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努力戦士 〜彼女の為に俺は身一つで最強へと辿り着く〜  作者: ペペロンp
2章 成長期

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15 エリナとリナリー

 今回はエリナ視点とリナリー視点です。

 

  ―――エリナ・フォード視点―――            


  ある日私は川で男の子を見つけた。


  その子は全身ボロボロで川岸に流れ着いていたのをたまたま両親の言いつけを守らずに森の中を散歩していた時に見つけたのだ。ただ、その子は村の人達とは全く違った髪の色をしていて私は「くろかみくん」と呼ぶことにした。


  その少年は村でも面倒見がいいマーサおばさんのところに運ばれて看病されていたので私は毎日のようにあの子を見に行った。


  早く目覚めないかな、目が覚めたらお友達になってくれないかな?


  彼は三日後の目を覚ました。


  自分の事を覚えていないみたいでこの村にいる事になったみたい! やった私の初めてのお友達だ!


  ススムという名のその彼はまるで大人の人みたいに喋ることがる。やっぱり彼はおとぎ話で出てくる黒髪人みたく凄い人なんだ! そんなススム君と一緒にいられることは私にとって誇らしい事に思えた。


  ススム君はお父さんとお母さんが『趣味』でやっている農場の手伝いをよくしてくれる。どんな事にも真剣に取り組んでいる彼の姿は……かっこいいと思う……。


  でも彼は私の事を理解してくれるけど、私は彼の事が解らない。たまに彼の眼差しが此処ではない何処かを見ているように感じることがある。今は私を見ていてくれるがその眼差しが私ではない何処かに行ってしまうのが怖くなる。


  「心配しないで、たとえ僕がいなくなっても必ずエリナの前に戻って来るから」


  ススム君はそう言ってくれたけど本当は怖いの。あなたの中に私がいなくなる事が嫌なの……。


                      〇


  王都の学校にススム君と通える事になって本当に嬉しかった。彼は私が貴族の娘だって事にとても驚いていた。「じゃ、なんで毎日水汲みに来てんだよ!?」っと、そう聞かれてもあれは畑のお野菜のためと言ったら額に手を当てて上を見上げていた。


  いつも余裕のススム君を驚かす事ができて少し楽しい。


  王都に着いたら私の叔父に挨拶をした。その人が私の王都での面倒を見てくれるらしい。


  私はそこでもう一人のお友達に出会った。従妹のリナリーだ。リナリーはススムの髪の色を気に入ったみたくて昔いた黒髪の英雄に彼を重ねているみたいだった。


  その気持ち……少しわかる。絵本の中に出てくるみたいな人が目の前にいるのだ。彼女にとっては憧れがあるのかな?


  それから私たちは何をするにも一緒だった。お食事やお外でのお買い物。入学までの短い間だったがそれはとっても楽しい時間だった。


  リナリーはメイドを悪役に見立てた英雄ごっこが好きみたく黒髪のススムはいっつも英雄役だった。ノリノリで役にはまるリナリーに比べてススム君は恥ずかしがって英雄の役をしていた。



  そして―― 私は『勇者』に選ばれた。



  いろんな人から褒められてうらやましがられた。大人の人は私は将来レベルを上げて国を守る強い人になれる選ばれた人だと教えられた。リナリーやフレイドおじさまもとっても喜んでくださった。


  でも私にとって大切なのはススム君が一緒にいてくれるかどうかだった。


『神託』で残念な結果だったススム君が目も合わせてくれずに出て行ってしまった時は彼がどこかへ行ってしまったと不安になったけどすぐに見つけることができた。多分『勇者』の神託を受けて身体能力が上がったから学校中を探し回れたからだ。


見つけた時、彼は落ち込んでいるみたいに見えたけど私に「どんな方法でも一緒にいる」と笑顔で笑いながら言ってくれた。彼は諦めてなかったんだ。さすがススム君だ!


  それから学園生活が始まった。学校の授業は難しいけどススム君とリナリーがいてくれるおかげで何の心配もない。ススム君は寮生活で一度彼の部屋を見せてもらったけどとっても狭くてリナリーが「物置部屋みたいね」って言ったらススム君があきれた顔をしていたのは面白かったな。


  学校で勉強して、お昼は三人で食べて、学校が休日の日は三人でお出かけ。とっても楽しい毎日だ。


  でも最近休日でもお出かけに行かない日がある。本当はススム君とすごしたかったけどフレイドおじさまが「ススムにはやる事があるんだ」と言っていたのできっと大切な用事なのだろう、だってススム君に聞いてもいつもはぐらかされてしまう。


  気のせいかもしれないがススム君がたまに急に痩せているように見える。大丈夫かな?


  そういえばリナリーやススム君以外にも友達ができ始めた。ススム君は他に友達がいない事を気にかけていたみたいだから心配をかけないようにあの子たちとも仲良くしよう!でも一番の友達はススム君とリナリーだよ!?


  こんな毎日が続いて行けばいいなぁ~~。



                    〇


  ―――リナリー・フォード視点―――


  ある日うちの二人の同世代の子がやって来た。一人は私の従妹のエリナ。もう一人は叔父のフロストの推薦で私と同じ王立騎士学校に通うススムという少年だった。私はこの性格で友達と呼べる人はいなかったがべつにそれでいい。エリナは従妹だからある程度仲良くしてなってもいいけど、そんじょそこらの平民とこのリナリー。フォードが仲良くするわけがない!


  でも彼を一目見た時、その考えが180度変わった。彼は私が大好きな昔話の英雄『アーク』と同じ髪の色をしていた。黒髪の人は確かにいるけど実際に見たのは初めてだったので私は彼を英雄と重ねてしまったのだ。


  いつの間にか礼儀正しく接してくる彼に私は気を許していた。


  そんな彼とエリナと一緒に過ごす時間はとっても楽しいものだった。英雄ごっこをしたり一緒にお出かけしたりしてまるで自分が英雄のパーティ『六天』の一人になった気分になれた。


  でも、彼は英雄の資格は無かった。神託によって彼はレベルが上がらないスキルを持っているのが判明した。職業も何も書かれていなく彼はその時点で将来何にもなれないことが決まってしまったのだ。


  神託の後、エリナに父に伝えないで欲しいとススムが言っていると聞いたがこれは教えないわけにもいかないので父に報告した。エリナは大丈夫と言っていたが父はとてもススムの事が心配みたく私も彼の事が心配だった。


  翌日、彼に出会うとケロっとしていたのには驚かされた。本当にへこたれる様子もなく淡々と授業をこなしていた。その姿をみて彼は容姿だけではなく心までもが英雄の様だと憧れてしまった。


  「大丈夫ですよリナリー様。僕は僕なりに努力するだけです」


  そう笑った彼の笑顔に嘘は見られない。本当にススムは凄い人だ。


  それからは変わらない毎日が続いた。一緒に学園を過ごし、たまにお出かけをする。そんな毎日が私には新鮮に感じられる。ずっとこんな風に二人と傍にいられればいいな……。


  そういえばエリナがある日「ススム君と隣にいられるように頑張る!」と言っていた。そうだ、私も『魔導士』のクラスとスキルが沢山あるのだ。負けてはいられない!



  




  エリナとリナリー、共にススムの傍にいることを願うが彼女たちは知らない。それがススムにとってどれだけの苦痛を代償にさせるかを……。


 まだまだススムには”がんばって”もらいますよ~(笑)

 

 エリナとリナリーの視点でした。実はまだ二人とも恋というわけではありません。近くにいる友達以上恋人未満の家族? みたいな?

 次回、飛びます。何が飛ぶって? 月日です。

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