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vs炎天剣士 その1
「いざとなれば赤鬼を召喚するとして…」
グレンの気合の入りっぷりに少し引くルリとシン。
オレは慣れたものなので今更だ。
「ルリは風属性でもいいけど、シンさんは前に使ってた杖で水魔法よろしく。ショウも基本は水属性付加な」
全力で倒しにかかるらしく全員に指示を出していく。
「さぁ、やろうか」
洞窟をすすむ。燃える鳥居を越えて。更に進む。
見つけたのは、祭壇。
広い空間に3段だけの階段、壁際には篝火が並ぶ。
階段を登った先。広場の中央には祠のようなもの。
全員で奉納用に持ってきた果物を供える。
『クカカカ!よくぞこの祠を見つけ出したな人の子よ!その褒美だ!我が刀のサビにしてくれよう!』
ゴゴゴゴゴゴゴ…
出てきたのは、体のあちこちが燃えている侍。
モンスターネームは『炎天剣士』。
所持武器は剣…刀?と脇差のようなもの。
サイズはオレたちと同じくらい。
「ウチのダンジョンに欲しいな…」
「言ってる場合か!来るぞ!」
鞘に手をかけ刀を抜く構え。いわゆる抜刀術の構えで向かってくる炎天剣士。