決闘大会の準備 8
次の組み合わせは俺とルリ、グレンとシンだ。
後衛だけ入れ替えた形だが、一回目の反省を活かしてどんな戦術をとるかがカギとなる。
ルリのスキル構成は完全な弓攻撃。つまり属性はあれど物理攻撃に限定されている。
その代わり移動速度アップや矢を番えたりするのも早く正確。シンが万能の魔法で遠距離火力重視のスタイルなのに対して遠距離から手数で押すスタイルだ。
ちなみに物理攻撃に属性を乗せる利点としては魔法への対策が大きい。防御として重宝するウォール系魔法も属性矢の一撃で破壊出来るのだから。
あとは防御属性があれば対属性でダメージを増やしたり出来るのだが、今回は誰も属性防具を持っていないので割愛する。
カウント・ゼロ
スタート!
「『ウォータースクエア!』」
「『直射!』」
「『ウォーターアロー!』」
「シン!ルリの攻撃を頼む!『ファイヤーアロー!』」
「『ウォーターウォール!』」
ルリに使って貰ったのは水の矢。そして魔法系スキルはエフェクトが派手だ。しかも水属性強化した水の矢と水の魔法が混じる。
相殺したとしても派手な光で互いの姿が見えなくなる。
更にルリにグレンを狙って弓による通常攻撃をしてもらう。
光と水蒸気立ち込める中、唯一正確に敵の位置を知ることが出来るのがルリのもつ『鷹の目』スキルだ。このスキルは暗闇以外ならどれだけ距離があっても、エフェクトによる視覚妨害があっても、敵対存在の姿を捉えることができる。らしい。
そして、俺は矢の方向とグレンが矢を防御するか何かした金属音でグレンの正確な位置を察知。
これで準備が整った。
「『致命の一撃!』」
この日始めて使った短剣の武器スキルはしっかりとグレンに炸裂した。