鬼ごっこ、決着
やったことは簡単。
事前に唱えたウォーターアローと一緒に走って行っただけだ。
しかしここの迷路、薄暗い。
この中での魔法はぼんやりと光ってて目立つ。
あとは曲がり角手前でオレだけ止まり、改めて声を出しただけ。
ダンジョンマスターらしきプレイヤーはまんまと魔法を避けて一安心。
そこにワダツミで一撃食らわした、というだけなのだ。
たかが武器による一撃。されど距離を詰めることができた。『加速』みたいに高速移動するスキルでもない限りこのまま押し切れる、はず。
「『早足』!『サンドブリッド!』」
急げ!少しでも距離をとって。牽制の魔法を撃て。
剣で攻撃されたと理解してからはやばかった。
近距離攻撃を持ってない以上、こちらが不利。
持っている杖は魔法の威力を上げこそすれ叩きあうようには出来てない。
高速移動スキルらしい『ダッシュ』を使われてから魔法が放たれた。
食らいつく。離されたらそれこそ勝機をなくす。
また鬼ごっこをする気はなく、この場で決着をつけようと更に歩を進める。
するときた。あの魔法だ。
「ヘビーカスタム・サンドストーム!」
ヘビーカスタムっていうのが分からないが、ここで撃つなら必殺技なのだろう、大きな砂嵐。
打ち破る。
「『ウォータースクエア』『ウォーターストーム』!」
強化魔法込みでのストーム。相殺なるか。