決闘大会の準備 6
ルリはシンに向かって矢を、シンはルリに向かって風のバインド魔法を放つ。
結果は相撃ち。
が、その後の効果は段違いだ。
風の束縛により身動きがとれず行動出来ないルリ。
後衛の魔法使いとして低めな防御力しかない所に通常攻撃がクリーンヒットしたシン。
行動できないルリと行動可能なシン。
「『ヘビーカスタム・ファイヤーボール!』」
シンの高威力の魔法がルリに炸裂する。
ここでの俺の役目はグレンをカバーに行かせないこと。
ルリを背後にした瞬間、グレンに向かって踏み込む。
「『ウォーターウェポン』」
「『ファイヤーウェポン』『斬り払い』」
グレンのスキル攻撃によって体勢が崩される。やばい!
と思えばグレンが背後に駆け出した。
俺の背後にルリがいるということは、グレンの背後にはシンがいる。狙いはシンだ!
「シン!防御して!」
「お、気付いたか。でも一歩遅い!『閃きの剣戟』!」
「『サンドウォール!』」
「おおぁ!」
「キャア!」
砂の壁ごとスキル攻撃を受けて、シンが戦闘不能になった。
こっちはルリを狙って、一対一に持ち込まなければ!
「『ファイヤーバインド!』」
グレンの束縛魔法!
「『直射!』」
風の束縛から抜け出したルリがスキルで俺を攻撃する。
HPは、ギリギリ残ってる!
「終わりだ!」
グレンが剣を一閃する。HPはゼロ。
模擬戦一回目は俺とシンの完全なる敗北となった。