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追憶令嬢のやり直し。  作者: 夕鈴
学園編 一年生

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第十話 武術の授業

ステラと一緒に武術の授業を選考しました。

担当のロベルト先生とエメル先生が来ました。


「俺は武術講師を務めるロベルトだ。彼は助手のエメル。」


ロべルト先生は巨漢でエメル先生は細身です。お二人共綺麗な筋肉を持ちとても強いんです。学園では平等精神のため先生は姓を名乗りません。学園長の次に偉いのが先生です。

王族でも、学園では関係なく先生の指示に逆らいません。

有事の際に王族として命令するのは許されてますが。

生徒会長は先生と対等に渡り合う権利を持つので、生徒会長であるクロード殿下が学園で王族として権威を示すことはほとんどありません。


「武術は危険なものだ。俺の指示を守れないやつは、受講取り消しもするから頭に入れておけ。公爵家だろうと平民、男、女など関係ない。差別はしないが甘くもしない。覚悟がある者だけこの場に残れ」


ロベルト先生から殺気が放たれてます。心配で隣に座るステラを見ると一人だけ涼し気な顔をしてます。

顔色は変わらず、殺気に気付いてないんでしょうか。

他の生徒達は顔を青くしたり、震えたりしっかり反応しているのに…。フィルも余裕そうです。

生前は気付きませんでしたが、ロベルト先生の本気の殺気ではありません。警告程度の可愛い殺気です。ビアード公爵の訓練姿のほうがよっぽど怖いです。


「ロベルト、殺気をおさめてください。生徒達が怖がってます。」


エメル先生の声で殺気がおさまり、周りの生徒達から安堵の声がこぼれます。


「ロベルト先生は厳しいですが、先生の言う通りです。規律を守って授業を受けてください。では授業をはじめましょう。皆さんの実力を見せてもらうために鬼ごっこをしましょう」


武術の授業の恒例の鬼ごっこです。


「体力に自信がある人、武術に自信がある人は手をあげてください。この中では自分が一番強いと思う人でもいいですよ」


手をあげられる方はいません。先ほど殺気に当たりましたし、体力や武術に自信があるとは言える者は早々いません。穏やかそうに無理難題を言われています。


「情けないな。じゃあ、お前とお前とお前が鬼な」


体が大きく筋肉のしっかりついているカーチス様と伯爵令息が二人選ばれました。フィルは細身なので選ばれませんでした。見た目だけならフィルは小柄で弱そうです。


「鬼以外に紐を配るので、腰につけてください。鬼に紐を取られたら、失格。鬼の三人は目印に、帽子を被ってください。範囲は訓練場内です。ある物を利用して構いませんが、暴力や魔法は禁止です。鬼の3人は30秒後にスタートになります。制限時間は一時間。何か質問のある人はいますか?」


