白いあなたは
ドスン!
背後で何かが落ちた音がした。
振り返る。
白い何かが落ちてきたと思った。
「……」
よく見ると人のようだ。
ムクッと起き上がる
「はじめまして。こんにちは。」
満面の笑みで、声変わり前の可愛らしい声で
話すその人物はさっきまで木の上にいた
レイチェルだった。
とても殺人鬼には見えない。
「あぁフードを被ってないからか。」
思わず声がでた。
「そうなんですな。
ボクちん、今は無害なんですな。」
変わったしゃべり口調に拍子抜けした。
無垢な少年のように見える。
「このパーカーのせいでお友だちが0人なんですな。同じパーカーの人はじめて見たのですな。
お友だちになっておくれよ。」
両手の人差し指をつんつんしながら
上目遣いで食いぎみに交遊関係を築こうとしてくる。
「俺には友人はいない。これからもいらない。」
冷たくあしらう。
「しょんぼり……お友だち……ほしいんですな」
ひどく悲しそうに肩を落とす。
つづけて話しだす。
「僕ちんが勝ったらお友だちになってほしいんですな。」
右手が首輪に手が延びる。
ボタンを押したかと思うと
フードが出現し被った。
目の色が赤に変わった。
気がつけば俺はナイフを首に当てられた状態で
床に倒れていた。