているようには見えませんが。


「俺の妹から手を離せ」


手が解放されて、エイベルの背中に庇われました。


「ビアード様!?」

「妹に危害を加えれば、うちは黙ってない。いつでも相手してやるよ」

「申しわけありませんでした」


よくわかりませんが真っ青な顔をした選手が去っていきました。


「レティシア、自己紹介は家名を入れろ。」

「仕事の妨げになります」

「それでもだ。わかったな?」

「わかりました。エイベル、頑張ってください」

「行ってくるよ」


頭を撫でて立ち去るエイベルの背中を見送ります。

上級生は呼ぶ前に待機席に行くので助かります。滞りなく進み昨日のように治癒魔法は必要ありません。怪我人の手当てをしながら、控え室の中を見回ります。

鏡をのぞくとリオが戦ってます。今世のリオは武術大会に積極的に参加しますのね。風魔法を使って戦ってますが相手の攻撃をわざと受けて、隙を作って場外にするなんて愚策です。勝っても傷だらけでは意味がありません。

控え室に戻ってきた顔に傷のあるリオを睨んで、頬に手をあて治癒魔法をかけます。


「私の言葉は忘れたんですね」

「え?」


とぼけた顔のリオに怒りがわいてきます。


「怪我しないでって。攻撃ではなく防御を優先してってお願いしましたわ。躱せたのにわざと攻撃を受けましたよね!?その戦い方は嫌って私は言いましたわ。」

「ごめん」

「もうやめてください」

「それは・・。勝つためには」

「時間を惜しまないでください。そんな方法をしなくても勝てますわ。私のリオ兄様は強いんです。次があれば伯母様に報告しますわ。」


怪我は消えましたね。


「失礼します」


リオは放っておくのが一番反省すると伯母様に教えていただきました。リオのことはグランド様と伯母様に相談するのが一番です。

このまま無事に終わることを祈るばかりです。願いが届いたのか武術大会は無事に終わりを迎えました。優勝は最上級生でした。エイベルにはルーン公爵夫人の訓練を受けてもっと強くなっていただかないといけません。

優勝しなかったのでコクーン様とサイラス様との約束はなくなりました。

団体戦の控え室の毒物の混入はカトリーヌ様の調査でも犯人がわかりませんでした。

クロード殿下の機嫌が悪かったです。今世の殿下は空気が冷たくて怖いんですがどうしてでしょうか・・。

当分はこの機嫌の悪い殿下とお付き合いと思うと気が重いですわ。武術大会が無事とはいえませんが、重傷者もでずに終わって良かったです。

早く殿下の機嫌が直って平穏が戻ることを祈りましょう。生前クロード様が好きだったお茶でも差し入れを無理でしたわ。私はクロード殿下の機嫌の取り方がわかりません。生前に穏やかなクロード様に聞いておけば良かったですわ。仕事さえ増やさなければ穏やかな方だったので、機嫌を取ろうなど思ったことは一度もありませんでしたわ。

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