あらすじ煮込み空想店
あらすじという素材を鍋に入れ、ベースである空想に注ぎ足す。
溢れ出た無駄な空想の灰汁を取り出しながら、さらにあらすじを煮込みつづけた。
煮込み、煮込み、さらに煮込むことをしたベテラン料理人は、結局、上手に仕上げる事ができなかった。
料理を待っていた初見のお客様は、耐えきれずに店から出て行った。
そして、その初見のお客様は、となりに出来た、あらすじ煮込み丼チェーン店へと足を運ぶのをベテラン料理人が眺めていた。
ベテラン料理人は、常連客に愚痴を言いながら料理を作り始めた。
ベテラン料理「そんなに、普通の味が好きなのかねぇー、凝ったものを食べたいと思わないのかねぇー」
すると、店主に向けて常連客は、慰めの言葉をぶん投げた。
「ぐだぐだ言ってねーで、はよ、自信持って作れや!」