vsセブン その6
遠距離攻撃で、行動阻害。ついでに強烈なノックバックか。
まぁ武器を手放すんだし、これくらいの効果はあってしかるべきか。
槍が刺さってるのは胸と腹の中間あたり。体のど真ん中だ。
腕は自由だが、縫い留められた。
移動が出来ない。
槍もすぐには抜けないし、セブンは予備の槍を取り出してるし。
魔法が来ないのは魔力を心配してのことか。
「こんなスキルをここまで隠してるとは思わなかった」
「奥の手だからな。普通、ここまでする前に決着はつけられる」
ちなみに刺さってるだけで継続ダメージとかにはなってない。動き回ればわからないけど。
「最後まで油断せずに、倒し切る」
セブンが改めて槍を構えた。来るのは通常攻撃かスキル攻撃か。スキルなら十中八九『突撃』だろう。
それともまだ隠し玉があるのか。
「『ウォーターアロー』」
「今更、こんなものじゃ打開策にはならん。詰みだ」
「いやぁ、ひとつ忘れてるだろ」
「なにをだ?」
「アクアナイト!」
背後からの攻撃でセブンの気をそらす。
今のうちに槍を引き抜く。
あー、痛み代わりの痺れがひどい。
それでもアクアナイトがやられるまでに槍は引き抜けた。状況としてはイーブン。
「『双魚の啄み』」
「『斬り払い』」
「ふん!」
スキルを弾いても尚、踏み込んで突きを狙うセブン。
ワダツミを剣形態から鋏形態へ。僅かに槍の軌道を逸して体を斜めに両断する。
結果、セブンのダンジョンを攻略することが出来た。代わりにワダツミが可変武器であることが悟られた。