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文芸部短編集

打ち切り最終回

作者: 林集一

 


 ここは剣と魔法のファンタジーの世界。

 昨日死んで転生した。


 そして、あっという間にもう15歳。今日からファンタジー高校に入学する。


 この学校は剣と魔法のファンタジー高校と言う名前からして、非常にデンジャラスな所だ。そのでは恐ろしい日常が待っていた。

 鉛筆はショートソード付き鉛筆。

 消ゴムは魔法の消ゴム。


 鉛筆にショートソードがついている理由は戦場において急に刃物が顔面に来ても対応出来るように度胸をつけると言ったものだ。


 そんなんいるかボケ。


 魔法の消ゴムは文字通り魔法の力で消える消しゴム。魔法の使えない私にとってはゴムでしかない。試しに使ってみたら黒い滲みが出来ただけだった。


 それを捨てるべくゴミ箱を探すが、見付かったのは同じく魔法のゴミ箱。魔法が使えなければ開きもしない。私にとってはゴミですらないオブジェだ。誰かがゴミ箱を開けた瞬間を狙ってゴムを投げつけたが、魔法障壁によって弾かれた。

無駄に高性能なのが私の怒りを増幅する。

 


 そんな学園生活にも慣れた一週間目。

その時はやって来た。――数学の小テスト。それは膨大な量の問題を制限時間きっちりまで解き続けるものだが、学園一の秀才ピコ二郎もショートソードに苦戦して自慢のパンチパーマが半分ほど削れている。学園のマドンナ、パヴロ・ピカ子も耳を切り落とす大惨事だ。剣と魔法のファンタジーも楽じゃない。


 私? 私は元の世界の名前を間違えて書いて0点。消しゴムが使えないのはどうしようもない。


 さて、ショートソードの並ぶ大便器にて用を足すのにもなれた頃。学校では超能力実習が始まった。これは剣と魔法のファンタジーの住人にとっても難しい技量である上に、超能力は我らが世界にもあったので、もしやもしやの可能性を信じて習い続ける。


 出来た。

それにより、超能力が出来なければ退学と言う厳しい学校生活に光明が差した。


 学年が上がって2年生になった途端に学校で両手両足を使う事を禁じられた。サイコキネシスで身体を浮かせて移動して、サイコキネシスで鉛筆を制御しなければならなかった。


 そして、2年次になっても私の残念な生活は変わらなかった。そもそも魔法の使えない私は書き直しも出来ずにゴミ箱だって開けられないのだから。


 しかし、何とか誤魔化しつつ3年次に進級した。3年次になると卒業年次とあって大分厳しくなる。サイコキネシスを切らさない前提なので廊下は針の山、時々あるまともな床も、踏んで運が悪ければ変な罠が発動して※かべのなかにいる※と言う遺言を残す事となる。


 この物語はここから始まります。御愛読有り難う御座いました!


 


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] アイデアが良かった。 何か、週刊少年ジャ○プの打ち切り最終回を読んだ時のような…そんな気持ち。 まさか、短編でやるとはな! さすが!
[一言] さらにチョット待った。 ペペとテンガいますのん? これ思いついた時、一人で大爆笑してたんですが…… まさか同士に出会えるとは…… ほんと似てますねえ。
[良い点] ちょっと待った。始まった瞬間終わった。 二周ぐらい先走り過ぎてる感じですね。 面白かったです。 そういえば、無双シリーズで超能力VS魔法を書こうかと思った記憶が蘇りました。
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