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4 タタカ村での日々(2)

  水汲み後。エリナの家、フォード家が耕している畑の手伝いをススムはしていた。


  いろいろな種類の植物を育てているエリナの家。今日はジャガイモによく似たイモ類の泥落としと水洗いをしていた。もちろん傍でエリナもイモを洗っている。

 

  「スキル……ですか?」


  エリナの父親であるフロストさんはススムにいろいろな事を教えてくれるのでこの世界の一般常識に関しての教鞭をしてもらう為にこの手伝いをしているといっても過言ではない。


  「そう。6歳になるとね、『神託』という儀式をして自分にどんなスキルや職業、得意な魔法なんかがあるのかわかるのさ」

  「じゃあ、フロストさんもその神託を受けているんですか?」

  「もちろん!これが私の神託ステータスさ。」


  そう言ったフロストさんの手の上に透明な画面のような物が浮かびあがる。初めての化学では説明できない現象にススムは少し驚いた。


  そこには名前や18と書かれたレベル、村人の職業などが書かれているほかに筋力、耐久、俊敏、魔力、そういった項目と数値があり平均すると15ぐらいだろうか・・・?


  それにしてもこの世界の一般常識を聞いたらまるでゲームの様だと感じた。


 魔法にステータス。それに魔物といった外敵も存在しているらしい。


  この場合ゲームや異世界系小説を読んでいる奴が転生していたらどういう風に行動すべきかわかるんだろうけどもあいにくそういった物にはあまり関わってこなかった。いや、関わる時間が無かったといった方がいいだろう。実際興味もあんまり無かったし。


  「フロストさん。この職業にある職には絶対にならないといけないんですか?」

  「いや、私のような『村人』でも戦う職に就いている人だっているよ。ただ、神託で得た職業はそれに合ったスキルがある場合が多いからね。比較的に神託どうりにする人が多いんだよ。」

  「その神託というのはどこでできるんですか?」

  「そうだね……教会か、学校かな?うちのエリナも6歳になったら学校に行かせるつもりなんだよ。」


  その学校へ行くという言葉を聞いたエリナが涙目になってしまう。


  「いやあ!ススムくんとはなれたくないの!」

 

  学校といえるものはこのあたりにあっただろうか?


  近くの村にも学校と呼べる施設は無いはずだ。つまりフロストさんが言っている学校は――。


  「もしかして遠いんですか?」

  「うん。王都にある国立騎士学校は身分に関係ないしお金もあんまり……いや、子供に聞かせる話じゃないね。まぁ親元から離れてちゃんとした勉強ができるんだよ。」


  つまりエリナは遠く離れる学園に行くことでススムと長期間会えなくなるのが嫌で学校に行きたくないのだ。拒否する理由にしてもらったのは嬉しいとこだがエリナの成長とゆう話では学校に行った方が絶対にいいに決まっている。


 そういった勉学の場所があるならススムも行っておきたいのが本音だがただでさえマーサさんにはお世話になっているのにこれ以上金銭面でもお世話になるのは気が引けてしまう。


  「エリナ・・・僕は行けないけどエリナは学校に行けるなら行った方がいいよ!」

  「やだぁ! やだぁ! やだぁ! ススムくんも!」


  この短期間で随分となつかれてしまったものだ。だがそれも仕方ないのかもしれない。この村にいる子供はススムとエリナしかいない。必然的に仲良くなるだろう。


  「なら、ススム君も騎士学校に行ってみる?」

  「アイシャさん?」


  エリナの母であるアイシャさんがいつの間にかに会話に混じっていた。


  「ススム君も一緒にエリナと騎士学校に行ってみない?」


  娘を一人産んでいるとは全く見えないほどアイシャさんは若く見える。実際アイシャさんはまだ若いし整った顔立ちも合わさってススムには綺麗なお姉さんにしか見えない。

 

  「でも、マーサさんにこれ以上迷惑は・・・」

  「お金に関しては大丈夫!あそこは国立だからあまりお金が掛からないし、学校にススム君がいてくれれば私達もエリナを安心して送り出せるわ!必要経費ってやつよ・・・ってさすがのススム君もこの言葉はわからないわね。ねぇあなた、あなたもススム君がいてくれた方が安心できるでしょ?」


  アイシャさんが目をキラキラさせながらフロストさんに向けていた。気が付けばエリナも同じように目をキラキラさせながら父フロストに向けている。


 彼は少し考えた素振りを見せると答えを出したようだった。


  「そうだな! ススム君が行ってくれるんなら私も安心だ!」


  フォード家一家3人が目を輝かせススムの返事を待つ。


  「うーん・・・。マーサさんに聞かないといけませんが、もし可能なら・・・行きたいです!」


  この提案はススムにとって願ってもないものだった。知識や経験とゆうのは選択肢を増やすことができる。その両方を多く得ることができる学校は行っておいて損はない。


  「やった! やった! ススムくんもがっこうにいけるんだね!」

  「よかったねエリナ。」

  「よかったなエリナ。」


  多分アイシャさんはススムが頷きやすいようエリナの為という大義名分を作ってくれたのだろう。さすがエリナの母親だ。お人よしなのは親子変わらないのだろう。

 

  優しい家族だ。


  少し目じりが熱くなってしまうものだ。


まだまだ努力要素皆無ですが……。


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