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Db×W  作者: 黄野ポピー
1章 自由な世界
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鬼ごっこ

土属性アロー魔法。速さを重視して確実に当てるための魔法。

言ってしまえば、牽制。

逆に言えば、この場で戦うという宣言。



この迷路にはきっと出口がない。この迷路で相手を倒すのがコンセプトなんだろう。


今の一撃は背後からだった。

後ろには曲がり角。

急げ!







ダンジョンにやってきたのは鋏みたいな剣を持ったプレイヤーだった。

迷路の出口を探して、探し回って、集中力が切れたら狙う。


今のところ撃退数は伸び悩んでいるけど、きっとなんとかなる。


すぐに曲がり角まで来るだろう。遅いボール魔法でも仕掛けて置くか。






曲がり角まで来て、違和感。

明るいのだ。

迷路の中はずっと薄暗かった。

ここで光源になるものなんて、


魔法じゃないか。



ここのダンジョンマスターは魔法使いだ!

少なくとも俺よりも明らかに魔法を習熟してる。


光源に向かって、俺はウォーターボールを唱えた。






いつもよりも炸裂の音が大きい気がした。

が、あちらが勢いよくぶつかりでもしたのだろう。

早く隠れろ。また狙い撃ってやる。






スキを狙い、追いかけ、条件の全く違う鬼ごっこが始まった。

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