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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
98/262

第97階 聖獣達の国への旅路

どうしても私達に同行したいと

お姉ちゃんである

ターキッシュアンゴラちゃんに

ひっそりと着いてきた

シンガプーラちゃん

何とか御両親を説得し

共に魔界観光の同行を許された

魔界の亜人族である

魔人族の王女様の同行に

賑やかになる事間違い無しと

私はワクワクさせていた


「女子旅じゃないのですね...」

何かと不安そうな

ターキッシュちゃんが

細々と問いかける


「うむ、ゼムは片道だけ」


「うお!?」


「夕方には着くから

安心して頂きたい」

とターキッシュちゃん相手に

丁寧に対応するのはネクさん


「どういう事だよ!それ!」

ネクさんに抗議しようとするゼムさん


「ゼムは私と共に

国交の樹立に為に向かっている、

後は魔界の天皇様の紹介も兼ねてだ、

我々は一応国家機密レベルの

仕事なんだが?」

"怒"のページをゼムさんに向ける


「わーってるよ!!

終わり次第国が俺を迎えに来る

手筈なんだろう?」


まぁ、私は賑やかで良いんだけどね

...........


魔獣国から私達に貸し与えられたのは

地面を海に見立てて走る

大型クルーザーなのだとか

テュポさんの所有物が

使われていた

良く仲間同士で使うみたいで

運転手はネクさんだったりする

動力源は魔力で動く

本を読みながら..片手間に動かす程に

ネクさんは運転に慣れている

本が本を読むというちょっと

不思議な光景があるのは

一先ず置いておこうかな!


魔界の闇夜が美しく光り

風を切る感じがたまらなく

心地が良い


見てよ、あの

マスカリアの幸せそうな顔


「うー、私は満足じゃー」


「ちょっと!マス姉!

落ちそうじゃない!?」

マユナが心配してるのが可愛らしい


「大丈夫だって!マユ〜

みんな信じてるぜ!」


「...その通りなところが

なんとも言えないわね」

命君とシンガちゃんを寝かしつけた

マテハが苦笑している

幼いのにもうお母さんやってる

イムとマユナで慣れているのかな


「...2人の調子はどうなのさ?」

マユナは最近シンガちゃんが

お気に入りみたいだった

可愛い妹が増えたと漏らしていた


「命は基礎訓練からかな

シンガちゃんはお姉ちゃんと

良い勝負ね、潜在能力が」

マテハは暇な時間を使って

訓練していたのだった

そして2人は疲れて眠っていた


「そう、あの姉妹やっぱり強いのね」


「私達みたいじゃないか」


ふふっとマユナの笑顔は

風と共に流れていった



「まだまだ...時間はかかる...ん?

どうした....」


星闇宮(せいあんきゅう)

魔界の天皇の居城

魔界を覆う程の威圧と強大さ

私は思わず言葉を漏らしてしまった


「....今は物静かに

ふけっていやがるが

つい最近までは荘厳な威圧を

魔界中に降り注がせていたんだぜ」

ゼムさんがクルッと後ろを向く


「....私も一度ぐらい行ってみたい

ものだ....」

ネクさんは本を閉じた


「あれが観光の

最終目標なんだっけ?」

ぷらーんっと洗濯物の様に

2階の見渡せる場所の

手すりにぶら下がっていた

マスカリアが起き上がる


「えぇ、そうよ!マスカリア

.....やっぱり私、凄く欲しい」


「.....友人にして下さい

下僕でも構いません」

ネクさんが"忠実"のページを開く


「魔王様達は一度招集するわ

私が成ったあかつきにはね」

来いと言っているのね

魔皇ミラース・ラーバ・ラーサ...

いえ、宗茂(むねしげ) 斗羅(とら)

待っていなさい

その為に私は"此処にいる"のだから!


