vs炎天剣士 その6
炎がおさまったその姿は異形の一言に尽きた。
体中から生えた角。
目は6つ。鼻と口はかろうじて1つずつ。
何よりも圧迫感。
時折肩から吹き出す炎はなんなのか。そしてなぜ紫色なのか。
検証したいところだが、それをしていれば敗北は必至。
事前情報なし、予想のみで戦うしかない。
「魔法は効いたのか?あの方の紫の炎はなんだ?角はダメージ判定があるのか?…」
グレンがファイアーバインドで得た時間で見た目からの推測をまとめている。
「カカ!行クゾ!」
声まで変に反響したようになってる。さっきまでとはもう別物と考えたほうがよさそうだ。
「オオオオオォォォ!」
手の爪によるひとなぎ。普通ならカウンターを仕掛けるところだけど…
「避けろ!」
ガゥッ!
それは地面をえぐり飛ばした。
「刀スキルから格闘系のスキルになってる!近接戦は極力控えろ!」
「『ウォーターボール!』」
「『ウォーターウェポン!』がんばってください!」
いつの間にかワダツミにかけた付与が解けていたらしくシンがかけ直してくれた。
ワダツミを双剣に変えて、とにかく防御重視。ルリとシンの方には行かせない。
「『挑発』」
「カカカ!」
頭上からのチョップを剣を交差して止める。鋏にしとけばこのまま斬れたのに。
ギリギリと軋む。炎天剣士もこのまま押し続けることにしたらしい。ならば…
「『閃きの剣戟!』」
「グアァァァ!貴様ァァァ!」
「『致命の一撃!』」
「出来ました!『ヘビーカスタム・ウォーターボール!』」
大水球が炎天剣士に殺到した。