二本の短剣
前回から間が開いてしまいすみませんでした。
新たに受診したところ、うつ、とのことでした。
まじかー。やばいですね。
二本というとシャークの口が光った時に握ったものしかないが…。
「シャークの口の中に光が見えてさ、やばいと思って空いてる手に予備武器を出して攻撃した?」
「だーかーらー!なんで二本同時に装備出来るんだって」
は?
「出来たから出来た、としか」
言いようがない。
「はぁ…、見てろ」
グレンはため息をつきながら装備している剣を見せる。
そしてグレンの前にメニューウインドウが表示される。
一瞬の光のあと、杖を手にしたグレンが現れた。
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「で?」
「で?じゃねぇ!普通は攻撃武器は一種類しか装備できないの!両手使うのは剣と盾とか、両手剣とか、ナックル系ぐらい!普通の武器じゃ二刀流は出来ないんだよぉぉぉ!」
ぜーはー、となんか怒鳴られた。
「あの時、変わったこと………」
思い出せ。これが出来るなら他のプレイヤーよりも一歩前に出ることが出来るんだ。
「や、やっぱなんもないわ。普通に装備できた」
「な・ん・で・だぁぁ!」
「あのー、それについてなんだけど…」
そこで今まで黙りこんでいたルリが小さく挙手しながら発言する。
「あのね、一応弓も両手武器なの。でもね、盾も一緒に装備出来るの」
ほら、と見せてくれた腕には小さな盾が着いている。
弓と盾の同時装備だ。
「始める時にね弓だけじゃなくて剣と盾も使えるようになっとこうって練習したことがあったんだ。それでつい剣を装備したまま弓に変えたらね盾はつけたままだったの。もちろん装備扱い。ただ大きいやつだと弓が当たらなかったり邪魔になったりするんだけど」
うーむ、これは
「もしかして、だけど」
仮説ではあるが説明した。悶えるグレンをなんとかしたいから。
「装備出来る重さ、とかが決まってるんじゃないか?剣と短剣なら当然短剣の方が軽い。軽量の武器はどれでも両手に装備出来るんじゃないか?ルリの場合弓は威力はあっても軽い分類されてて、残りの許容できる重さ以下の盾なら装備出来る。もしかしたら盾じゃなくてもいけるかもしれない」
これなら短剣の二本装備は論理的に間違いではあるまい。
「まて、重さが決まってるなら剣と盾のセットはかなり重いはずだぞ?」
「それは、特定のセットならその上限を越えないとか…」
「そんなうまく…いや、あれか。上級装備のデバフはそれか?」
なんでもレベルの高かったり高威力の武器は装備するだけでスピードが下がったり持ち上げられない、などといったことがあるそうだ。
「というか、短剣は元々二刀流で装備するのが正解なんじゃ…」
今までそこまで使い込んだ人がいなくて気付けなかっただけで。
「そんな、仕様があったとは…」
がっくりとするグレン。
「つまり短剣の、二本同時は問題ないってことだな」
「そうなる」
選べるスキルが増えるし、ありがたい。
「はぁ…それならガンガン行くからその二刀流慣れていけよ」
そうして始まったのだ。
グレンズ・ブートキャンプ第二弾、海編が。
説明会でした。読みづらいところとかあれば教えてください。