いざ錬成
遅くなりました
翌日。
風の杖アルテミス。
土の杖イシュタル。
火の杖ホムスビ。
水の杖シオツチ。
そして触媒の地底の黒鉄と風森の鈴。
それらを持ってグレンのフレンドでサブ職が錬金術師のプレイヤーに会うことになった。
「やぁやぁ!よく来たね、歓迎するよ!」
燕尾服にシルクハット、モノクルをかけた女性プレイヤーだった。
独特のテンションにシンは少し引いている。
「あー、うん。皆、コイツは俺のフレの一人で錬金術師のアヤナミ。で、アヤナミ。まだ新人だけど誰も解明してなかった社のクエストをクリアした3人。短剣使いのショウ、弓使いルリ、魔法使いのシンだ」
「はじめまして」
「は、はじめまして」
「はじめまして、よろしくお願いします」
「おうおう、はじめましてヨロシクね。で〜?今回は私も見たことないアイテムの合成をやらせてくれるって?いやぁ、光栄だね。グレン君の友人をしていて良かったと心から思ったよ」
なんとも個性的な人である。
「さてさて、どれを合成するのか見せてくれるかい?」
「はい、これです」
シンは4本の杖を出した。
「ふむ、やはり特殊錬成だね。言った触媒は手に入ったかい?」
「ああ、風森の鈴と地底の黒鉄だ。これでなんとかなるんだよな?」
「ああ、私の腕によりをかけようじゃないか。丁度いい。見ていくかい?錬金術を」
「お邪魔でないなら」
「グレン君、君も手伝っていきたまえ」
「へいへい」
別室に移り、杖をそれぞれ一本ずつ持つように言われた。部屋の床には円と、その中に四角形を2つずらして重ねた図形が描かれている。
中央には持ってきた触媒2つ。
「さぁいくぞ。準備はいいかね?『祖は銀と硫黄。鏡が砕け血を流し地を潤す。水は流れ火は盛り、風は吹き地は動かず。さぁ万雷の喝采と共に合わされ。特殊錬成・四属性杖』」
詠唱と同時に杖は浮いてぐるぐると回り始めた。触媒も光って、少しずつ消え始める。
最後には一本の杖に変わって魔法陣の中央に直立していた。