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8 最後の日

初めてブクマしてもらえました。

ありがとうございます!

 王都に到着した翌日。俺たちは商業区にある店を回ってリナリー様に王都の案内をされていた。ただ幾ら子供といっても貴族。案内はメイドの人がしてくれるし、護衛もリナリー様とエリナに一人ずつついている。合計6人で商業区の中でも貴族が行くような店を回る。


 ほとんどが俺の学園での生活に必要な日用雑貨の買い出しなのだが、貴族が買いに来るような店なので値段がビックリするほど高い。ただ、商品を選ぶと知らない間にメイドさんが会計を終えているので俺が財布を出す暇すらない。買ってもらうのは気が引けてしまうが今まで払ってもらった金額は既に俺の所持金を軽く超えてしまっている……。


 買い物も終わってひと段落付いたんで俺らは町の中央広場が見渡せる高級店で昼食をとっていた。エリナは普通に楽しんでいたがメニューに値段が書かれていないのは恐ろしいものがあるな……。


 「そういえばエリナとススムって仲が良いのね。」


 リナリー様が焼き菓子を食べながら俺とエリナの関係を聞いてきた。買い物中のやり取り見て疑問に思ったのだろう。確かに貴族であるエリナと敬語を使わずに話しているのは不思議な光景に見えるのだろうな。


 「僕は最近までエリナが貴族とゆうことを知らなかったんです。でもエリナは今までの関係での話し方が良いと言ってくれたので……。それに仲が良いっていうか村には子供は僕たちしか居なかったので……。」

 「ススム君はいつも遊んでくれたのよ!」

 「ススム”君”ね……。」


               〇

 

 リナリーは不思議に思っていた。目の前にいる二人は貴族や身分などまったく気にしない関係になっていたからだ。この年になれば平民と貴族の差などはよくわかる。だが、この二人の間柄はただ単に敬語を使っていない間ではない、恋仲ですらないこの二人の仲はリナリーにはとても興味が生まれていた。


 エリナはどうやらススムに対して恋に似た感情を持っているように感じられたが……。このススムとゆう少年が分からない。最初はただの黒髪の子供だと思っていたがエリナの言っていたとうりに同年代の子とは違った何かがあるように感じられる。リナリーには貴族と良い関係を持ちそのうえでその”力”を全く使おうともしない、それどころかエリナの事をただの女の子として扱っているススムの事が理解できなかった。それでかとても興味が湧く。この疑問を解決するならエリナと同じ待遇をしてもらった方がいい。


                〇

 

 「ススム。あなたも私の事をエリナみたく呼び捨てで呼んでいいわよ」

 「へ?」


 あまりの驚きに変な答え方をしてしまった。


 「よ、よろしいのですか?リナリー様。」

 「ええ、構わないわ。あなたは平民だけどエリナの家族のような存在みたいだし。私もエリナみたく遠慮のいらない友達が欲しかったのよ。」


 困った。エリナは昔からこういう話し方だったから慣れているがリナリー様はフォード領当主の娘。本来ならばその領地に住んでいた俺は頭が上がらない相手のはずなのだ。


 「い、いえ。それはよろしくはないかと。平民に敬語を使わせないなど……。エリナもそう思うだろ?」

 「私はリナリーとススム君にもっと仲良くなってほしいかな?」

 「ほら、エリナもこう言っているし。」


 いや、俺としては打ち解けようとしてくれるのは嬉しいのだがエリナ用にタメ口で話すのはまずい。俺らが今後通うのは王立騎士学校だ。そこでエリナはいわばフォード家の分家の子供。だがリナリー様は本家の人間だ。外から見るとエリナがリナリーの御付きの人、俺がその二人の従者のように見えるだろうからそんな俺が「リナリー」などとタメ口で話すのは絶対によろしくない状態だろう。だがリナリー様のお願いという名の命令を断ることもできない。ここは……。


 「わかりました。でも、いきなりとゆうのは難しいので少しづつ変えていくようにします。リナリー……様。」

 「うーん。まぁそれでもいいわ。改めてよろしくねススム。」


 騙すようで悪いがこれで幾らか時間は稼げるだろう。その間に諦めてくれるといいが……。



 昼食を終えた俺たちは屋敷へと帰るために歩いて商業区を進んでいた。

 入学試験は三日後に迫っている。そのせいか商業区の宿には沢山の子供連れの家族が泊まっているようで子供と手を繋いだ親子とよくすれ違う。


 そういえば俺はこんな親子の子を助けようとしてこの世界に転生したのだった。だがあの時のように自らの家族環境で落ち込むことはもうない。隣にいるエリナがその負の感情を拭い去ってくれたのだ。エリナはたぶん学校でも沢山友達を作れるだろう。リナリー様とだって今笑っている。彼女がいつか俺を必要としなくなった時、俺はエリナに居場所を求めてはいけない。そのための力を自ら学校で学ばなけらば。


 俺の目標は第一にエリナへの恩返しであり、その次に自身の幸福なのだから。


                   〇


 それから3日後。入学試験の日がやって来た。



 

さてススムに興味を持ち始めたリナリー。彼女は今後どんなポジションになるのでしょうか……?

(本当にどうしようかな……。)


やっと入学試験ですよ。まぁ試験自体は短くいきます。重要なのは入学式の後にある儀式なので……。

もうすぐ努力を始められる!

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