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プロローグっぽいもの2

「では、瑠奈さん。貴女には異世界に行ってもらいたいと思います」

「お断りします」


唐突に話を切り出された私は、迷わず言い切りました。


「なっ、何でですか!?異世界転生ですよ、異世界転生!夢があるじゃないですか!!」

「話が急すぎてついていけません」


この目の前の少女は自らを創造神と名乗りました。怪しすぎます。


「流行ってるじゃないですか、異世界転生とか異世界召喚とか!貴女にもそんなチャンスが訪れたのですよ!?」

「流行りも何も…そんな都合の良いことを言って何をさせたいのですか?」


私が断ることを想定してなかったのでしょう、かなり慌てふためいています。さっきまでの威厳とかが台無しです。


「いや…それは……その………」


何やら口ごもる創造神(自称)。


「自称ではありません!正真正銘創造神です!!」


勝手に人の心を読まないで下さい。


「そんな事は置いておいてですね」

「そんな事扱いされたっ!?」

「実際、私を異世界に転生させてどうしようと言うのですか」


口をもごもごとさせながら小声で何かを喋る創造神(自称)。


「実はですね…転生先を私の変わりに管理して欲しくて…」

「……はい?」

「いえいえ、難しい事ではないです!転生先では自由に生きて構いませんので、世界を見守って頂きたいのです!!」

「それって、私に神様になれと言うことですか?」


ジト目で見つめる私に対して首をブンブンと横に振る創造神(自称)。


「えっと、仕組みを簡単にご説明しますと、瑠奈さんを異世界へ転生させた時点で私と瑠奈さんの間に繋がりが出来ます」


何処からか取り出したホワイトボードに書きながら説明をしていってくれています。


「私はその繋がりを以て、瑠奈さんの転生先の様子を伺うことが出来ます。基本的に私から転生先へ直接干渉する事はありませんが、万が一に備えておきたいと思いまして………」

「万が一と言いますが具体的には?」

「世界崩壊とかの時ですね」


この人は私をそんな危険な世界に転生させようというのですか。


「ももも勿論、万が一ですよ、万が一!」


私は大きく息を吐き出しました。正確にはその様な素振りをしただけですが。おそらく人の姿になってないでしょうから。一体先ほどまでの威厳は何処へ行ったのでしょうか。


「おほんっ、お話については御理解頂けたかと思います。………で、引き受けて下さいますでしょうか?」

「……まぁ折角ですし、危険がないのであれば」


全く興味がないわけではありませんし。


「本当ですかっ!?それなら色々と特典とか付けさせて頂きますね!」


創造神(自称)が右手を振るうと眼前にスクリーンが出現し、カタカタと入力していく。


「これで如何でしょうか」


スクリーンを反転させると、特典と思われる項目を拡大させる。


・不老不死(オプション有)

・亜空間倉庫

・魔力素質(極大)

・対呪術抵抗

・毒物耐性(極大)


…などなど膨大な特典書かれておりました。

何となく予想がつくものばかりですが、一点ほど気になるものが。


「不老不死(オプション有)とはどう言うことですか?」

「最近、不老不死を望まれながらやっぱり不死はいらないという転生者が多くてですね。不死の部分を後で除去出来るようにしているのです」

「はぁ……」

「まぁ詳しいことは転生後に確認してみてください」

「…分かりました」


溜息混じり風の返事をすると、私の視界?が揺れるような感覚を覚えました。まるで目眩を起こしたような感覚です。


「おや、時間の様ですね」


時間?

一体何が始まるのでしょうか。


「準備が整ったので転生が開始されます。ーーーどうか貴女の二度目の人生に幸運があらん事を」

「分かりました。楽しんで…と言うのもおかしい気がしますが」


視界が白から黒へ、そこに居た創造神(自称)の姿形も、声も、全てが曖昧となり、黒く塗り潰されていき。


「あっ…ヤバい……やっちゃった!」


最後に物騒な言葉を聞いて。

けど、何も言えず、意識を手放してしまうのでした。

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