「ちょっと、やっぱり凄いわね」

うっすらとほのかに淡い桃色の

唇を噛み締めながらマテハが呟く

かの居城を見据えながら


「私達の目的...そして

ハツミはあの城の主となるか

なんか、凄い事になったわね

...それでも私は鼓動が高鳴って

ワクワクするわね」

マユナの肩まで伸びている

ボブがふわっと風に遊ばれて

美しくなびいていた


私達は魔界の天皇の築いた

象徴にうっとりしていた



「うお!?もうそろそろ着くぞ!」

ネクさんもみんなも

時間が過ぎて行くのを忘れていた


「中々綺麗な城ね?」

天に届くかの如く貫く

水晶の塔が眼前に現れる


「...特に名前はない...

けれどもこの暗黒の魔界において

あれだけ色を示すという事は?...」

ネクさんも見上げていた


「守護的な魔法で守られている

って事かな?」

マテハが覗き込む


「うむ、正解だ

ゼムの様な悪の心を持つ者は

痺れて動けなくなる」


「そりゃまぁ、ある意味動けんな

だってよぉ、俺はあの塔を

見据える度に惹かれるんだ」


「確かにね....」

景色を見ながらくつろぐ

マユナが呟く


「私は嫌いだ....あの場所では

魔法が使えないからな!」

ネクさんの言葉に顔を見合い


「えぇーーーっ!!!」

と驚きの声を上げた


水晶の塔は堅牢な城壁に囲まれている

陸地からの侵入は困難だし

確かに魔法の効力を薄める

結界が貼られていた

それは空からの魔法による侵入も

困難となっているという事を

同時に示していた



「使えないって言ったよね?」

意地悪にマユナが言葉を紡ぐ


「そうそう言った!!」

ターキッシュちゃんが

小さな風を巻き起こす


「その...あの....それは....」

そんな2人にネクさんは困っていた


私達は水晶の塔の護衛の

双子の兄弟である

ヨルムさんとミドさんに

案内され水晶の塔に向かっていた


「いえいえ、ネクロノミコン様

彼女達が規格外なのでしょう」

白い剣を持つのがヨルム


「そうですよ最悪夢様も

同じ状態なのですから」

黒い剣を持つのがミド


「俺には爪と牙がある」

ゼムさんは強がっていた


まぁ、思惑通りね


「魔王グリモワール様以来の

驚きですよ」

ヨルムが苦笑する


「領内で魔法が使える方なんて」

ミドがそれに続く


「それはこの国の魔王を

上回れば問題無いという事ね?」

私の問いに2人は顔を見合わせて

困った顔をしていた


「「....その質問は

お答えしかねます」」


私達は城壁を抜け草原の様な場所に

拓けた道を進んでいた


「城壁を運良く抜けられても

水晶の塔の上層階から

狙い撃ちかしらね」

マテハは上を見上げながら呟いた


「あらら、気付かれました?」

表情を変えないヨルム君


「気付いたところで

突破出来る方はいませんが」

ミド君はなんだか強がっている



「素敵な自信ね」

マテハはうっすらと微笑んだ


「「交代だよ〜」」

今度は双子の姉妹が現れる


「「後は頼んだぞ」」


「「はい!任されました」」

本当に聖獣なんだな、この子達


「ねぇ、ハツミ..彼女達も

人化の技法使ってるわよね?」

私はマユナの問いかけに

コクっと頷いた


「オッケー」

と言いながらシンガちゃんの方に

戻っていった


白い杖を持つのがカドゥ、

黒い杖を持つのがケリュだそうな


水晶塔の中には彼女達が

案内してくれるとの事

水晶の巫女だそう

ちなみに双子の男の子達は

水晶の戦士だそう

この"シセエ"の地の主が

役職をくれたそう


「とはいっても、お客様を

グクマッツ魔王様の所に御案内する

だけなのですけどね」


「ねぇー!」

カドゥちゃんの言葉に

ケリュちゃんが同意する


「着きますよ」

カドゥちゃんの言葉と共に

ケリュちゃんと荘厳な扉を開いた

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