泳ぐのは得意?
ミノタウロスを倒し、魔法を覚え、グレンのダンジョンを見学した翌日。またゲームにログインしていた。
「えー、では今日はショウのモンスターを探しに行く。水魔法もあるし、水属性のモンスターにしようと思っているが、問題あるか?」
「大丈夫。すぐにでも行けるよ!」
「ルリも張り切ってるし、大丈夫だろう」
そんなわけで、今は船に乗っている!
グレン曰く、水属性は基本的には海や川、池や沼などで倒すものらしい。
なお、小さな川には小物が。深い海には大物がいるらしい。
沼とかには場所により毒や厄介な攻撃を持つのもいるし、ルリもいるしビジュアル的にも止めとこう、ということに、なった。
で、現在船に乗って移動している。行き先は海の街【ホエール】。グレンはショートカット出来るそうだが、俺とルリは行ったことないし、折角なので船に乗ってみることになった。
今乗っている船は定期船のようなもので、【オウル】から少し移動した港から乗ることが出来た。
「戦う場所がな、水中になるからちょっと準備してから行くぞ」
「……水中?」
「『ワールドダイバー』みたいな感じか?」
「あー、近いな。でもやったことないプレイヤーもいるからその練習する所があるんだよ。そこ行っとけば、『水中での行動制限が解除される』ってことになるから、海じゃなくても使えるぞ」
「ふーん」
そうしてやってきた【ホエール】の中心部。
見た感じ、サーファー御用達な雰囲気。
え、ここ!?
「ちわー」
「はいはい、誰だね」
「練習したいんだけど、プール空いてる?」
「あぁ、空いとるよ。好きな場所使いな」
「サンキュー」
「さて、プールです」
「見ればわかる」
「ここで何するの?」
「水中戦の練習だって。まずは入ってみ」
どぼん!
グレンはそのままプールに飛び込んだ。
装備とかはそのままでいいのか?
「行く、しかないか」
「かなー」
どぼん!どぼん!
「さて、息止める必要ないからなー。好きに動けー」
水の中ではグレンが逆さまになって、入った直後にそんなことを教えてくれた。
プールの中は凄まじく深くなっていた。そして自由に動けた。まるで本当に水の中にいるように!
水を蹴って推進力に変える。
水を掴んで停まり、方向を変える。
前後左右上下の全てに思うままに移動できる。
「相変わらずな。まさに水を得た魚」
逆さまのままのグレン。
「ほっとけ」
「ショウは泳ぐの上手いんだね」
ルリが感心!という風に言う。
「コイツ、昔は水泳の選手だったこともあったしな」
「昔のことは忘れた」
「ところで、ルリ」
「なんで遠ざかっていくの」
「私、泳げなくて」
「………よく飛び込んだね」
「なんか、足場とかあるかなって。でもほら、息できるし」
「まぁゲームで溺れたくないし」
「そーかー」
「あ、ショウ魔法だ!」
水魔法か?
「なんで?」
「各魔法を覚えて、対応する場所に行くと、新しい魔法が使用可能になる。水魔法開いて確認!」
どれどれ?
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水魔法
・ボール(LV1)
・アロー(LV1)
・ブリット(LV1)
・ウェポン(LV1)
・ストーム(LV1)
・スクエア(LV1) new!
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確かに、スクエアってのが増えた。
「『ウォータースクエア!』」
使ってみると、青い大きな板?が出てきた。スクエアだから四角だが。
「ルリ、それの上に乗って!」
「むりかもー」
「「おい!」」
「『ウォータースクエア!』」
狙いはルリの真下!
「お?おー!?」
ルリが板の上に落ちた?
流れはどうした!?
「スクエア系の魔法はその属性の足場を作るんだ。その足場では流れとか、熱とかの影響を受けなくなる」
「とりあえずルリには必須か」