特に質問はないみたいです。腰に紐をつけて準備万端です。

ステラの手を引いて、石の影に隠れます。


「ステラ、これは鬼ごっこではなく隠れんぼです。制限時間までに鬼に見つからないようにするんです」

「さすがレティシア様です」


ステラに向けられる尊敬する視線に照れてしまいます。

今世のステラはとても可愛いです。

鬼ごっこは得意です。生前はターナー伯爵家の修行でよくやりましたわ。

鬼達が連携は取らずに動き出しました。こちらに来る気配はありません。ステラに見張ってもらい拾った材料でダミー人形を作ります。フィルは木の上に隠れてます。


「レティシア様、移動しましょう」


ステラの声に様子を見ると、生徒がこちらに逃げてきます。

ダミー人形を抱えてステラの手を取り、気配を読みながら移動します。大きい木の陰に隠れました。

どんどん捕まり生徒が減ってきました。制限時間はまだあります。


「ステラ、ダミー君を置いてくるからここにいてください。危なかったら逃げて隠れてくださいね」


鬼の目に止まる場所にダミー人形を設置しました。

ステラが見張ってくれているので、たくさんダミー人形ができました。

ステラのもとに戻ります。

鬼達はダミー人形に引っかかっています。私達と違ってフィルが一歩くも動いてません。木の上が見つからないなんて盲点でした。

終了の笛の音がなりました。今回は楽でしたわ。ステラが鬼を見張っていてくれたおかげですわ。



「お疲れ様。鬼役はよく捕まえた。もう少し頭を使って連携したら全員捕まえられたかな。

ビアードとグレイ、カーソンの三人もなかなか面白かったよ。」


「先生!隠れてばっかりなのは良かったんですか?」


穏やかに笑うエメル先生に抗議する気持ちはわかります。フィルはずるい気がします。


「捕まらなければ勝ちだからね。状況を見極め、地形を利用したのは高評価だよ。真正面から勝つことだけが全てではない。今日の鬼ごっこはどうすれば良かったかきちんと考えて。ロベルト、この後どうしますか?もう一戦やります?」


「今日はオリエンテーションだからな。動き足りない者もいるか?」


生徒達が手をあげました。


「もう一戦やろうか。今度は残った3人に鬼を任せようか。15分後に始めるから集まって」


エメル先生の声に生徒達が散っていきます。

フィルが近づいてきました。


「ステラ、体力は平気ですか?」

「はい。全然走れますわ」


木の上でずっと休んでいたフィルには聞く必要はありません。

作戦会議しましょう。


「フィル、どうします?」

「ステラが囮で俺が捕まえる。レティシアは単独。ステラ、捕まえなくてもいいから俺が指示出した奴を追いかけて。ステラが視線を集めればレティシアが動きやすくなる」


体力と足の速さを考えるなら効率的です。


「わかりましたわ」

「その方法ではステラが紐を取れませんわ」

「短時間でいかに早く勝つかだよ」

「レティシア様、私は構いませんわ」

「わかりましたわ。」


ステラが了承するなら否定する理由はありません。

休憩時間が終わったので鬼ごっこがはじまりました。

ステラとフィルが視線を集めてくれてるので、気配を消して油断している方々から紐を取っていきます。

残念ながらフィルの真似をして木に登る生徒はいません。鬼を追いかけているステラが足が速くて驚きました。

体力が心配なので、ステラの為に早く終わらせましょう。

ステラが紐を取りましたわ。凄いですわ。

フィルがカーチス様から紐を取りました。さすがです。フィルはエイベルと訓練している所為か動きが早いんです。悔しいですが鬼ごっこではフィルとエイベルには敵いません・・。

気付いたら終わってました。ステラが運動神経良いことは知りませんでした。


「お疲れ様。鬼の3人の記録は18分。過去3位の記録だよ。」


「先生、最短記録は何分ですか?」


「8分かな。これは神業だから比べなくてもいいから。次点は16分。18分でも上出来だよ。初日の鬼ごっこでこんなに連携とれるとは思わなかったよ。逃げ切れなかった生徒は次は逃げられるように頑張って。負けた腹いせで、嫌がらせは禁止。悔しい気持ちは授業にぶつけて、いつか武術の授業で打ちのめせ。さて今日の授業はここまでだ。柔軟をしてしっかり休みなさい」


エメル先生に礼をして柔軟をはじめました。

たぶん最短記録を出したのは風の天才と言われたローゼ・ターナーだと思います。生前のお母様のルーン公爵夫人は恐ろしいほど強いので敵わないのは仕方ありません。

先生が去ったので私たちも解散です。


「フィル、16分ってエイベル?」

「だな」

「また負けました・・。いつか絶対に勝ちますわ」


今世もエイベルに敵いません。打倒エイベルは遠いですわ。でもエイベルはいつも訓練ばかりしてますから、強いのはよくわかります。

明るく笑うフィルに肩を叩かれ、ステラの愛らしい笑みを見たら気分が上がりました。まだまだ人生はこれからです。

とりあえず無事に授業が終わって一安心です。平穏な学園生活のために頑張りましょう。

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