心理戦 その3
魔法には魔法で対抗できる。
同じ種類の魔法をぶつければ互いに消える。
ウェポンでやった経験が活きた!
ダンジョンマスターならこっちの位置を捕捉できるのか、ストーム系みたいな範囲魔法やブレット系の貫通魔法は、ダンジョンの壁をもすり抜けるのか。
正直不安しかない鬼ごっこだが、やるしかない。
こちらはあっちを見つけられない。それは『鬼ごっこ』のルールでもある。自分で見つけるしかないのだ。
ストーム系なら壁もすり抜けて攻撃できるが、やりすぎたらこっちが見つかる。
警戒しながら曲がり角を曲がる。もちろんすぐに魔法を撃てるように準備して。
しかし、いない。
撃ち込んだヘビーカスタム・サンドストームは無駄だったか。
この角を進んだのは間違いない。警戒しながら進むしかない。
あっちだって同じなら遠距離攻撃が出来るこっちが有利だ。
警戒しつつ向かってくる気配。
足音が静かでゆっくりだ。
たまにジャリ、と音がする。
同じ道を後ろから追いかけて来ている?
偶然か捕捉できたのか。
カウンターを仕掛ければはまるのではないか。
そう思い、小さな声で魔法を使う。
「『ウォーターアロー』」
…
……
………
…………
「いけ!ウォーターアロー!」
目の前を青い矢が通り抜けた。こっちの追跡はばれているらしい。
タイミングもほぼ完璧。
勘なら恐ろしいな。
あと一歩。角を曲がり終えていたら当たっていた。
だが、こっちもアローで応戦を
ずばっ!
何が起きた!?