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努力戦士 〜彼女の為に俺は身一つで最強へと辿り着く〜  作者: ペペロンp
2章 成長期

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13 ギルドの受付

  翌日、ススムはフォード伯爵の紹介状を手に冒険者ギルドに足を運んでいた。何でもここのギルド長とフレイド様は昔からの知り合いだそうでその伝手を今回使わせてもらう事になっていた。


  王都にはギルドの建物は二つあり一つは商業区に、もう一つは貴族街の中に建っていてその顧客は貴族用と平民用である。今ススムが用があるのは平民用の商業区の方であった。


  そのギルドは他の商店よりも一回り大きく、ここが周りに建ち並ぶの商店とは異なる物であることが外からの風貌でもわかる。


  ギルドの扉を開くとそこは半分が冒険者に仕事を斡旋するギルドらしい受付の場、もう半分は元の世界の居酒屋を連想させるような飲食の場となっていた。今は昼過ぎだが既に酒が回っているような皮鎧や武具を身に着けた冒険者がちらほらといる。それを見てススムは聞いていたよりも冒険者はあまり夢の無さそうな仕事だと感じた。


  手早くやるべきことを終わらせるために受付へと向かった。昼間だからか受付には一人の女性しかおらずまた忙しさも見受けられなかったのでその人に話をかける。


  「あの……ギルドで仕事の斡旋をしてもらえると聞いて来たので―――」


  そけでススムは気が付いた、その受付嬢は普通の人ではなかった事に。


  長いブロンドの長髪や白く焼けていない肌、透き通った目、整った顔。それらは女性の中でも最上級の美であることが一目でわかる。ただ、一つだけ通常の女性に無いはずの横に長い耳があった。


  (……エルフ! この世界の本で幾度も登場してきた亜人種がこんなところにいるなんて……)


  そのエルフはこちらに受け答えしようとした時一瞬だけ目が見開かれたように見えボソッと「黒……」と喋ったのがこちらに小さく聴こえた。だがすぐに先ほどまでの細め目の営業スマイルへと変わる。


  エルフにとって黒い髪はそんなに驚かれる物なのだろうか……。


  「こんにちは。ごめんなさいねボク、ギルドでの仕事ができるのは10歳からなの。だから――」

  「えっと、フォード伯爵の紹介でここに来ました」


  受付のお姉さんの話を遮るようにフレイドさんからの紹介状を差し出す。それを受け取り中を確認したお姉さんの顔が商業用スマイルから普通の笑顔に変わり手をパチッと叩きながらニコリと笑う。


  「そっか! 君がギルド長が言ってた子なのね」

  「はい、多分そうだと思います。僕ぐらいの年でもできる仕事があるとかで」

  「うん、大丈夫! 話は聞いているわ。仕事を勧める前にギルドへ入会してもらう事になってるの。一応ギルドへの仕事の依頼となっているから組員になる必要があるわ。この入会って実は10歳からしかできないから今回は特例なのよ?」


  ススムは高い受付でギルドの加入作業を行うため近くにある自分の大きさほどある椅子によじ登るようにして座った。本来こんな小さい子供がここに来る事など無いのだからこの身長差の不便は致し方あるまい。


  出された用紙に必要事項を記入していくがある項目でペンが止まってしまった。


  「どうしたの? ステータスについて書くだけよ?」

  「いえ……僕実はステータスを表示できないんです……」


  レベル上昇不可が原因で表示できないのではない。そもそもできないのだ。


  他の子供たちは自然にステータスを開示できるのにススムだけが何をしようとも表示できなかった。おそらくレベルが0なのに理由があるのではないかとススムは考えていた。


  「そ、そうなのね。じゃぁ私が読み取って代筆するわね」


  そういって記入を変わったお姉さんの顔色がすぐに変わる。ススムの特異的な状態について『鑑定』したのだ。この特殊なスキルを見ればどうしてこんな子供が労働をするためにギルドへと来ているのか色々と想像がついたのだろう。


