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1、新入部員? 勧誘なしでうちの部に来る奴なんていないだろ!その1

1、新入部員? 勧誘なしでうちの部に来る奴なんていないだろ!


春日部北高校の最寄り駅であるせんげん台駅から高校までの通学路にある新方川に沿った道は桜が一列満開に咲いていてここをカップルで通ろうものならどこかのドラマのワンシーンにでもなりそうなほど美しい光景が広がっている。

まあ実際カップルいるんだけどね。

別に羨ましくないよ? だって俺には女神が将来の彼女としているんだからね。

悔しくなんてないんだからね、勘違いしないでよね!

そんなくだらないことを考えていると後ろから耳にタコができるほど聞きなれた声が聞こえてきた。


「よっ! あさひ、元気ないな、朝からどうした、なんかあるならこの友部様に相談してみろ、バシッと解決してやるぜ」


この馴れ馴れしいお調子者は友部(ともべ) 友樹(ともき) 同じクラスの友達だ。

ちなみに科学部員、科学部の話はこいつから流れてくる。

俺たちぐ~たらな化学部が何かを参考にすることはないが……


「別に何かに悩んでいるわけじゃない。ただ俺の前を歩くカップル達が1秒でも早く別れることを神様に本気で祈っていただけだ」

「お前冴えないしな。しかもヘタレときたもんだ! 言い寄られることもなく、言い寄ることもない、これはモテないわ。」

「うるさいな! お前も彼女いないだろ。俺は毎日 宝生先輩と二人きりで放課後を過ごしてるんだ、お前より上だ!」

「なにを! 俺なんて放課後毎日数多くの女子と話するぞ、取っかえ引っかえだぞ!」


こいつと話しているとついどうでもいいことで熱くなってしまう。 

そして熱く議論したと思ったら今度は同じようなどうでもいい内容のいつものテンションでだらだらと話す。   

そんなわけで話しをすればするだけお互いに傷つくだけの何の意味もない会話に熱くなり、自分の中の一般的にキモいと認識されるような発言を相手にぶつけることができる。

また、お互い悪意があるなんて微塵も感じていないから話題の急転換もよく起きる。


「ところで友樹、お前今日の英語の宿題やったか?」

「もちろんやってないぞ、あさひに授業前に写させてもらおうと思ってたからな!」


威張るように胸を張りながら自慢げに言ってくる。類は友を呼ぶというか牛は牛連れ、馬は馬連れというか、こいつも完全に宿題は他力本願である。


「まあ、クラスの誰かに見してもらうか。誰かしらはやってるだろ」


そんなくだらない会話をしながら男二人で桜が満開に咲いている通学路を歩いていく。


** *


起立 礼 着席

ここ春日部北高校は始業式の日にもテストがある。(まあほとんどの進学校にはあるのだろうけど)科目は数学、現代文、古典、英語そして何故か化学もある。

俺の学年の化学の先生が学年主任に頼み込んで実施したらしい、本当に迷惑な話である。

今日の朝のホームルームでそのテストの個票(テスト結果)が帰ってきた。 

俺の結果は現代文五十八点、古典六十二点、英語六十八点、数学七十三点、化学八十点というやや理系に偏ったものだった。

一応、化学部に入っているので化学は少し頑張っている。あまり効果はないだろうがカモフラージュは大切だ。

まぁそれ以外はまだ高校2年の4月、全く進路を決めてないこともあり、どんな点だろうが赤点さえ回避できればそれでいいと考えている。


「あさひ~、また白石さん学年一位だってよ。あんなに可愛いのに優しくて勉強もできるなんて最高だよな〜、白石さんと付き合えるやつなんてこの世にいるのかな? あんな完璧美少女と釣り合う男なんてそうそういないだろうな」

「それなら白石さんは一生恋人ができないことになるな、かわいそうに」


昼休みは大抵友部とどうでもいい会話をしながらランチをしている。とゆうか、俺たちの会話のほとんだがどうでもいい話である。


「そういうこと言ってるわけじゃないんだよ、わかるだろ 俺たち非モテにとって白石さんは高嶺の花って奴じゃないか」


まあ確かに友樹の言う通り白石さんは可愛い。

白石(しらいし) (つむぎ)さんは俺のクラスの学級委員であり、先ほどにも言った通り頭もいい。()()()() 

悪いことをしたら「次から気をつけてね」と優しく叱ってくれ、分からないことがあったら優しく教えてくれる。

まさに全男子高生の理想の学級委員である。しかも、おっぱいが大きい、体育着になろうものなら完全に男子撲滅兵器である。一度、宝生先輩とどっちが大きいか比べてほしいぐらいだ。

そんなことを言ったら絶対に両方から軽蔑の目線を向けられるから言わないけど。


「お前が年収一千万ぐらい稼ぐすごい科学者になれば釣り合うんじゃないか? そのためには女子に対する欲望を全て断ち化学一筋な人生をおくらないとだな」

「ぐわ〜〜〜〜〜、女性と付き合うために女性に対する欲望をすてなければいけないのか、何という矛盾、これがこの世界の真理なのか〜!」

「いや、顔が良い奴は何もしなくても女性と付き合えるぞ」

「ぐはっ!」




 第二ヒロイン遅くてすみません

 次の話から出てくる予定です


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