決闘大会の準備 7
「ごめん、シン」
「こちらこそ、ごめんなさいですショウさん」
完全敗北のため謝り合う俺たち。
「やったね、グレン!」
「おう、作戦がうまくはまったな」
作戦とな?
「どんな作戦立ててたんだ?」
「う〜んと、その前にそっちはどこまで狙ってた?」
「最初に前衛と後衛の勝負に持ち込んで、その後はグレンを抑えつつ先にルリを倒そうと思ってた。で、俺とシンの2対1でグレンを倒そう、だったな」
これは間違ってはいないはずだ。
「ふむ、基本方針を固めたんだな。それは正しい。だけどこっちは途中まではその作戦を読んでたんだよ。後衛は防御力に欠ける代わりに攻撃力とか突破力に優れる。ルリを背後からルリに撃たれる心配もある中で俺とタイマン張るくらいなら先にルリを押さえにくるだろうと読んだ。だからこっちはルリよりも俺に意識を向けさせるために、ルリはショウに対して大技以外使ってない。ついでに言うならショウと魔法の撃ち合いをしてた時も俺はシンを狙ってたな。その後もルリの矢で確実にダメージを蓄積させて、防御ごと確実に撃破。お前も蓄積ダメージが重なって通常攻撃でノックアウト、とこういう流れだ」
ここまで完膚なきまでにされると苦笑いしか出てこない。
「まぁ俺とショウだと戦闘スタイルに大分違いがあるし、武器スキルの『致命の一撃』も使えないのに善戦したと思うぞ。こっちも『閃きの剣戟』を何回か使わされたし」
そうなんだよなぁ。『致命の一撃』は自分がターゲットされていると威力が十全に発揮されない。良くて6割だ。敵の死角に移動するスキル『死角移動』があるのだし、有効に使えそうな気はするのだけど、グレンにもルリにもターゲットされていては、そうそう・・・・。
いや、つまり両方の視界を封じられればいいのか。
サンドウォールならウォーターウォールと違って完全に視界を閉ざすことができるのではないか?