  「君、大変だね……」


  記入している途中ボソッとそうつぶやいていた。


  「はい記入終り! ごめんね待たせちゃって」

  「こちらこそ手間をかけさせてしまってすいません……」

  「いいのよ。それで……これがギルド証。無くさないでね、再発行には手数料がかかっちゃうから」


  手渡されたギルド証にはFランクと書かれている。


  「それでね、今日はこの仕事があるわ!」


  渡された受注書は数枚ありそれぞれに目を通していく。


  「倉庫整理に、店の手伝い。ペットの世話係……モンスター討伐とかじゃないんですね」


  ススムは内心不安だった。冒険者ギルドでの仕事というからにはこの歳と強さで魔物と戦わされるのかとひやひやしていた。


  「君にはまだそんな危ない仕事はさせられないよ。それにねこういった仕事はあまりお金にならないからみんなやりたがらないの。でも危険は無いしいつでもこの手の仕事はあるから君にはうってつけってわけ!」

  「そうなんですか……では今日はこの飲食店の手伝いをしようと思います」

  「わかったわ。仕事をしたいときはいつでも来ていいからね。私君の専属になっちゃお!」

  「へ……?」


  ニッコリと笑ったお姉さんのススムの専属になるという冗談に変な声が出てしまった。


  「うふふ、可愛い反応ね。私ニアって言うの。これからよろしくね!」

  「僕はススムって言います。よろしくお願いします」

  「えっ、ススム? ガドーじゃなくて?」

  「っ!」


  なぜ名字の名前を知っている! 

  

  そう思ったススムであったが先ほどステータスを読まれた事を思い出した。そこには我道がどう ススムと書かれているのだ。つまりこのニアさんは我道が名前だと思われていたのだ。


  もしかして、と思い手元のギルド証を確認するとそこのは「ランクF ガドー」と書かれていた。


  「ご、ごめんね……そっちが名前だと思ったから……」

  「い……いえ、大丈夫です。僕としては仕事さえできればそれでいいですから……」


  そして冒険者ガドーが誕生したのだった。


                      〇


  ギルドからの派遣労働一日目の業務を終えたススムはギルドに寄って今日の分の報酬を受け取っていた。


  「はいススム君。これが報酬の銅貨八枚ね」

  「ありがとうございます」


  一般的な一日の報酬は銀貨一枚って事だったから銀貨一枚1万円として考えて銅貨十枚で銀貨一枚だから今日は8000円円ほどの儲けという事になる。


  これは予想以上に大きな収入だった。丸一日働いたわけではないのに銅貨八枚を得ることができたのもギルドを通しての依頼だったからなのだろう。それに頑張って働いたおかげか夕食はまかないをもらう事ができた。その分の食費が浮いたので幸先のいいスタートだった。


  「ススム君大丈夫? 疲れてない?」

 

  ニアさんが心配そうに報酬を渡す際に手を握ってきた。子供が昼から日付が変わる夜まで働きっぱなしだったのだから普通なら疲労困憊だろう。


  「大丈夫ですよニアさん。僕これでも鍛えてますし、それに『治療術』スキルはどうやら傷だけでなく疲労などにも効果があるみたくてまだまだピンピンしてますよ!」


  実は疲労感はあった。でも動けなくなる程でもなかったしまだ働けるのは事実だ。


  それにしてもこの『治療術』スキルはこうやって労働するには便利ではあるのを考えるとこのスキルはススムに馬車馬のように働けと言っているように聞こえる。


  「それで一つお聞きしたいことがあるのですが―――」


  この街についてよく知っているであろうニアさんに聞きたかった事があったのでこの際に質問してみる。


  「それならうちの裏手にあるわよ。でもなんでそんな物を?」

  「ちょっとした興味本位ですよ」


                      〇


  ギルドを出て教えてもらった建物に入っていく。


  「すいません!」


  店には誰も居なかったので裏手のも届くように叫ぶと奥から一人の男性が出てきた。筋肉が盛り上がりつけているエプロンの上からでも隆々さがわかる。


  「おう! なんだい坊主。何か用か?」


  ここに来たのは自分の立てた仮設の為の道具を取りに来たからだ。


  おそらく今後は授業後に今日のように仕事で昼から夜まで働くから学園の図書館での調べものをする時間が取れなくなる。本来ならもっと情報を集めてから行いたかったが仕方ない。力を手にするために賭けにでたのだ。


  「あの……魔物の肉ってありますか?」


少しづつブクマが増えていってます。ありがとうございます!


次回、ススムがどのように強くなるのか……

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